取り敢えず打ち破ろうか 5 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

カンテラへ続く階段をゆっくり上がっていく

翔兄はもう来てるかな?

 

カンテラ名物の独特の音を鳴らせて

ドアを開ける

 

カランカラン ・・・ 

(ほんと眠そうな音)

 

カウンターに翔兄の姿はない

まだ来てないみたいだ

 

「こんばんは ・・・」

 

「いらっしゃい」

 

直人さんが厨房から顔をだして

笑顔を向ける

 

「サクちゃん、閉店の札出して

 丁度お客が途切れたから」

 

「了!」

 

眠そうな音を鳴らしながらドアを開けて

階段をおりて看板に「close」の札をかけ

戻ろうとした時、声を掛けられた

 

「サク!」

 

「翔兄、おつかれ!」

 

「店を閉めるの?」

 

「丁度、お客さんが帰ったところみたいだよ」

 

「この店が混んでたことって有るのか?」

 

「有るよ ・・・ 初めてきた時

 すんごい混んでた ・・・

 綾野くん曰く、行ってみたい有名カフェなんだって

 中々探せなくて諦める人も多いみたい」

 

「確かに、こんな狭い階段を上がるって

 誰も気がつかないな

 看板も地味だし(笑)」

 

画伯が居ないと

途端、口が悪くなる

 

「この看板、彼が描いたんだよ

 画伯の友人のあの人が ・・・」

 

地味って言うけど

かなりセンスがいい看板

通り過ぎていく人が

看板に興味を示すのを何回か見た

 

「良くみればセンスがいい看板」

 

そうだよね

画伯に知られたら軽蔑されるよ ・・・

 

「腹減ったな ・・・

 マスターが待ってるぞ」

 

俺の背中を押しながら階段を上がり始めた

もしかしたらと思ってたけど

翔兄、画伯が居ないと

俺よりポンコツで生活能力無いのかも

 

店の中に入ると

カウンターには晩御飯が出来てた

 

「いい匂い ・・・」

 

「野菜多めのメニューにしたよ

 どうせ碌なもんしか

 食べてないだろ」

 

その通り ・・・

翔兄に至っては酒のほうが多い ・・・

夜が淋しくて眠れないらしい

 

 

「翔兄、酒ばっかり呑んでるんじゃないぞ

 サクちゃん、お酒は隠した方がいい」

 

「うん、そうするよ

 食べないで呑んでばかりだから

 画伯が知ったら、絶対に悲しむからね」

 

俺が言っても

全然聞いてくれない

 

苦虫潰した顔で睨むけど

やらなきゃいけない事だらけなんだから

此処はしっかりして貰わないと

 

「俺は耀とも暁とも

 関わりがないから

 智と画伯には連絡できるんだぞ

 そこ、ちゃんと理解してて」

 

とどめを刺された翔兄

ムスッとした顔で小さく頷いた

 

 

3人で晩ご飯を食べながら

これからの話をする

 

「何から始める?」

 

「まずは両親と話し合うよ

 俺の俺達の考えを伝える」

 

「耀の一族からの離れる?」

 

「現当主である親父は

 すぐには無理だと思うけど ・・・

 分家を解放したい」

 

「全ての分家がそうしたいとは限らないだろ」

 

直人さんの言う通り

そこが一番のネックだ

だから足並みが揃わない ・・・

 

「俺の親みたいにな ・・・」

 

吐き捨てるように言う翔兄

そこまで耀の一族に固執してたんだろうか?

翔兄の両親とは数回会ったことは有るけど

そうは見えなかった ・・・

 

「まあまあ ・・・ 落ち着け ・・・

 お前も親と対峙する日が来るんだぞ

 それは分かってる?」

 

「分かってるよ ・・・」

 

直人さんが困ったものだと言う顔で

小さくため息を付いた

 

 

画伯はどこまで知ってるんだろう翔兄の闇

多分、すべて知ってるんだろうな ・・・

アドバイスを受けておくべきだった 

 

 

 

 

 

 

<続きます>