取り敢えず打ち破ろうか 198 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

昼食後、綾野君が呼びに来るのを待つ間

3人でどこあるかを考えた

 

「京都のお寺にはないの?」

 

二人がずっと一緒に暮らし

翔様が眠りについたお寺

俺の問いに皇子が首を傾げて

 

「あそこにはないはずだ

 彼奴は実家に関わる物を置くことを

 良しとしなかったから ・・・」

 

当時を思い出したのか

少し辛そうな表情を浮かべた

 

「京都のお寺にないとなると ・・・

 さくら美術館?」

 

画伯が次に有りそうな場所を口にした

 

「う~ん ・・・ あそこにはないと思う」

 

あそこに行ったとき

何も感じなかった

 

「確かにあそこには

 それらしい気(オーラ)は感じなかった」

 

流石、見極める者

物が放つ気を感じられるのかもしれない

 

「となると ・・・ お手上げじゃない?」

 

「探す方法 ・・・ 蒼さんに聞いてみるか ・・・」

 

「彼なら分かるかもしれないな ・・・」

 

皇子も画伯の提案に同意した

 

「蒼さんはどうしてわかるの?」

 

「彼はアンテークの声が聴こえるんだ

 だから、強く叫ぶ子がいると

 どんな遠くても探しに行く」

 

「店にいる子たちは気難しい子ばかり

 って笑ってたのは

 そう言う意味だったんだ」

 

「ああ、あの店にあるアンテークは

 自分で行先を決めるらしいから

 増える一方だとこぼしてたことが有る」

 

「蒼さんにお願いするしかないね」

 

「翔にはそう伝えるよ」

 

「俺も一緒に電話室まで行ければいいんだけど ・・・」

 

榎本径は1週間の休暇をとり

里に居ないことになっている

美術館の修復師が一人休暇を取っても

そこまで目立たない

 

「里を離れてる径君が

 屋敷で目撃されたら

 それこそ一大事だよ

 俺に任せて」

 

画伯も目撃されたら一大事なんだけど

俺と違い顔を知られていないから

なんとでも誤魔化せる

 

「お任せします」

 

話をしていると

廊下から綾野君の声

 

「長、失礼します」

 

「どうぞ」

 

かなりハードワークみたいだ

少し休ませないと

綾野君が倒れてしまう

 

「剛君、ちゃんと休んでる?

 かなり疲れてるように見えるよ」

 

「大丈夫ですよ

 体力には自信がありますから」

 

「そう言うのが一番ダメなんだよ

 そうだな ・・・ 今日は3時にここで休憩する

 長、それで良い?」

 

「ええ、長の命令で

 お茶を一緒に飲むこと」

 

「断れないよね

 長の命令は一番だから」

 

画伯がにやりと笑って

綾野君の背中を優しく叩いた

 

「承知いたしました

 3時にはお菓子をお持ちいたします」

 

「剛君の分も忘れずに」

 

「はい」

 

小さく息を吐いて

ちょっとだけ安堵した表情を浮かべる

 

「剛君の仕事は俺の世話だよ

 長老家で対処できることは 

 長老家に任せればいい

 何か言ってきても突っぱねて」

 

綾野君にも重要な役目がある

即位の儀の際、灯りを手に

長と見極める者を

蒼穹殿に先導する役目がある

 

「長の言う通りだよ

 君が倒れたら大変なことになるから」

 

「御心配、痛み入ります

 そうですね、私が倒れては

 お世話係の意味がございませんから ・・・」

 

緊張するのは分かる

俺だって実は緊張してる

画伯がいてくれるから平気な振りをしてるけど

 

「そう固くならなくても

 大丈夫だよ」

 

画伯の言葉は不思議だ

柔らかい笑みと言葉で

肩の力が抜ける

 

この人にも力があるんだろうな ・・・

 

「画伯、電話室までのルートの

 確保が出来ました

 今からご案内いたします」

 

多分、小瀧と相葉君と風間君3人が

要所要所に立って

立ち入りを禁じてるのだろう

 

「じゃあ、行ってくる」

 

二人はそのまま部屋を出て行った

 

 

 

 

 

 

<続きます>