取り敢えず打ち破ろうか 133 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

束帯姿の画伯は凛々しい

結構面倒な着替えも難なくこなし

涼しい顔をしている

 

「やはり長の上衣の袍(束帯装束)はその色か ・・・」

 

色? ・・・ 衣服に関して専門外の為

何を言われてるのかさっぱり

 

「色が違うんですか?」

 

画伯の束帯の色は黒に近い紫(至極色かな?)

 

「ああ、その色は『黄丹』と言って

 皇太子だけが着ることのできる色

 今でも禁色のはず ・・・

 陽の一族とは少しだけ色が違うが

 蒼穹国ではその色だな」

 

「って事は、帝の色もあるって事?」

 

「ああ、あるよ

 今度の儀式では二つの上衣の袍を作られる

 白と黄櫨染の二つが帝だけの色

 黄櫨染も禁色だな

 こっちも少しだけ色が違ってるな」

 

「これはどこが用意してるんですか?」

 

長就任の際、真新しい衣服だった

多分新調してるはず

 

「それらを用意するのは本家だよ

 衣装を見るのは初めてだけど」

 

「画伯のも本家が?」

 

「君が本家に来たあと

 新調されたようだ」

 

「画伯の色にも意味があるの?」

 

「陽の一族は黒を用いていたようだが

 蒼穹では黒に近い紫、至極色を使っている」

 

「つまり、階位を表してる?」

 

「ああ、当時は上衣の袍の色で身分が分かる仕組みだな」

 

流石画家だ

色について詳しい

 

「今の時代、それを知ってる人は少ないな」

 

俺よりも画伯の方が蒼穹国に詳しそうだ

 

「暁の長がこの上衣の袍を纏うって事は ・・・

 帝が存在していないって事ですよね」

 

「皇子が皇子のまま身罷られた為

 帝の上衣の袍は作られなかった

 その為、本家では長が交代する度

 皇子の上衣の袍を誂え

 長の支度としてこの屋敷に届ける

 その上衣の袍は特別な日以外は着ないだろ?」

 

「ここまで面倒なのは

 年に数回です

 普段、暁殿に行くときは

 もう少し簡略化された衣装」

 

「それでいいんだよ

 この衣装は疲れる

 直衣くらいが丁度いいだろ」

 

「画伯の方がよく知ってますよね

 俺は修復師だけど

 衣服に関しては全く ・・・」

 

修復でも絵巻のようなものなら

当時の衣服とかも描かれているのだけど

どちらかというと

襖絵、掛け軸の修復が多かった為

全くの専門外と言っていい

 

「長は知らなくていいんだよ

 そこはお世話係の仕事

 そろそろ来るんじゃない」

 

画伯がそう言って直ぐに

綾野君の声が聴こえた

 

「長、画伯、支度はお済でしょうか?」

 

「ああ、支度は出来てるよ」

 

「では、暁殿にお渡りくださいませ

 こちらでお待ちします」

 

廊下で待機する旨を伝えてきた

 

「長、参りましょう」

 

画伯は襖をあけて

先に出るように促してくれた

 

 

今日は新年の挨拶のみ

肩の力を抜いて向かうとするか 

 

 

 

 

 

<続きます>