取りあえず前を向こうか 109 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

貴方が俺を呼んで

座っているテーブルに

別のテーブルをくっ付けるように指示する

どうやら料理が乗りきらないらしい

カウンターには大皿に載った料理

お肉にお魚に野菜 ・・・ 

ここが喫茶店とは思えないような

本格的なフランス料理

この人どこで修行してきたの?

謎が多すぎて、マジマジと顔を見てしまった

 

「マスター、今から俎板の鯉だよ」

 

貴方がクスクス笑いながら

大皿料理を手にする

 

「この料理はコースで出してこそなんだけど」

 

ちょっと不本意だと言わんばかりの顔をする

 

「仕方ないですよ

 俺の知らないことが

 降って湧いて来たから」

 

「それは俺も同じだよ

 まさか ・・・ 綾野君も知ってたの?」

 

「綾野君は知ってるよ

 お世話係だからね」

 

サラッと答えられて

貴方がやっぱりって顔をする

母も知ってるのかも?

 

「さあ、覚悟を決めて来て下さいね」

 

「覚悟って ・・・ 別にやましい秘密はないよ

 まさか気が付くとは思わなかったけど」

 

「どう言う意味?」

 

「おば様には随分会っていないから」

 

おば様? ・・・ 俺の親類って事?

 

「ふふ ・・・ やっぱりお前の所だったな(笑)」

 

雅紀と繋がりがあるから

てっきり里かと ・・・

そうか、相葉家は家の一族だった ・・・

 

 

「翔さん、大野さん、直人さん

 早くこちらに!」

 

母がCOOLな笑みを浮かべて

俺たちを手招きする

 

興味津々の顔の貴方と

対照的な渋々顔のマスター

料理をくっ付けたテーブルに置いて

マスターだけがそのテーブルに

椅子を持って来て座った

 

「料理を取り分けさせて頂きます」

 

母の隣には座れないか ・・・

 

「その前に直人さん

 お久し振りです(笑)

 お元気そうで何よりです

 お母様はお元気ですか?」

 

「ご無沙汰をしておりました

 智からおば様が来るのを聞いて

 母には連絡をいたしました

 『粗相のないように』と笑ってました

 よく会ってるじゃないですか(笑)」

 

「あら、バレました」

 

母さんバレましたじゃないよ

そんなに近しい人の息子さんなの?

 

「どうします?

 正体を教えろって言ってますが

 貴方から話しますか?

 それとも私から?」

 

「おば様からお願いします

 僕は料理を取り分けますので」

 

流石マスター動じない(笑)

 

「直人さんのお母さんは

 私のいとこなの」

 

「いとこ!」

 

「もの凄く近いじゃないですか ・・・」

 

貴方も目を丸くする

 

「俺は一度も会った事がないですよ」

 

「それはないわよ ・・・

 直人さんのお母さん駆け落ちしてるから(笑)」

 

「駆け落ち?」

 

「ええ、その方が里に連なる方だったから

 大騒ぎになったの ・・・

 二人とも家を捨てて駆け落ち」

 

「里に連なるって雅紀の家ですよね」

 

「相葉の本家からかなり離れてるよ

 耀の一族ではあるが元は里の者だから

 そこが問題になったらしい」

 

「母さんの家は耀の一族だったの?」

 

「家はどうだったかしら?」

 

「櫻井君の曾祖母が耀の一族だったはずです」

 

「あらそうなの?」

 

「ええ、本家ではなかったようですが」

 

「それで駆け落ちなの?」

 

「おば様が婚約されたのを受けて

 大反対されたらしいですよ」

 

「彼女決断が早いから

 とやかく言われるのは御免と

 さっさと二人で海外に駆け落ちしたの

 直人さんが生れて、二人とも許されて

 等君が生れたのよね」

 

等君って誰? ・・・

貴方の顔を見たらポカンとした顔で

首を傾げてた

 

貴方も会った事ない?

 

「だれか知ってる?」

 

小さく呟くと

 

「弟さんじゃなかったっけ?

 会った事ないけど ・・・」

 

そりゃそうか ・・・

別な人が出てくる訳がない

 

「家の場合はどちらの一族からも

 かなり遠い処に居たので

 孫が生れたら顔が見たいと

 すぐにお許しが出たようです

 そんな両親ですから

 小さい頃から

 自分の人生は自分で決めろと

 好き勝手させて貰っています」

 

「つまりは翔のまたいとこ?」

 

「そうなるの?」

 

「そう言えばそうね」

 

「世の中広いようで狭いんだ

 マスター、俺の事は ・・・

 最初から知ってたの?」

 

「う~ん ・・・ はっきりとは ・・・

 まあ、顏を見てそうかなと(笑)」

 

「じゃあ智君は?」

 

「それは ・・・」

 

言葉を濁したのが答え

 

「知ってたんですね」

 

「最初は知らなかったよ

 京都に行ってからかな

 里の者って分かったのは

 長候補だとは思わなかったけど」

 

「あの二人に会ったからだ」

 

思い当たったのか

貴方が答えを言う

 

「そうだね

 あの二人が出てきた時点で

 多分、里の関係者だと」

 

二人? ・・・ だれ?

横目で貴方を見ると

分からないの?って顔をされた

 

マスターが知ってる相手

綾野君と小栗君か ・・・

 

なるほど繋がってきた ・・・

 

 

 

知らなかったとはいえ

ガッツリ俺の親戚

母方に当たるから

翔兄とは面識がないけど

縁って不思議だ 

 

「謎も解けたでしょ

 直人さんの料理を頂きましょう」

 

母が笑顔で取り分けられた皿に手を延ばした

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>