君のいない迷路 19 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

アメリカサイズのサンドウィッチと珈琲を

トレーに載せてテラス席に向かう

先輩のトレーにはサンドウィッチが二つ

朝から食欲旺盛だ(笑)

 

「美味そう! いただきま~す」

 

僕も同じように

「頂きます」を声に出して

サンドウィッチに齧りついた

 

「日本食が恋しくなるかなって思ったけど

 意外に平気だな」

 

海が近い場所なので

魚介類も豊富

それに日本の食材を手に入れることもできる

(ちょっと高いけれど)

 

「先輩はお肉があれば満足ですもん(笑)」

 

「確かに肉が美味いからな(笑)」

 

「食べ物が合わないと

 早く帰りたくなるけど

 その心配はないですよね

 でも、今年中に帰れますかね?」

 

当初の予定より

かなり遅れてる状況

 

「う~ん ぎりぎりじゃねえかな

 正月は日本で迎えたいけどな」

 

「そうですね ・・・」

 

「智は日本に帰るのか?」

 

冗談ぽく聞くけど

目が笑ってない 

 

「なんですかそれ(笑)

 帰りますよ」

 

「こっちで働かないかって

 誘われてるだろ?」

 

「先輩も言われてたじゃないですか」

 

つい最近言われたことだけど

先輩にも言ってたのを見たし

本気じゃないと思う

 

「俺のは冗談だけど

 お前は違うぞ

 あれは本気だ」

 

「ふふ ・・・ それを言うなら

 先輩の方が本気です」

 

どっちも冗談な気もするけど 

 

「まあ、心は揺れるよな ・・・

 ただ ・・・ 結果が全てだから

 やりがいはあるけど

 ハードでもあるな」

 

結果が出せなければクビになる

確かにハードな世界

こっちで働きたい気持ちも

無いわけではない

 

「全くアイデアが浮かばないときは

 正直、凹む ・・・」

 

色々なアイデア、アドバイスは貰えるけど

最終判断は個人でする

全ての責任は個人となる

 

「胃が痛くなるな(笑)」

 

「この先、自分の気持ちが

 変わるかもしれないけど

 日本に帰ります」

 

日本に戻って

やっぱりこっちの方が向いてると思ったら

その時は会社を辞めて

渡米しようと思う

 

「もし、残りたいと思ったら

 その時は相談してくれ

 力になるから」

 

「その時は相談します」

 

「さて、お腹も満腹になったから

 街を散策するか?」

 

「ええ、そうだ

 画材を買いたいから

 寄っても良いですか?」

 

「いつか個展を開けばいいのに

 お前の絵、俺は好きだな」

 

来た当初は言葉が通じなかったし

何故か未成年と間違われて

お酒を買うのもバーに入るのも

年齢確認された

そんな事が重なって

面倒くさくて

引きこもり生活をしてて

絵を数枚描いた

気分転換にもなるので

今も続けている

 

「素人が趣味で描いた絵ですよ

 個展なんて烏滸がましくて」

 

「そうかなあ ・・・

 俺なら見に行くぞ」

 

「冗談は良いです!

 そろそろ行きましょうよ」

 

席を立ちあがった時

携帯が鳴った 

 

誰だろ?

携帯をタップすると彼だった

 

 

 

 

 

<続きます>