Wish you were here 168 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

『貴方専属のナビになります』
と遠回しに… いや、かなりハッキリと
伝えたつもりなんだけど
伝わってる?

暖簾に腕押し、糠に釘のごとく
全く手応えがない
男から言われた事があるのか?
それはないよなぁ
つまりは友達として受け止めてくれた
ってことか
ここまで伝わらないと

いくら、じっくりと釘を刺されてても

正直、焦ってくるのも事実

ここは、直球で勝負してみるか

「大野さんはどんな人が好きですか?」

俺だとは言えないだろうが

俺の様な人と答えてくれたら

ガッツポーズするんだけど


「どんな人?芸能人ですか?」

きょとんととした顔で変化球が戻って来た

「ええ、まあ …」

言葉を濁すしかないが
後学の為に教えてもらおう

「テレビを観ないので
 誰が好きってないです」

「テレビを観ないの?」

「ええ、だからよく分からない」

「じゃあ 芸能人ではなくて
 理想の相手はどんな感じ?」

これを聞いて意味があるかなぁ…

「う~ん 理想ですか…
 あまり考えたことがない …
 好きになった人が、そうなのかなぁ
 櫻井さんはどんな人が理想ですか?」

あらら、肝心な答えはあっさりで

俺に返ってきた

ここは素直に


「優しさと強さを兼ね備えた
 とても温かい人です
 ちょっと口下手でシャイな所も有って
 一緒にいて心地がいい…」

貴方ですと、心の中で続けた

分かって貰えたかなぁ

 

「優しさと強さを兼ね備えた人

 口下手でシャイで温かくて…

 一緒にいて心地いい …

 櫻井さんなら見つかると思います」

いやいや  俺の目の前にいるけど

貴方に逢ってから

想いを伝え続けて来たんだけど

 

全く伝わってない…

 

「あの  …  大野さんは  …」

 

「はい?」

 

「例えばですよ、例えば

 好きになった相手が同性だったら

 どうしますか?」

 

これは告白してるのと同じか?

あり得ないとか言われたら撃沈

立ち直れないけど

 

「好きになった相手が同性なら

 別に抵抗はないです 」

 

「本当に?」

 

「ええ」

 

このまま告るか…

 

「小説の題材ですか?」

 

「えっ?」

 

「お話の内容なのかなと思ったので」

 

邪気のない澄んだ瞳で訊ねられたら

頷くしかない

意気地無しの俺

 

「そうです、主人公が男性に恋をする話で…」

 

「櫻井さんの書いてる小説

 出来上がったら読ませてください」

 

「是非、読んでください」

 

この人、すごい奥手だ

上田が言ってた通り

 

長丁場は覚悟してたけど

まだスタートラインに立ってないのかも…

思わず水をがぶ飲みしてしまった

 

もう少し攻めても大丈夫かなぁ…

 

「このあと、どこに行きますか?」

大野さんがふんわりとした笑みを浮かべる

 

「行きたいところ有りますか?」

また質問を質問で返してしまった

 

「そうだ、プラネタリウム行きませんか?」

 

「良いですね、行きましょう」

 

彼が生きたい場所なら

どこにでも連れて行く

 

 

 

〈続きます〉