キミの夢を見ていたい(扉の向こうに有る未来)107 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

眠れぬ夜を過ごし明け方店の外に出た

陽が昇る前の空は沢山の表情を見せる

瑠璃色に染まった空に

黄金色が帯のように広がり

お日様のお出ましを伝える

顔を出したお日様は辺りを照らしながら

空の色を青く染めていく

息をのむほど美しい光景

早起きをした者への褒美のような気がした

 

その光を背に受けて

愛しい人が笑みを浮かべ立ってた

 

「おはよう、もう起きてたの?」

 

「おはよう ・・・ うつらうつらしたけど

 眠れなくて ・・・ それなら起きた方が良いと思って

 蒼ちゃんも?」

 

「俺も似たようなものだな ・・・

 チビたちが寝付かなくてね」

 

「どうかしたの?」

 

「お兄ちゃんと同じだよ

 あの子達にも始まりの妖精の記憶はある

 3人は今度こそチビを守りたいから ・・・

 泣いてしまってね」

 

お兄ちゃんと同じだ

楽園を出た二人がどうなったのかを知っている

 

「それで、どうしたの?」

 

「大ちゃんが歌を謳って眠らせたよ

 暫くはこの問題に封をしてね」

 

「封をした?」

 

「難しい問題だから

 今すぐ答えを出す必要はないって

 それに、何か思い付いたみたいだ」

 

「大ちゃんが?」

 

「ああ、だからこの時間に店に来た」

 

「貴方が頼んだの?」

 

「ううん、翔先生 ・・・

 あの人が話してくれてるみたいだ ・・・

 二人に任せておけば大丈夫な気がしてきた」

 

昨日、エルフの国で逢った時と比べて

少しだけホッとした表情をしてる

 

「貴方がそう言うなら大丈夫な気がする(笑)

 それで、店に用って何?」

 

「翔先生から頼まれたんだ

 小瓶を用意してくれないかって」

 

「小瓶?」

 

「何に使うの?」

 

「さあ、大ちゃんが使う小瓶らしい

 だから、店に有る小瓶を持って行こうと思って」

 

大ちゃんが使うとなると

必然的にさとし君たちの為の物だろう

 

「そんな小さい瓶あった?」

 

店の有るアンティークの殆どは触ることができない

鍵がかかったショーケースの物は特にだ

マサキが気難しい子達ばかりだと口を尖らせる

あまり触らせて貰えないらしい

 

「あるよ、翔は怖がって手に取らないから(笑)」

 

「マサキが触れさせて貰えないって言うから

 俺が触れたらダメかなって思って」

 

「そう言う子達もいる事はいるけど

 大概の子は大丈夫だよ

 偶に音を立てるから、マサキが怖がる

 カズは平気だな」

 

音が聴こえたことはある

話しが出来ない相手は苦手かもしれない

 

「それを持ったら戻るの?」

 

「戻らないよ

 直接、爺さん家の庭に行くって伝えた

 久し振りに翔と朝ごはん食べようと思って」

 

「そうなの?瓶は渡さなくても良いの?」

 

「向うに行く前に渡せば良いと思うけど」

 

「それもそうか ・・・

 智 ・・・ 神の庭ってどんな所なんだろう ・・・

 俺の記憶の中に残っていないんだ」

 

「それは俺も同じ ・・・

 あの二人が過ごした神の庭自体は存在しない

 もしかしたら ・・・ あの頃の神の庭なのか ・・・」

 

 

そう考えたら ・・・ 緊張して来た

俺達が知らない神の庭

セリーが辿り着いた時は

既に神の庭ではなかった

あの場所が奇跡を起こしてくれるかもしれない 

 

 

「蒼ちゃん ・・・ 帰ってきてなら中に入ってください」

 

店の扉を開けて顔だけ覗かせた和さんが

不服そうな顔をして声を掛けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>