君のいない迷路 7 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

買い物を済ませ

急いで部屋に戻り着替え中に携帯が鳴った

このタイミングの良さは池田君の采配かな?

 

「もしもし智(さと)

 今大丈夫?」

 

久しぶりに聞く智(さと)呼び

最近は名前を呼ばないから

ちょっとだけ寂しく感じてた

声も昔に戻った感じ

 

「うん、大丈夫だよ

 家に帰ってきて着替えが終わったところ」

 

「良かった ・・・

 仕事かなって思ってたから」

 

そうなんだ

彼はいつも時間を気にしすぎて

タイミングが合わないことが多かった

 

「割と自由に帰れるんだ

 仕事が捗らないときは

 気分転換で散歩したり

 それでも無理な時は帰ってもOK」

 

「すごいな

 こっちじゃ考えられない」

 

こんな話をするのも今日が初めて

僕も遠慮してたところがある

社会人になって2,3月は

環境に慣れるのと生活を整えることで精一杯

だから極力、彼の話を聞こうと思ってた

それが距離を作ってたのかなと

ちょっと反省してる

 

彼に会えないのは寂しい

それでも、こちら生活は充実してて

言葉の壁があっても快適に暮らしてる

それが少し後ろめたかった

『日本に帰りたい』と言わないといけないのかと ・・・

 

「仕事のスタイルが違うからかな

 でも、結果を出せなければ

 すぐに首になるから

 そこはシビアだと思う ・・・」

 

これに尽きる

結果が全ての世界

いつ仕事をしてるんだろうと思う人が

実は有能なクリエイターだったりする

どっちのスタイルが自分に合ってるか

彼もこっちのスタイルの方があってる気がするけど

それは本人が決めること

 

「羨ましくなってくる ・・・」

 

「企画室の仕事はどう?

 楽しい?」

 

「ああ、ツアーの企画とか

 考えるのは楽しい

 例えばミステリーツアーの行き先とか」

 

「良かった ・・・ 元気になって」

 

「え? ・・・」

 

「疲れてたみたいだったから 

 ちゃんとご飯食べてる?」

 

「食べてるよ

 智(さと)寂しい ・・・

 夜中に目が覚めて ・・・

 無性に会いたくなる」

 

初めて彼の弱音を聞いた ・・・

それがとても新鮮に思えた

(いつも自身の溢れてたから)

 

「それは僕もだよ」

 

「ほんとに?」

 

「本当に

 綺麗な景色をみたり

 美味しいものを食べたりすると

 隣に櫻井が居たらなって思う」

 

恋しいと言う言葉を使うべきか考えて飲み込んだ

 

社会に出れば人は変わる

曖昧な僕たちの関係なら

まだ曖昧なままでいい

 

 

「今すぐの隣に飛んでいきたい ・・・

 智(さと)夏休み会いに行くよ

 だから泊めてくれる?」

 

「勿論!待ってるよ」

 

会いに来てくれる ・・・

その言葉をずっと待ってたのは僕 ・・・

池田君に足を向けて眠れないな

後でお礼の電話をしないと

 

 

 

 

 

<続きます>