Wish you were here 163 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

妖精君の瞳の色と同じ紙袋が二つ

僕たちの目の前に置かれた

その中には僕が一目惚れした高価なジュエリーが収まった

これまた、高価なアンティークの小箱が鎮座していた

 

「あの ・・・ 小箱は ・・・」

 

「元々この子の箱です

 天道虫の師匠はとても優しい方だ

 この子の休める場所を取り上げないで

 一緒にお持ちになった

 だから、俺もそうさせて頂きます」

 

「丸型のジュエリーもですか?」

 

櫻井さんが確認するように袋の中を覗き込んだ

 

「こばこも ついなんだっちぇ

 ねっ、あおちゃん」

 

妖精君は櫻井さんがお気に入りなのかも(笑)

すごく一生懸命説明してる

 

「ええ、小箱も対になっています

 どちらもこの子達の為に作られた小箱

 引き離すと箱が悪戯をするので

 誰も離さなかったのでしょう(笑)」

 

冗談めいて話す蒼さんだけど

多分、全てが真実のような気がする

 

「小箱も気難しいのですか?」

 

「試してみますか?

 箱だけ置いて行っても構わないよ

 ただし、明日には取りに来る羽目になる(笑)」

 

「それなら、おいていっちぇくだしゃい

 あちたもきちぇくれるんでしょ?」

 

妖精君が満面の笑みを浮かべる

蒼さんがそれを聞いてクスクス笑う

 

「置いていきますか?」

 

櫻井さんが僕の顔を見て

試してみますか?って顔をする

 

「この子の休む場所がなくなってしまう ・・・

 やはり一緒に連れて帰ります」

 

「じゃあ、貴方の方を置いていきますか?」

 

蒼さんが櫻井さんに訊ねる

 

「そう言われると ・・・ どんな悪戯をされるんでしょうか?」

 

「それはお教えできません(笑)」

 

「このこばこ ・・・ ほかのをいれようとすると ・・・

 ふたがあかなくなるの ・・・」

 

「チビは他の物を入れようとして

 蓋に嫌われてしまいました(笑)

 後で謝ったら許してくれましたが」

 

「うん ・・・ おこらせちゃったの ・・・

 だから、やっぱり もっちぇかえっちゃください」

 

「さとし君のいう通りにするね

 今度、美味しいお菓子を持ってきます

 さとし君が食べられるものはなんでしょうか?」

 

櫻井さんが蒼さんに訊ねた

妖精君が食べるものって何だろう?

僕にも想像が付かない

 

「果物なら大丈夫です

 出来れば、この店の近くにあるフルーツショップで

 店の名前を言って下されば

 どれが良いのか教えてくれます」

 

もしかした、産地を特定しているのかも

 

「分かりました

 秋は果物の美味しい季節です

 とびきりの果物を持ってきます」

 

「チビ、彼が美味しい果物を届けてくれるって」

 

「ほんと? ・・・ たのちみにまっちぇる

 みんなでたべられるのにちてくだしゃい」

 

「じゃあ、沢山持ってくるね」

 

櫻井さん ・・・ 相当高価な果物を買いそう(笑)

 

「あまり引き留めてもいけないね

 屋敷に行くんでしょ?」

 

「はい? ・・・ 屋敷ですか?」

 

「そこの大きな屋敷(笑)」

 

「そうです、松岡邸の見学に行く予定です

 かなり広い敷地ですよね」

 

「だいぶ取り壊してるから ・・・

 昔はもっと広くて、もっと豪華だった ・・・

  ・・・ みたいだよ」

 

蒼さんが昔を思い出す様な顔をした

 

それに『みたいだよ』は取って付けた感じがする

この人は、ずっと生きてる人なのかも ・・・

違うかな?

 

「洋館は当時のままだと」

 

「建物は昔のままだよ

 壁紙とか張り替えてるようだけど

 ゆっくり回ると時間が掛かるから

 ランチに間に合わなくなる(笑)

 早く行った方が良い」

 

「ようかんっちぇ ・・・ じいちゃんの?」

 

「ああ、爺の(笑)」

 

「すごくひろいから ・・・ 

 まいごになっちゃうかも

 おててつないでね」

 

大人は手を繋がないけど

 

「迷子にならないように気を付けるね

 蒼さん、本当に頂いて宜しいのでしょうか?」

 

席を立って

蒼い袋を手に持って確認する

 

「もう、お二人の物です

 一つだけ約束してください」

 

「何でしょうか?」

 

「たいせつにちてあげちぇくだしゃい

 はなればなれに ならないように

 おねがいちます」

 

「チビが全部言ってくれた(笑)

 幸福を運ぶペンダントです

 どうぞよろしくお願いします」

 

「ありがとうございます」

 

櫻井さんも慌てて立ち上がって

同じようにお辞儀をした

 

「チビ、お見送りしてあげて」

 

「は~い」

 

妖精君が椅子から飛び降りて

お店のドアに向かって走っていく

 

 

「それではまた来ます」

 

「必ず二人で来てくださいね

 チビが喜びます」

 

ドアまで行くと

妖精君が笑顔で待っていてくれた

 

「さとし君、また来るね」

 

「うん、まっちぇるね

 これ、おおちゃんから」

 

ポケットから虹色の飴が入った袋を

僕に手渡してくれる

 

「一つずつだよ(笑)

 じゃあ、いってらっしゃい」

 

 

「ありがとう、いってきます」

この挨拶であってる気がした

 

妖精君は僕たちが曲がり角を曲がるまで

手を振ってくれていた

ちゃんと蒼さんの腕に抱っこされてたけど

 

 

「あの子の笑顔を見るとホッとすると言うか

 癒されますね」

 

「ええ、癒しの天使みたいです」

 

「俺迄貰って良かったのかなあ ・・・

 こんな高価な物?

 因みにいくらくらいだったのですか?」

 

師匠が付けていた値段を教えると

思いっきりのけ反って

 

「マジですか? ・・・

 ええっ! ・・・ 本当にその値段?」

 

「師匠は相場より安くつけてたと思います  

 だから ・・・ 僕もどうしようかと ・・・

 でも、あそこまで言って下さったので ・・・

 お言葉に甘えさせて頂きました」

 

「不思議なお店だ ・・・ 小箱も年代物 ・・・

  ・・・ そうです、大切にしましょう

 俺達がずっと ・・・」

 

「ずっと一緒に居ないとですね(笑)」

 

櫻井さんとはずっと一緒に居るような気がする

ソウルメイトみたい(僕の勝手な思い込みだけど)

友人として一緒に居られればいいな

 

 

 

「それで、蒼さんの言う爺さんの屋敷に行きましょう」

 

「迷子にならないようについて行きますね」

 

大事な袋は鞄に仕舞って

櫻井さんと並んで坂を登っていく

 

 

 

 

 

<続きます>