fairyフェス第2部 ③ | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

スクリーンいっぱいに星空が広がり

ステージ上の大ちゃんは光を纏い

その光がゆっくりと消えて曲が終わる

観客は総立ちで割れんばかりの歓声と拍手を贈る

 

「おおちゃん、いなくならないよね?」

 

さとちが目に涙をいっぱいためて

お兄ちゃんの手をぎゅっと握りしめる

 

「居なくならないよ

 ずっとさとし君の傍にいてくれるよ」

 

その会話を社長と副社長が

複雑な表情を浮かべた

(誰も気が付かなかったけど)

 

「ちびちゃん 大ちゃんはずっと

 ちびちゃんと一緒にいるよ」

 

それは嘘じゃない

未来のちびちゃんの傍で

大ちゃんはずっと寄り添ってた

満面の笑みを浮かべて

さとちの背中に手を置く

 

「よかっちゃ ・・・」

 

誰よりも一番敏感な始まりの花の妖精

さとちの顔に笑みが戻った

 

「次は無門様だよ」

 

「うん」

 

持参した団扇を手に握りしめた

 

 

照明が落ちたステージに

蒼いレーザービームが縦横無尽に駆け巡る

 

チームソラスのライブが始まる

 

「むもんしゃま~ ふうちゃん

 かんちゃん ぷりんしゅ~ にいしゃ~ん」

 

愛らしい声が会場に響く

 

 

ソラスの最初の曲は

『Lai-Lai-Lai』

 

一度はダンスを辞めようと思ったことが有る4人

それでも諦めきれなかった夢 ・・・

 

『生まれ変わってもこのライトの下に』

 

振り付けは全員で考え

智にぃが最終チェックをした

 

5人がステージに立つと同時に

スポットライトが彼らを照らし歌い始める

 

「智にぃ、彼らはどう?」

 

気になって袖で様子を見に来ていた智にぃの横に

大ちゃんが並ぶ

 

「完璧を通り越してて鳥肌が立ったよ

 素晴らしいダンサー ・・・

 4人もだけど王子には驚かされる」

 

「夜遅くまで一人で練習してた

 侯爵が心配で心配でって嘆いてたから ・・・

 才能もセンスもあり、その上努力家だ

 ソラスのメンバーになれて

 一番喜んでるのは彼だな」

 

「彼は夢を選べないから ・・・

 だからこそ、人一倍努力する ・・・

 大ちゃん、ありがとう

 フェスを開催してくれて

 王子が感謝してたよ

 俺もだけど ・・・」

 

「私じゃなくて

 チビちゃんに感謝だな

 あの子が絶対に開催するって決めたから

 魔が付く人も折れた(笑)」

 

「さとし君に感謝!

 あらら ・・・ そこまで複雑にする(笑)」 

 

間奏のダンスは一人ずつのソロで

それぞれが振り付けた

そのダンスを見て智にぃが舌を巻く

 

「負けてられないな」

 

「そうだな」

 

最初の曲が終わり

全ての照明が落ち

2曲目の『いつか秒針が合う頃』が始まる

歌は兄さんから王子

無門、カンちゃん、風ちゃんと

ソロのリレーをしていく

一人ずつをスポットライトで照らしていき

(照明は暗め)

深い蒼の照明のもと

5人が揃って姿を見せる

 

会場は水を打ったように静かで

誰も声を上げることはしない

ただただ、5人のダンスの世界に酔いしれる

 

「彼ら凄いね」

 

智にぃの横に櫻井が並ぶ

 

「俺たちもうかうかしてられないな」

 

「今は俺たちがチャレンジャー

 だから全てを出し切るよ

 3人も顔つきが変わってた」

 

二人の会話を目を細めながら聞く大ちゃん

 

「じゃあ、スタンバイして」

 

翔先生に言われて

二人が頷き

袖から離れた

 

「ソラスが今日限りのチームって

 ちょっと勿体ないね」

 

「また、どこかで歌ってくれるよ

 その時も、ちびちゃんに頑張ってもらうよ

 まの付く人はちびゃんに弱いからね」

 

「確かに」

 

「いつか秒針の合う頃」の曲が終わると

割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こり

そのまま最後の曲に

 

『Magic hour』

最高の演出は

陽が沈んだ後の数十分の魔法の瞬間

 

 

 

この歌は彼らの気持ち

 

” 僕らが思ってるよりも

  素晴らしいこと

 この世界には沢山散らばってる ・・・

 ・・・ 決して止むことのない歌

 探しに行こう ・・・”

 

 

歌い終えた彼らの表情は

誰よりも誇らしく、そして気高く

満足げな顔で並んだ

 

「僕たちの歌を聞いてくださって

 ありがとうございました」(無門)

「最高の仲間と作り上げた舞台

 楽しんでいただけたかな?」(風ちゃん)

「最後の曲を歌いながら

 終わらないでって思ってた」(カンちゃん)

「改めてダンスが好きで

 歌うことが好きだと実感しました

 この先もこの道を ・・・」(兄さん)

「続けるんだよね!

 俺は完全燃焼のつもりで

 舞台に立ちました

 また、ソラスで歌えたらなぁ」(王子)

 

兄さんは夢を諦めないと決意したようです

(O国に行くのかな?)

王子、また歌えるよ

その気持ちを持ち続ければ ・・・

 

 

「歌がダンスが

 僕たちを繋いでくれました

 そのきっかけを作ってくれたのは

 会場に居るさとしくんです

 僕たちから、感謝の言葉を」(無門)

 

「ありがとう!」5人が声を揃えてお辞儀をする

 

「これで終わりじゃないよ」(風ちゃん)

 

「俺たちは彼らの背中を見ながら

 走ってきました」(カンちゃん)

 

「僕たちの先生みたいなものだよね」(無門)

 

「では ・・・ 皆さま

 今しばらくお持ちいただいて

 奇跡の瞬間に立ち会ってください」

 

王子が締めの言葉を言ってくれる

 

「俺たちも客席に急がないと」

 

「うん、そうだね」

 

 

クールなステージを終えた5人は満面の笑みを浮かべ

観客の大声援に送られ

手を振りながら舞台袖に消えた

 

 

誰もいなくなったステージ

照明は落とされ

静寂に包まれる

 

 

奇跡の瞬間はすぐ目の前に

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>