The Music Never Ends 22 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

純粋無垢で好奇心旺盛の妖精さん

こっちに向かって歩いてくるけど

ちょっとだけ浮いてるような気がするのは

気のせいかな?(いや浮いてる(笑))

 

「こんにちは

 おじゃまちましゅ」

 

両手をお膝に置いて

可愛らしくお辞儀をする

 

「いらっしゃいませ」

 

僕たち4人とも同じ言葉を向ける

 

「お邪魔します」

 

お兄ちゃんがそれに応える様に

笑顔で会釈をする

 

4人で挨拶されたら

ちょっと引くかもしれない ・・・

 

 

「二人とも二階にどうぞ

 健ちゃん、案内してくれる?」

 

マダムが健太君に提案する

僕と同じことを考えてたみたいだ

 

「うん、さとしくん

 にかいに ごあんないしま~す」

 

「よろちくおねがいちます」

 

健太くんと手を繋いで

嬉しそうに笑って

二階への階段に向かって歩いて行く

 

「お兄ちゃんもどうぞ」

 

「その前に、こちらを ・・・

 蒼ちゃんから預かってきました」

 

差し出された手提げ袋は

紅玉さんの名前が入ってて

蒼い色のリボンまで付いてた

 

「蒼さんはセンスがいいですね」

思わず声に出してしまう

 

「ええ、器用な方なので

 毎度おなじみの物だけどと

 言ってました(笑)」

 

「もしかして ・・・ 蒼さんの花のお茶?」

 

マダムがウキウキした表情を見せる

 

「はい、お花のお茶だと

 皆さんで分けてくださいと 」

 

「このお茶ねぇ、家の母も大好きで」

 

翔さんも嬉しそう

 

「僕の母もです ・・・

 何処にも売っていないので 

 頂くと直ぐに半分送ります」

 

すこしでも良いからって

メールが来る

 

「分かります ・・・ 

 とっても美味しいですものね」

 

お兄ちゃんもこのお茶が好きなのが分かる

 

「頂いたお茶を淹れようかしら

 さとち君も飲めるものね」

 

「そうですね

 翔さん、お兄ちゃんを二階に案内してください

 僕はマダムのお手伝いを ・・・」

 

「いやいや、手伝いは俺がするから

 貴方が案内してください

 渡すものがあるでしょ?」

 

翔さんがニヤリと笑って

「どうぞごゆっくり」

そう伝えてマダムの後を追って奥に入っていく

 

「じゃあ ・・・ 案内します

 お兄ちゃんは初めてですよね二階」

 

「初めてです

 さとし君から「蒼い扉」の絵があるって

 聞いていましたので

 すごく楽しみに来ました」

 

「さとち君が絵の中に遊びに来ますよ(笑)」

 

「ああ ・・・ 好奇心が旺盛だから

 何処にでも飛んでいきます(笑)

 時々ハラハラしますが」

 

分るような気がする

余り怖がらない妖精さんだから

一緒にいる人はかなりハラハラしそうだ

 

「今日は何か有るんですか?」

 

「何かとは?」

 

「最初大ちゃんが取りに見える事になってたんですが

 急に変更になったので ・・・

 さとち君が来る時は

 何か有ることが多いので」

 

「よくご存じですね(笑)

 さとし君、今日は郵便屋さんです

 どうぞ、郵便を受け取ってあげてください」

 

優しいお兄ちゃんだな ・・・

翔先生というより

緋~ちゃんに似てる気がする 

 

蒼さんに似てるさとち君

緋~ちゃんに似てるお兄ちゃん

何か有るのかな?

僕の考え過ぎかも?

 

「郵便? ・・・ 分かりました

 その前にこれをお渡ししないと

 これはさとし君用なんです」

 

「そうなんですか ・・・

 取りに行くようにとしか聞いていないので ・・・」

 

「後でお見せしますね」

 

2階に上がっていくと

さとし君が扉の絵の前に立って

鞄の中を覗き込んでた

 

「どうかしたの?」

お兄ちゃんが慌てて近づいていく

 

「それがね ・・・ ふうとうが ・・・

 もういちまいはいっちぇて ・・

 取りだしたら ・・・ とびらのむこうにとんでっちゃ!」

 

「扉の向こう?」

 

「うん ・・・ ねっ!けんたくん!」

 

ポカンとした顔をしてる健太君が

ハッとしてこっちを向いて

 

「ふうとうがね ・・・ ひらひらって ・・・

 すいこまれちゃったの ・・・

 どこにいったんだろう ・・・」

 

この絵の中に? 

俄かに信じられないけれど

さとち君ならあり得るのかも

 

きっと絵描きの祖父ちゃんの所に

飛んで行ったのかも ・・・

 

「封筒だけが知ってたのかもね」

 

「うん ・・・ きっとそうなの ・・・

 てんとうむちのおにいちゃんたちへの

 ふうとうは ちゃんとはいちぇる

 どうぞ ・・・ しょうたいじょうです!」

 

カバンから取り出した虹色の封筒を

両の手で持って

僕に渡してくれる

 

「なんのしょうたいじょう?」

 

健太君の瞳がキラキラと輝いて

僕の手に渡された封筒に釘付け

 

「今開けるから、座ってくれるかな?

