取りあえず動きだそうか 33 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

大きな門に分厚い扉

映画で見たことがある景色

ここが大野の本家

もしかして ・・・ もしかしなくても

貴方、ものすごい家のご子息じゃない

俺など足元にも及ばない ・・・

 

 

車から降りてポカンとした顔のまま

扉を見上げる俺を

可笑しそうに笑う貴方

 

「ポカンとしてんじゃないよ」

 

「ねえ、本当にここが貴方の生家?」

 

「そうだと思うけど ・・・」

 

そうじゃなきゃここに居ないだろうって顔をされた

 

「こんな大きな門 ・・・ 

 時代劇とか映画でしか見たことないけど」

 

「それはおまえが都会に住んでるから

 ここは田舎だぞ

 結構大きな家も有っただろ?」

 

「確かに有ったけど ・・・

 ここまで大きいとは ・・・」

 

「お前の家も相当だろ?

 櫻井家の一族なんだから」

 

「こんな大きな門なんてないよ

 サクの家よりすごいじゃない」

 

「ば~か あそこは都会のど真ん中

 比べるんじゃないよ

 それより入れて貰わないとな」

 

貴方が潜り戸の側にあるインターホンに近づく

 

「防犯カメラは付いてるから

 誰が来たかは見えてるはずだけど

 誰が出て来るか見もの」

 

ニヤリと笑ってインターホンを押す

 

「はい ・・・ 」

 

女性の声が聴こえた

 

「御当主にお会いしたいのですが

 取り次いでいただけますか?」

 

かなりぶっきら棒な声

 

「どちら様でしょうか?」

 

冷たい声が返って来る

 

「居るの居ないのどっち?

 それに見えてるよねぇ ・・・」

 

貴方が防犯カメラを指さす

 

「申し訳ありませんが

 お約束の無い方は

 お取次ぎできません」

 

考えたらそうだ

これだけの家

アポがなければ入れない

 

「君じゃ話にならないから

 家令を出してくれない」

 

恋人になる前の

冷ややかな智君を思い出した

態と尊大な態度を取ってる?

 

「お名前を ・・・ お伺いしなければ

 家令にもお取次ぎできないです」

 

相手の応対は間違っていない

名前を言わない相手を

家の中に入れるわけがない

 

「智君、失礼だよ ・・・

 名前を言わないと ・・・」

 

小声でそっと伝える

貴方はブスっとした顔をして頭を左右に振る

 

「ふ~ん 名前ねぇ ・・・

 言ったら入れてくれるの?」

 

「家令にはお取次ぎいたします」

 

「見てるよねぇ、爺や~

 名前言って入っても良いの」

 

インターホンの向こう側が

騒がしくなってるのが聴こえる

 

「坊ちゃま ・・・ 

 今参りますので

 お待ちください」

 

女性から変わった男性の声が慌てていた

 

「やっぱり見てた(笑)

 爺や ・・・ 今回、緊急事態の為

 アポも取らずに来た

 入れてくれる?」

 

「お待ちを」

 

インターホンが切れる音がした

 

「智君 ・・・ ちょっと失礼だよ

 どうして名前を言わないの」

 

「爺やが控えてる部屋にもモニターがある

 名前を言ったら入れない」

 

「どうして?」

 

「ここには次期当主の智様がいる

 俺は存在したらいけないの」

 

「で、入れるの?」

 

「分からない ・・・」

 

そう簡単にはいかないって顔で

潜り戸が開くのを待っていた

暫くすると紳士然とした男性が出て来た

家令は英語だとスチュワードだけど

日本では執事の意味で使われる事もある

 

「お坊ちゃま ・・・ お久し振りでございます」

 

「もう坊ちゃまではないよ

 ただの智

 爺やも元気そうで何より」

 

「画家としてのご活躍は

 耳にしております

 実は ・・・ 個展には何度か ・・・」

 

「知ってる ・・・ 観に来てくれてたのは

 声を掛けられないから ・・・

 ありがとう」

 

貴方が爺やと呼んだ人は

逢えたことが嬉しいのか

瞳に光る物を浮かべていた

 

 

「里の長について

 確かめたい事がある

 当主に伝えてくれないか?」

 

「長についてですか?」

 

「ああ、急を要する

 現長は皇子と同じ 

 そう伝えたら分かるはず」

 

「承知いたしました

 では中にお入りください」

 

「彼も同席するけど構わないよな」

 

「構いません

 ご一緒にどうぞ」

 

爺やに案内されて中に入る

 

「ここで待ってるよ」

 

貴方が立ち止まって

東屋のようなところを指さす

 

「はい、ここでお待ちください」

 

爺やは一礼して屋敷の方に戻って行った

 

 

「あれが屋敷?」

 

「あれは門だな(笑)」

 

「はあ?」

 

一体どんな屋敷?

目が点になった 

ゲートハウスみたいなこと?

 

「建物だけは昔のまま

 まあ、使ってねえんじゃねぇ

 なんせ皇女の為に用意された屋敷だから」

 

「それが続いてるって

 それだけで凄いでしょう」

 

「里と共に歩いてるから

 仕方がないな ・・・ 

 俺には関係ないけど」

 

 

「本当に帰ってないの?」

 

「うん、だってここは俺の家じゃねえから」

 

そこはキッパリしている

貴方の隣に座って

手入されてる庭を眺める

 

「タイムスリップしたみたいだね」

 

「そうだな ・・・

 でもここは携帯も繋がるぞ

 暁さんの屋敷は繋がらない」

 

それは気の毒

サクもよく我慢してる

(暁さんもか)

 

 

 

 

<続きます>