君のいない迷路 30 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

金曜の夜、どこの店も満席

それなら、デリバーリーを頼もうと

部屋に帰った

 

「やっぱ都会だよな ・・・

 マンションからの景色もお洒落」

 

そうでもないけどな ・・・

確かに灯りが多いから

華やかと言えば華やかか 

 

今晩の夕食が届くまでの間

順番に風呂に入り

さっぱりした状態になった頃に

注文した品が届き飲み会を始める

 

「俺に報告する事あるだろ?」

 

ビールの入ったグラスを手に

にやりと笑って顔を窺うと

照れくさそうに頭を掻いた

 

「まずは 再会を祝して乾杯」

 

そこ溜めるところか?

往生際の悪い奴(笑)

 

「そうだな、かんぱ~い」

 

グラスを軽く当てて

一気に飲み干す

 

「風呂上りのビールは最高だな!

 腹減った ・・・」

 

おいおい、誤魔化すんじゃないよ

 

「ビールは常に最高!だけど ・・・

 ほら、話を誤魔化すな ・・・」

 

「うん ・・・ なんかさ ・・・

 あれだけ待つって宣言してたのに 

 3か月ちょっとで他の子と恋して

 なんか ・・・ 恥ずかしかったんだ ・・・」

 

長い長い片思いをしてて

それが成就しなかったんだから

恥ずかしい事じゃない 

 

「何も恥ずかしくないじゃん 

 内田の運命の相手は

 今の彼女だったって事だろ?」

 

「まあ、そうなんだけど ・・・」

 

「もしかして ・・・ まだ思いが残ってるとか?」

 

もしそうなら ・・・

それは大変なことになる

池田が言えないのも分かる

 

「アイツは俺の青春だから

 嫌いにはならないよ

 引っ越しの後 ・・・

 『私にとって大事な親友なんだ

  それ以外にはなれない ・・・

  ごめんね ・・・』

 そう言われた時 ・・・ 

 ここで諦めようって思った 

 親友のままいたいって ・・・」

 

二人と会った時

彼女の中に恋愛感情がないのは

何となくわかった

内田の恋心を利用してるようにも見えなかった

甘えるそぶりもなかった

どっちかと言うと男っぽい感じだった

 

「今も連絡とかしてるの?」

 

「してないよ ・・・

 まだ ・・・ あの頃の気持ちを思い出すと

 胸がチクット痛むけど・・・

 未練はないんだ」

 

そう言った内田は

清々しい表情を浮かべて

照れくさそうに笑った

 

「それが甘酸っぱい青春なんだろうな(笑)

 で、彼女さんはどんな子なの?」

 

「年下だけど年上みたいで

 全て包み込んでくれるような人

 俺の恋心は全部話した

 そしたら

 「無理して忘れなくていいんじゃない」

 って言ってくれたんだ

 そこからかな ・・・ 電話で話すようになったのは」

 

「恋心ごと受け止めてくれた人か ・・・

 でも、今はその子が一番なんだろ?」

 

目を大きく見開いて

何度も頷く内田

 

「勿論、一番だよ

 そして二番はいない!

 このまま結婚すると思う」

 

いきなりそんな話になってるの?

驚きすぎて固まった

 

「そんな早いの?」

 

「来年の春か秋にする予定

 逃げられなければだけど(笑)」

 

そこまで気持ちが固まってるなら

何も言う事はないな ・・・

池田はどうするかな 

中々難しいな 

 

「俺の話はここまでで

 一体何があったの?」

 

次は俺のターンだと言わんばかりの顔をした

 

「色々あったよ ・・・

 俺は思ってるよりもポンコツで

 優柔不断だった」

 

内田が目をしばしばさせて

 

「今更気が付いたの?

 櫻井はポンコツで優柔不断だったじゃん」

 

「へ?」

 

「危なっかしくて ・・・

 流されやすくて ・・・

 なのに自分は強いって思いこんでる

 そこが心配って智が言ってた

 俺もそう思ってた

 お前はカッコつけるじゃん(笑)」

 

マジか ・・・

ポンコツ認定されてたんだ俺 ・・・

何とも情けない ・・・

でも、言われるとそうだなって思う

 

 

 

 

<続きます>