 お兄ちゃんもどうぞ」

 

「ありがとうございます

 失礼します」

 

さとち君と健太君が並んで座り

さとち君の横にお兄ちゃんが座った

 

「封筒を開けるのは

 翔さん達が来てからでも良い?」

 

「うん、しょうおにいちゃんがきてからのほうがいいね」

健太君が何度もコクコクと頷く

 

「先に、大ちゃんから依頼された物を

 お渡しします

 中を見せてあげて欲しいとの事でしたので

 まだリボンは掛けていません」

 

「中を見ても良いんですか?」

 

「これはさとし君達のバッチです」

 

「すごくかわいいの

 ぼくもつくってもらったから

 おそろいなんだよ!」

 

「おそろい?」

 

そう言われても

何か分らないさとち君はキョトンとした顔をして

お兄ちゃんの顔を見上げた

 

「大ちゃんがお願いして

 さとち君達の何かを作ってもらったんだって」

 

「ほえ~ ・・・ なんだろう?」

 

ワクワクって声が聴こえてきそうなくらい

嬉しそうな表情テーブル近くに体を寄せる

箱を取り出して蓋を開けて

さとち君の前に置く

 

「ふあ~ 5しょくのてんとうむちしゃん ・・・

 かわいくちぇ きらきらちてる ・・・

 あおはおいらので ・・・ あかいのは ・・・

 おにいちゃんだね」

 

「そうなの?」

 

「うん、そうにきまっちぇる!」

 

子どもたちにと思ってた

そうか ・・・ あの3人は分かったけど

もう一人はお兄ちゃんだ

 

「正解だよ」

 

だから二人で取りに来た

 

「やっぱりそうだ!

 おにいちゃんともおそろい!

 けんたくんのいろはなにいろ?」

 

「ぼくのはおそらのいろ

 さとちくんとおいろがはんたいなの」

 

さとし君のてんとう虫は瑠璃の色で

天色よりも薄い石(宝石)を嵌めてある

健太君はその逆にした

 

「てんとうむちしゃん ・・・

 とびたがっちぇる!(笑)

 おみせについたら、3にんのところに

 とんでいくよ」

 

「飛ぶかもしれないね」

 

この子が言うと本当になりそうな気がする

 

「お待たせしました

 お花のパンとお花のお茶

 持ってきましたよ」

 

マダムと翔さんが

お茶とパンを乗せたトレーを運んできた

 

「ほえ~ いいにおい!

 あおちゃんのおちゃだ ・・・

 おはなのぱんまである ・・・」

 

「さとし君、食べる前にお渡しして」

 

「しょうだった ・・・

 これをおとどけにあがりまちた」

 

虹色の封筒を僕に向かって差し出した

 

「確かに受け取りました」

 

「おにいちゃん、あけて!」

 

可愛らしい招待状がでてきた ・・・

 

この日は僕の ・・・

さとち君もそうなのかも?

この子の誕生日パーティーかな?

 

「パーティーの招待状ですね?」

 

翔さんが招待所を手にして

にっこり笑う

 

「わんだーらんどへのしょうたいじょうなの

 そこで ・・・ ミニおんがくかいをひらくの

 だから きちぇくだしゃい」

 

「音楽会?

 もしかして蒼さん達が謳うの?」

 

「メインはSATOSHIと ・・・」

 

お兄ちゃんの言葉の続きを

さとち君が叫ぶ

 

「ぱんやさん!」

 

パン屋さん? ・・・

ああ ・・・ あの人かなあ ・・・

この前雑誌に載ってた ・・・

日本に居る時はパン屋さんをしてる

海外で舞台に立ってるOhnoさん

 

「ふふ ・・・ パン屋さんだけど

 アーティストです ・・・ 海外で活躍してる方なので

 蒼さん達とさとし君達も出演します」

 

やっぱりそうだ ・・・

凄い顔ぶれ

 

「俺たちも出演?」

 

翔さん、それは無理がある

僕たちは観客だと ・・・

 

「うん、そうなの

 みんなでうたうんだっちぇ!」

 

「皆さんで歌って頂くのが

 今回の主旨です

 どうぞ参加ください」

 

「場所が書いていないですが ・・・」

 

「てんとうむちしゃんがつれていくの

 だから だいじょうぶなの」

 

「ぼくがみちあんないするってことだよね?」

 

「そうだと思います」

 

お兄ちゃん ・・・ ちょっとタジタジになってる

多分 ・・・ 知らされていなかったのかも?

 

「私も参加して良いの?」

マダムが楽しそうねって顔をした

 

「いいの!」

 

「何人来て頂いても大丈夫だそうです」

 

「何を着て行こうかしら(笑)」

 

マダムが乙女のようにワクワクした顔で

嬉しそうに笑って

思いだしたように

 

「お茶が冷めてしまうわ

 どうぞ召し上がれ」

 

そう言ってお茶を勧めた

 

 

 

 

なんだか楽しい事が起こりそうな予感

翔さんは大丈夫かな?

 

 

「一緒に行けますか?」

 

小声で聞くと

 

「勿論 ・・・ 一緒に行こうね

 俺も頑張らないといけないけど ・・・」

 

「頑張る?」

 

「何でもないよ」

 

その会話を聞いていたお兄ちゃんが

ニヤリと笑って翔さんを見た

 

 

 

 

<続きます>