取り敢えず打ち破ろうか 65 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

骨董屋さんに抱っこされてたおチビちゃん

松岡邸の中に入ると雑貨屋さんに抱っこされた

 

「今度は一緒に居られるね」

 

満面の笑みを浮かべた

 

「そうなの、こんどはいっしょなの」

 

「お兄ちゃんは?」

 

「おにいちゃんは

 おしょうがつは

 おうちにかえるの」

 

ちょっと寂しそうな顔をする

きっとお兄ちゃんは

おチビちゃんを連れて行きたかったはず

でも、妖精君だっけを連れ帰るのは難しいんだろうな

 

「じゃあ、帰ってくる日が楽しみだね」

 

「うん、わかちゃんとじょうちゃんの

 おはなちをいっぱいするの」

 

いつの間にかお日様のような笑みを浮かべてる

 

俺なら、『一緒に行けなくて残念だね』と言ってしまっただろう

それはより寂しさを増幅する

雑貨屋さんの言葉は常に前向き

だから俺の同行者に選ばれたのかも

 

「おチビちゃん、雑貨屋の事頼んだよ」

 

豆屋さんの言葉に大きく頷いて

 

「まかせちぇ!」

 

「任せたよ」

 

「社長がいないから

 俺から注意点を」

 

骨董屋さんが俺と雑貨屋の顔を見ながら

注意点について話してくれた

 

「君たちが知っている未来を

 むやみに話さない

 と言っても、彼らは現代にも来てる

 東京がどんな場所かは知ってるから

 そこまで敏感になる必要はないかな

 それから、向こうから物を持ち帰らない

 こっちからも持っていけない」

 

「骨董屋、そこは大丈夫

 若ちゃんへの文は持参したけど

 それ以外は何も持っていないよ

 荷物は豆屋に置いてある」

 

持ってきた荷物は全て豆屋さんに置いてきた

正直、ちょっと落ち着かない

 

「それなら問題ないな

 戻る日はチビが知ってる

 その日までこっちとは繋がらないから

 思い切り江戸を満喫してきて」

 

ちゃんと帰って来れるよね ・・・

行く前にして不安になるけど

二人は全然そんな様子はない

多分、大丈夫なんだろう

 

「ちびちゃ~ん

 蒼灯と仲良くしてあげてね

 それと、あの家の妖たちとも」

 

妖がいる家なの?

ますます不安 ・・・

 

『翔、大丈夫だよ』

 

翔様が苦笑交じりで呟いた

 

「わかっちぇる!

 み~んな、なかよちだよ

 そろそろいく?」

 

骨董屋さんの合図を待つチビちゃん

 

「ああ、階段下が蒼い光に包まれたから

 道が繋がった合図だ

 俺たちは此処で見送る

 雑貨屋、サクちゃん、チビをよろしく」

 

「はい、チビちゃんの事は任せてください」

 

雑貨屋さんが大きく頷いて

俺はチビちゃんに改めて挨拶

 

「チビちゃん、よろしくね」

 

「こちらこそ!

 まめやしゃん、あおちゃん

 いっちぇきます」

 

嬉しそうに笑って手を振る

雑貨屋さんまで手を振ってる

俺は軽く手を挙げた

 

この階段を降りたら江戸の町

着いても信じられないかも

 

「雑貨屋さん

 本当に着くんですか?」

 

疑り深いと思われるかも知れないけど

時間旅行はSFの世界

俄かに信じられない

 

「かいだんおりちゃら

 きどがあるから

 それをひけばいいの」

 

「だって、前の時はとドアだったけど

 行き先が違う?」

 

「うん、わかちゃんちのおにわだもん」

 

「上ちゃん家の庭じゃないからか

 きっと、若ちゃんたち腰を抜かして驚くよ」

 

「そうだね」

 

「サクちゃん、疑わないで受け入れる

 木戸を引いたらそこは江戸の町だよ」

 

さあ、行こうって顔をして

スタスタと階段を下りていく

慌ててその後ろをついていく

階段下におチビちゃんが言った木戸

 

「じゃあ、行くよ!」

 

雑貨屋さんが木戸を引くと

目の前に綺麗に手入れされた庭が見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>