Wish you were here  760 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

翔さんが二階の書斎に行った後

僕はアトリエに入った ・・・

絵描きの祖父ちゃんの子どもは5人

そのうちの二人が誰かわからない ・・・

どこかに手掛かりは残ってないのかな?

戸棚とか机の引き出しとか

開いては閉じ、引いては戻しを

繰りかえすけど

あるわけがない ・・・

絵描きの祖父ちゃんの物は

ほとんど残っていない

 

ん? ・・・

じゃあ、ここにある絵ぼ道具は誰の?

絵の道具だけは残してある?

誰か使ってた気もするんだけど ・・・

 

 

コンコン ・・・

 

「智、入ってもいい?」

 

母ちゃんの声

 

「どうぞ」

 

そっとドアを開けて中を覗き込んで

 

「あら、翔さんは?」

 

そう言いながら中に入ってくる

 

「二階の書斎

 ハルとサトルの絵本について

 編集者さんに聞いてみるって」

 

「絵本を調べるのね ・・・」

 

何か言いたげな表情

母ちゃんは何か知ってると思う 

 

「うん、出版社さんの方が詳しいでしょ

 それより何か用だった?」

 

「そうそう、今晩のメニューの相談

 何がいいかしら?」

 

「僕に聞いたら ・・・」

 

いつも同じメニューを言うけど ・・・

 

「クリームシチューでしょ(笑)」

 

「うん ・・・ 久しぶりだから食べたい」

 

「それは作るつもりなんだけど ・・・」

 

「あれにしたら」

 

「あれ?」

 

「クラムチャウダー!

 翔さん貝が好きだから

 一石二鳥じゃない?」

 

「そうね、それとお酒のつまみね

 きっと飲むでしょ?」

 

「父ちゃんがいるんだよ

 飲まない訳ないじゃん(笑)」

 

「智が帰ってくるって

 昨日から喜んでたから

 きっと何か買ってくるわね

 じゃあ、それで作ろうかしら」

 

「うん、お肉も食べたい」

 

「そうね ・・・ 」

 

夕飯のメニューは考えてたはず

何か話したいことがあるのかも

 

「この絵の道具

 誰が使ってたの?

 父ちゃん?」

 

部屋隅っこに

綺麗に片づけられた絵の道具

流石に絵の具はないけど

 

「そのイーゼルは相当昔のだって聞いたわよ」

 

イーゼル ・・・ 専門用語まで知ってる

 

「絵描きの祖父ちゃんの頃の?」

 

「じゃないかしら ・・・年代物だって

 絵筆とかはさすがに違うみたいだけど

 絵の道具のほとんどは

 画伯祖父ちゃんのらしいわね」

 

「祖父ちゃんのは全部実家にじゃなかったの?」

 

「そう聞いてたんだけど ・・・」

 

絵も残っていないし

写真も残っていない 

 

「母ちゃん、何か隠してるでしょ」

 

母ちゃんも僕と同じ

嘘つくと目が泳ぐ ・・・

 

「隠していないけど ・・・

 お父さんの話は断片的で

 じっくり話を聞いたことがないの ・・・

 お父さんもどこまで知ってるか ・・・」

 

困った表情を浮かべて

小さく頭を振った

 

「本当のこと教えて ・・・

 ハル祖父ちゃんは絵本作家だったの?」

 

「それは聞いたことはないわ ・・・

 挿絵を描いていたとか ・・・

 それは画伯祖父ちゃんだったかしら ・・・」

 

聞いたような聞かなかったような ・・・

あやふやな話だから

事実かどうかもわからないって顔をした

 

「挿絵 ・・・ 」

 

「絵がお上手だったって

 お父さんが言ってたけど

 戻ったら聞いてみなさい

 話してくれるわよ」

 

「うん ・・・ そうする ・・・

 翔さんの家にあった蒼の扉の絵

 絶対に絵描きの祖父ちゃんの子どもだって思うんだ

 悟おじいちゃんがそうだって ・・・」

 

「それが知りたいのね ・・・

 だったら ・・・ あの日記を読んだ方がいいんじゃない」

 

「そう思う?」

 

「触れて欲しくない物なら

 ハル祖父ちゃんが処分したと思うの

 残ってるってことは

 読んでも大丈夫なもの

 翔さんが言ってた通りだなって思って

 お父さんの許可をもらってからだけどね」

 

真面目な顔をした母ちゃんが

僕の目をじっと見つめて

そのあと柔らかい笑みを浮かべた

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>