君のいない迷路 55 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

僕にとって東京は

近寄りがたい大都会で

全てのものが倍速で動いてる

のんびり屋の僕にとっては

目が回るほど忙しい街

電車は5分間隔で11両編成でやってくる

そして、どの車両も満員で

人の多さにも辟易してしまう

通勤だけで疲れちゃうな ・・・

「東京に住め」と言われても

即答は出来ないと思う

そんな忙しい街で彼は暮らしてる

それだけでも尊敬に値する

 

改札に向かう人の波が近づいてきた

ホームに電車が到着したのが分かった

 

しかし凄い人だぁ 

汗を拭きながら足早に改札を抜けていく

こんな大勢の中から

彼を見つけることが出来るのかと

ちょっと不安になってきた

 

待ち合わせなら改札を出て

何処かで待っててくれる

約束無しで来てるわけだから

彼が僕を探すことはない

 

スーツのジャケットを着てるかな?

この暑さだと脱いでる可能性は大

彼はかなりの暑がり

先頭の人たちが改札を通り抜けていく

その中には居ない 

かなりの人たちが改札を抜け

それぞれの場所に向かって歩いていく

人の波が途切れて

全ての人が外に出たんだと思った

 

彼は通らなかった ・・・

それとも見失った?

 

改札とは反対の方に視線を移し

彼の背中を探したけど

それらしき姿はなかった 

まさか会えない?

背中に冷や汗が流れた ・・・

 

どうしよう ・・・

隣接しているスーパーに

探しに行った方が良いのかな?

それとも ・・・ もう一本待つべきか

 

隠し事はするけれど

嘘はつかない人だから

電車には乗ってるはずだ

もしかして駅を間違えた?

 

どんどん不安になってきて

焦ると人は訳の分からない行動に出る

確か、引っ越してすぐに

彼が最寄駅を教えてくれたはずなんだけど ・・・

「駅」といれて検索する

電話をすれば済むことなのに 

それにも気づけないほど慌ててた

 

どこまで行っても

僕は間が抜けてる ・・・

 

 

 

 

~*~*~*~*~*~

 

次の電車が到着したのか

階段を上がってくる人の波

それをやり過ごし

一番最後の人の後に続く

 

足取りも重く

どんどん前の人との距離が開いていく

 

改札に向かう階段を一段降り

顔をあげた時

一瞬、携帯をガン見してる人が目に入った

約束をすっぽかされたのか

時間を間違えたのか

待ち人に会えないのだろうなあと思いながら

 

2段目、3段目と階段を下りる ・・・

 

 

え? ・・・

? ・・・ ?? ・・・ ??? ・・・

あれ ・・・ いや ・・・ それはないよ ・・・

 

だって ・・・ 君はサンフランシスコで ・・・

ここは東京 ・・・どう間違っても

あそこに立っているわけがない ・・・

 

心配し過ぎて

背格好が似てる人が

君に見えてしまった

 

 

俺も馬鹿だな ・・・

君の幻を見るなんて ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>