取り敢えず打ち破ろうか 205 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

冬の夕飯は鍋が定番

人数が多い方が楽しい

と言う事で(なのかは知らないが)

今夜の夕飯は鍋となった

本家の邸は長就任の際

前長からの引継ぎの為

1週間ほど滞在したことが有るが

殆どが長がいる離れで過ごしたため

あまり憶えていない

 

「本家の邸ってかなり広いよね?

 明日の明け方運び込まれる装束は

 どこに置かれるの?」

 

「本家の邸を通り離れに部屋に置かれますよ」

 

綾野君がサラッと答える

離れに有ったっけ?

 

「気が付いてないの?

 長でも入れない部屋があるだろ? 

 蒼穹殿に一番近い場所にある部屋!」

 

画伯が豆屋さんが作った

お猪口手にくすくす笑う

『最近作った物だから、絶対に使え』

と言って置いていったものだ

 

「あの部屋なの?」

 

倉庫かと思ってた ・・・

 

「はい、あの部屋です」

 

綾野君が笑顔で頷いて

空になった猪口に酒を注いでくれた

 

「知らなかった

 そうか、長の就任の際の装束も

 あそこに置いてあったんだ ・・・

 ここに来てからだいぶ経ったのに

 知らない事の方が多いな」

 

どうしても外に外に意識が向き

離れがどうなってるかは

あまり関心がなかった

 

「長の装束はあの部屋に

 置いていませんよ」

 

綾野君に全否定されて

唖然としてしまった

 

「なんで?

 長の装束も本家からでしょ?」

 

「いえ、長の装束は

 長老家が用意します」

 

「厳密に言えば本家が用意した布で

 長老家が作るんだけどな

 今回のように蒼穹国に関わることは

 全て本家が執り行う

 それらすべての作法については

 本家が継承してるから」

 

本家と長老家

それぞれの役割を担ってるって事だ

そしてそれは、この先も変わらないのだろうな

 

「俺は何をすればいいの?」

 

画伯は何も教えてくれない

 

「どこの国に皇子が即位の儀の支度をする?」

 

画伯が一刀両断の如く

教えていない理由を言う

 

「ええ、何もしないです」

 長、その辺りの自覚

 早く持って頂けませんか?」

 

「そうですよ

 長の威厳を身に着けてくださいね」

 

ずっと黙って食べてた小滝が

ここぞとばかりに綾野君に加勢する

 

「小瀧~!」

 

じろっと睨むと首を竦めて

苦笑いを浮かべる

 

「小瀧君の言う通りだよ

 これからはもっと威厳を持って

 勝手に動き回らない様に

 小栗君たち護衛も大変なんだから」

 

画伯の言葉に小栗君が苦笑いを浮かべ

黙ったままお酒を口に運んだ

 

あれれ、雲行きが ・・・

長を諫める会になってる気がするんだけど ・・・

 

「みんな、そんな不満あるの?」

 

思わず4人の顔を順にみてしまった

見て行った順に笑い出す

 

「そうやって笑って誤魔化す

 今なら聞く!不満があったら言って!」

 

我慢されて傍に居られるのも嫌だし

お互い嫌な思いをしたくない

 

「長、冗談を真に受けないでください

 今のままでいいですから

 ただ、やらなくて良い事は

 やらないでください」

 

「そこは分かった 

 俺は許可を出せばいいんだよな」

 

「その通りです」

 

「質問なんだけど

 本家が来るのは2時から3時だよね ・・・

 夜明けまでだいぶ時間があるよね」

 

蔵の中の宝物殿にある

帝が身に着ける3点を運び出すのかな?

その辺りもはっきり聞いていない

 

「あの3点については

 本家の者しか触れてはいけないんだ

 だから、俺と御前でお迎えに上がる

 俺はあの蔵の前で御前を出迎え

 そのまま中に入り

 箱のまま専用車にお運びする

 陽が昇る時刻、御前と俺で

 宝物3点を先頭に邸に入り

 そのまま離れの部屋にお運びする

 装束はその後に続く

 だから、サクちゃん達が邸に入れるのは

 夜が明けてからだな」

 

「その間は?」

 

「車で待機となる」

 

そうなんだ ・・・

じゃあ、すぐに会えないじゃん

 

「着いたからって

 すぐには会えないんだよ

 今回、彼らは本家の一員だから」

 

心を見透かされてたのか

画伯から釘を刺されてしまった

 

「誰もいないからって

 会いに行かないでくださいね」

 

綾野君迄 ・・・

そりゃそうか ・・・

迎える彼ら4人とも忙しい

そこに俺が入り込む訳には行かない

 

ん?径君なら出れるじゃん

 

「径君が帰ってきたってのはダメなの?」

 

「ダメ!」

「ダメです」

「ダメだと思いますよ」

「先輩無理だって」

 

4人が4人とも

止めてくれと叫んだ

 

 

やっぱ無理か ・・・

 

 

翔、会うのは全部終わってからだな ・・・

 

 

 

 

 

 

<続きます>