make a wish 92 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

お弁当をつくるために

いつもより早起きをして部屋を出た

 

「大にぃ おはよう」

 

昨日の夜、サト君にその話をしたら

「面白そう」って言って

一緒に作ることになった

(起きてれたらって言ってたけど)

 

「おはよう、ちゃんと起きてる(笑)」

 

「春の朝って

 心が弾むというか

 寝てるのが勿体ないって

 気持ちにならない?」

 

「うん、その気持わかる

 鳥や樹々や花(妖精さん達)が

 そう言ってるような気がするんだよね」

 

「そうそう ・・・ そう言うの絵にできないかな ・・・」

 

サト君はどんなことでも

絵に描きたいって思うみたい

その想像力が絵に繋がるんだと思う

 

画伯祖父ちゃんも

そう思いながら描いていたのかな

 

「そうだ、王子の絵の場所って

 詳しく教えて」

 

「じゃあ、地図を書いてあげる 

 そう言えば、昨日王子が戻ってきてたよ」

 

「そうなの?

 遅い時間?」

 

「うん ・・・ 夜の散歩をしてたら

 帰ってきた」

 

「夜の散歩にもでてるの?」

 

「ここはどこよりも星が綺麗なんだ

 地上の星とは比べ物にならないくらい

 星の瞬きが見える」

 

その景色が見えてるのか

うっとりした表情で呟く

 

「サト君は絵のことしか頭にないみたいだね」

 

「確かに今はそうかな

 せっかく留学したんだから

 たくさんの事を吸収して

 いつかそれを表現できたらって思う」

 

「サト君は好きな人とか居るの?

 例えばお弁当を作ってあげたい人とか?」

 

「作ってもらうんじゃなくて?」

 

僕の顔を見て可笑しそうに笑う

 

「変な意味じゃないよ

 だって女性にも作ってあげるでしょ?

 僕も作ってあげるよ」

 

料理は得な方が作れば良い

僕はそう思うな ・・・

 

「うん、それは分かる

 相手の性別は関係ないな ・・・

 今はいない ・・・

 そうそう、一個下の後輩がいて

 そいつ、無茶苦茶優秀なんだけど

 見るからに不器用なの

 一回くらいおにぎり作ってやればよかったな

 って思う時は有る」

 

「へえ ・・・ 不器用さんなんだ ・・・

 今度作ってあげたら?」

 

「う~ん ・・・ 接点がないからな ・・・

 いつか道が交差したら

 多分、見つけられないよ

 だって ・・・ 凄い不器用だから(笑)」

 

その後輩を思い出したのか

声を立てて大笑い

 

「可愛い後輩だったんだ」

 

「全然、めちゃくちゃ生意気

 って ・・・ そんな知らないけどね

 あれ?王子だ」

 

階段下で僕たちを見上げてる

 

「煩かったかな?」

「大丈夫だよ」

 

二人で小声で話した後

挨拶をする

 

「王子、おはようございます」

 

「おはよう、二人が降りてくるのを待ってたんだよ」

 

部屋まで呼びに来ないところが

王子なんだと思う

 

「そうなんですか?」

 

「おにぎり作るんだろ?」

 

何故かかなり前のめり ・・・

まさか一緒に作るってこと?

サト君を顔を見合わせると

 

「二人が思った通り

 一緒に作ろうと思ってね

 無門のお母さんたちのおにぎりが

 最高だったから

 あれを再現したくて

 離宮に協力な助っ人が二人もいるだろ

 この機会を逃したら

 一生の不覚だから(笑)」

 

さくら祭りの出店のおにぎり ・・・

あれは美味しかった ・・・

あそこまで美味しく出来るかな?

 

「おにぎりって塩加減が難しいですもんね」

 

「離宮のシェフは食べたことがないだろ

 説明してもわからないし

 自分でも挑戦したんだけど

 なかなか難しい」

 

日本人の僕らには簡単でも

外国の方には難しいと思う

だって ・・・ お米が違う ・・・

 

だから、持参したお米を使おうと思ってる

実は梅干しも有る

(母ちゃんが荷物の中に入れてくれてた)

 

「じゃあ、作りましょう」

 

「そうこなくちゃ」

 

王子が嬉しそうな顔をして

僕たちの横に並ぶ

その横顔を見て

この人はきっと国民に慕われる

凄い王様になるだろうなって思った

 

 

 

 

<続きます>