取り敢えず打ち破ろうか 188 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

無事お披露目会が済み

広間でお昼をご馳走になった

蒼さん、さとち君、豆屋さんの姿はなかった

雑貨屋さんが

「後で迎えに来るそうです」

貴方と画伯に伝え

俺達には

 

「乗せて来てくれてありがとう

 お先に失礼します」と言われた

帰りもさとち君と一緒が良かったと思ったけれど

きっと二人とも気を使たんだろうな ・・・

食事の後、雑貨屋さんは多忙な二人を送っていった

 

「久しぶりにお会いになったと伺っております

 当家に伝わる若智さんの絵を

 お出しいたしますので

 ゆっくり見て行ってください」

 

若智さんの軸はこの家の蔵に保管され

美術館から依頼があると

貸し出すことにしているそうだ

それを聞いた貴方が

 

「それでしたら

 私共の美術館にも

 貸し出していただけるのでしょうか?」

 

「ええ、ご依頼いただければお貸しいたします

 ただ、数年待って頂くことになります」

 

国宝、重文は展示できる期間が決まっているため

企画をしても展示できるのは数年後になる

 

「勿論、待たせて頂きます

 蒼穹美術館で若智さんの展覧会が開けたら

 考えただけでもワクワクします」

 

「そうなったら、俺はその期間中は

 美術館で寝泊まりするな(笑)」

 

画伯が嬉しそうに笑って

絶対のそうする!断言する

 

「じゃあ、俺も一緒がいい」

 

「仕事どうするの?」

 

「展覧会の期日が決まったら

 すぐに長期休暇を取れるよう

 予定を立てて

 仕事に支障をきたさないようにするよ

 それならOKでしょ?」

 

翔兄も心得たもので

画伯が納得する提案をする

 

離れてても大丈夫って言ってたのに

もうこんなだ(笑)

思わず吹き出してしまうと

画伯も同じように吹き出した

 

「ほら、笑われてるよ(笑)」

 

「サク!そこは笑う所ではなく

 賛成するところ!」

 

思いっきり睨まれてしまった

 

「俺は大賛成だよ

 3週間くらい休暇を取った方が

 社員も喜ぶよ」

 

働き過ぎの社長

偶には休んで欲しいはず

 

「それもそうだな」

 

「お前はどうするの?」

 

「俺は ・・・」

 

里の美術館に勤める予定だから ・・・

 

「ホストだよホスト!」

 

画伯が助け船を出してくれた

 

「サクちゃん、

 美術館の展示企画とか

 向いてるんじゃないかな」

 

「キュレーターだっけ?」

 

翔兄が画伯に確認する

 

「うん、それを専門にしてる会社もあるんだ

 例えば、サクちゃんがするとしたら

 若ちゃんの絵の企画を考え

 展示する作品を集めるために

 関係各所にお願いし

 蒼穹美術館に持ち込む

 あるいは逆で蒼穹美術館が

 サクちゃんの会社に企画の依頼をする

 それを受けてサクちゃんが動く形になる」

 

もしかして ・・・

蒼穹美術館の就職試験を受けるのを知ってる?

それで落ちた場合のアドバイスかな?

 

「キュレーターの会社ってありますよね」

 

貴方が『良い考え!』って顔をした

 

展覧会をプロデュースする企画会社か ・・・

それなら割と自由に動ける

蒼穹美術館で働くことが出来なくても

蒼穹の里に住むことはできる

(落ちる前提での話だからちょっと複雑だけど)

 

「サクに向いてると思うな

 うん、起業も考えてみたら」

 

「フリーで活動すればいいのか ・・・

 での後ろ盾が居るんじゃないかな ・・・

 ちょっと調べてみるよ」

 

俺達の話を聞いていた現当主

満面の笑みを浮かべて

 

「何事も挑戦ですよ

 お困りのことがございましたら

 ご相談ください

 お力になれると思います

 では、鳳凰と白孔雀の軸をお持ちします

 お待ちください」

 

現当主はそのまま席を立って部屋を出て行った

 

「あの有名な軸が見れるんだ ・・・

 春には東京の美術館で展示予定だったはず」

 

画伯の瞳がキラキラ輝いた

 

「翔、さっきの話だけど

 お前に向いてると思う」

 

「そう思う?」

 

「うん、プロデュース力は高いと思うな」

 

履歴書を送った事

知ってたとしても

言わないだろうし

俺からも言えない

 

まあ、第一志望は蒼穹美術館

落ちたら考えよう!

 

「貴方の太鼓判を貰ったから

 本気で考えてみる」

 

やりがいもある

企画するのも好きだ

ここに来て

道が開けたような気がした

 

 

 

 

 

 

<続きます>