取り敢えず打ち破ろうか 207 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

本家を出て途中何か所かで

長めの休憩を取りながら

里に着いたのは、未明の2時過ぎ

御前はバスで儀式の装束に着替える

帝が着用する装束は別の車

そこに乗っているのは

貴方のご両親だ

 

途中休憩の間も会う機会がなく

里の到着しても

俺達は車から出ることはできない

 

「想像を遥かに超えるスケールだな」

 

翔兄がまだ信じられないって言う顔をした

耀の一族当主である実家が

凄いと思っていたが

鼻で笑われる世界だ 

 

本家を出発した車の台数の多さ

荷物を運ぶのはトラックではなく

大型のバスで

中で着替えも出来るらしい

(あの大変な着替えが)

 

「国を再興する儀式だよ

 一族じゃなくて国だから」

 

「確かにそうだな

 千年の間、待ちわびた今日の為に

 準備してきたんだたろうな」

 

俺達の車を運転してくれたのは

小栗君の配下の丸山君だ

俺の事は何度か見かけたことが有るらしい

 

「そろそろ、出迎えの本家の方がお見えになります」

 

「窓を開けても良い?」

 

「それは構いません

 ただ、外に出るのと

 動画や写真は控えてください」

 

「それはしないよ」

 

彼が話をした直ぐ後

蔵の中から蝋燭の灯りを手にした

装束姿の小栗君と小滝君が出て来て

入り口の両サイドに立った

数秒後、束帯姿の画伯が入り口の前に立った

 

「翔兄、画伯だよ」

 

表情は暗くて見えないけど

翔兄が見惚れてるのが分かる

 

「ああ ・・・ 神々しい姿だ・・・」

 

 

確かに蝋燭の灯りに照らされた画伯は神々しく見える

 

『翔、私は智の傍に行くよ』

 

翔様の声が聴こてた

 

「皇子が来てるんですか?」

 

『ああ、車の前に立っている』

 

そう言われて目を凝らすと

暗闇の中浮かぶ白い影が

人の形になるのが見えた

 

「智君も来てるって事?」

 

『いや、長は来ていない

 智が長の目になってるようだ』

 

「じゃあ、同じ光景を見てるってこと?」

 

『そのようだ 

 では、行ってくる』

 

その言葉の後、白影の横に寄り添うように佇む

もう一つの白い影

 

翔様、ようやくこの地で皇子に会えたね

何だか胸が熱くなってきた

 

「御前が出てきたぞ」

 

翔兄の声で顔をあげると

束帯に身を包んだ御前が

画伯の前に歩いていく

その後ろに輿を担ぐ人たちが続いた

 

「もしかしてあそこに納めるのかな?」

 

「御前の説明だと

 帝冠、宝剣、勾玉の3種は

 御前と画伯しか触れられないから

 それを輿の中に納めたら

 彼らが運ぶんだろうな」

 

「画伯と御前が先頭を歩き

 あの輿の後ろに

 装束の輿が続くんだよね?」

 

「多分そうだろうな」

 

厳かに行われる儀式

見ているだけで背筋が伸びていく

画伯と御前が蔵の中に入り

その後ろから輿が入り

担いでいた人は直ぐに出てきた

 

「やっぱり、3種の宝物は

 あの二人しか触れないんだな」

 

蒼穹国の三種の神器

(確か鏡は蒼穹殿に収められていると聞いたけど)

 

「もしかして

 儀式が終わったら

 三種の神器は蒼穹殿に納められるのかも?」

 

「三種の神器は納められてるんじゃないか?

 鏡、勾玉、刀は」

 

「そうか ・・・ 国を守るための物

 じゃあ、宝物庫に有る物は?」

 

「儀式の際、帝が身に着ける宝物

 だから帝だけの為に作られた物」

 

「想像の域を出てないね(笑)」

 

「後で御前に聞いてみよう」

 

分からないことだらけだけど

学べばいいんだ

 

俺は耀の一族ではなく

蒼穹国の一員になるんだから

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>