秒針の違うGravity 368 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

僕の気持ちはちゃんと伝わったかな?

夜遅くに電話があった時は

普段と変わらない明るい声だったし

車の中で話したことに

触れることはなかった

 

なんだかホッとしたけど

これで良かったのか?

不安な気持ちも拭えなかった

 

「朝からぼ~っとしてるけど

 昨日夜更かししたの?」

 

殆どの物が段ボールの住人になっているので

朝ごはんも簡単に食べれる

コンビニのサンドウィッチと

インスタントコーヒー

 

「うん、なかなか寝付けなくて

 遅くまで起きてた」

 

ほぼ完成してるんだけど

両親へのプレゼント

この家の歴史をスケッチブックに残す

大層なものではないけど

僕の撮った家の写真と

その構図と同じイラスト

そして、最初のページは

僕が小さいころ

家族4人で撮った写真のイラストにした

 

後は包装するだけ

出発する月曜の朝に渡そうと思ってる

 

「大丈夫?

 無理しなくていいわよ」

 

「大丈夫だよ、ちゃんと寝たから

 それに内田も来てくれるし

 義兄さんの友達も来るんでしょ?」

 

家具の引っ越しが午前中

それが終わった頃に来てくれるらしい

内田は、多分もうすぐ来る

 

「ええ、お昼ごろかしら

 お姉ちゃんたちと一緒に来るって」

 

姉ちゃん家族は義兄の実家にいて

甥っ子は祖父母が面倒見てくれるらしい

 

「じゃあ、人手はありそうだから

 母ちゃんと父ちゃんは

 見てるだけでいいよ」

 

「そういう訳には行かないでしょ」

 

くすくす笑って

それなりの味のインスタントコーヒーを飲み干した

 

「おはようございま~す」

 

威勢のいい声が聴こえた

 

「内田君、もう来たのね」

 

母ちゃんがゆっくり立ち上がろうとするから

手で制して

 

「僕が行くから座ってて

 朝のうちだけ休んでてよ」

 

見てるだけでいいよと言っても

絶対に人より動くから

体力は温存して貰わないと

 

引っ越し先で寝込んだら

元も子もない

 

 

玄関に出ていくと

動く気満々の格好をした内田が立ってた

 

「おはよう、早起きだな」

 

「そんな早起きじゃないだろ?」

 

「いや、かなり早起き」

 

トラックが来る時間

知ってるはずなんだけど

 

「少し話したいと思って」

 

そう言ってにやりと笑った

 

「話?」

 

「そう、明後日の事」

 

「明後日?」

 

「見送りに行きたいの!」

 

「今する話じゃないだろ?」

 

「そうだけど

 俺は説得係だからさ(笑)

 それから、櫻井来るって」

 

説得係って事は

彼も関わってるって事だ ・・・

 

「今日?」

 

「うん、昨日電話で聞かれた

 何時に行くんだって

 だから、時間を教えたんだ

 もうすぐ来ると思う」

 

コイツ嘘が下手くそ(笑)

電話じゃなくて

昨日会ったんだ

 

まあ、突っ込まないけど

 

「じゃあ、ちょっと外で話す?」

 

「ああ、その方が良いな」

 

説得できると自信があるのか

余裕の表情をしてる

 

 

見送りか ・・・

どうしようかな ・・・

 

 

 

 

 

<続きます>