君のいない迷路 35 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

母に電話を入れると

既に父が対応に動いていると言った

両親は離婚に合意したが

離婚届けは提出していない為

戸籍上、まだ夫婦のままだ

俺が結婚するまでは

出さない可能性が高そうだ

(祖父の存命中は難しいのかもしれない)

 

今から帰ると言ったら

帰ってこなくていいと言われたが

自分のことを他人任せには出来ないと伝えた

 

 

新幹線に飛び乗り

池田とはラインで話を続けた

 

『父が対応に動いてるらしいけれど

 どう動いてるか聞いてる?』

 

『ああ、相手の両親を呼びつけ

 話し合いをする予定』

 

『いつ話し合うの?』

 

『日程は聞いてない

 おばさんは何か言ってた?』

 

『最初は来なくていいと言われた』

 

『詰めが甘かったって

 おばさん後悔してた

 当人同士で解決したのなら

 口出すべきじゃないと思って

 相手を許したのが間違いだったと』

 

『もしかして怒ってた?』

 

『ああ、かなり怒ってた』

 

母は温厚な人だが

一番怒らせてはいけない人

 

『顧問弁護士出てきそうな勢いだった?』

 

『その勢いだった』

 

俺を窮地に落として

なんとか優位に立ちたかったんだろうけど

辞めるのはあの人のになりそうだな

 

『お前の家がどれだけ影響力があるか

 全く知らなかったんだろうな

 娘に問題があるのに勘違いして

 真正面から喧嘩を売って

 勝てると思ってる時点でアウト』

 

祖父はかなりの資産家で

政財界との繋がりがある

企業経営はしていないが

複数の有名企業の大株主

いわゆる投資家だ

○○の櫻井翁と呼ばれるほどだ

 

『知ってるからこそ

 祖父の所に行ったんだよ

 櫻井家の名跡を継ぐ孫が

 こんな状態で良いのかって』

 

『ってことは ・・・ 

 祖父さんの所に行ったのは親の考え?』

 

『だろうな ・・・

 あの人はそこまで知らなかったはず

 そもそも田舎の祖父の名前なんか

 絶対に知らないから 

 繋がってる取締役も知らないと思う』

 

祖父の名(力)を借りたくなかったから

極力、実家に関しての情報は出していない

一度聞かれたことが有る

「○○の櫻井家の関係者ですか?」と

その時は「違います、よく間違われるんです」と答えた

そんなことが有ったから母に

絶対に裏から手を回さないで欲しいと伝えてある

 

あの人の間違いは

都会に住んでる人は特別で

田舎の資産家の孫など

取るに足らない相手だと

舐めていたことだ

 

『あらゆる可能性を想定した方が良い

 どっちを先に解決するかは

 おばさんの意見を聞いてからで』

 

『そうだな』

 

『祖父さんが問題視するのは

 女性の問題よりも

 お前の解決力だろ?』

 

池田の言う通りだ

 

例え俺が同性と恋愛関係にあっても

あまり問題視しない

何故なら名目上の嫁を用意すれば

体裁は保てるからだ

 

それよりも相手に付け込まれ

自信で解決できなかったことへの叱責

 

『お前の言う通りだよ

 怒るとしたら解決力の無さ

 対応力の甘さだろうな

 母はそこを突っ込まれる』

 

『お前が行くしかないな』

 

『不甲斐なかったんだから

 叱責は甘んじて受けるよ

 ただし、祖父の言いなりにはならない

 そこは宣言してくるつもり』

 

『そこはおばさんと相談して

 考えればいい

 中改札で待ってる

 特急券は購入してるから買うなよ』

 

『ありがとう

 話をしててくれたお陰で

 落ち着いて考えられた』

 

『うん、そうだな

 じゃあ、後でな』

 

都会は向いていないかもしれないけど

負けて帰りたくない

だから、今度は勝ちに行く

まだ、何も成し得ていないんだから

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>