これが恋と言うものか 63 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

相葉と別れて直ぐにタクシーを捕まえた

行き先を伝える時、その事が妙に嬉しくて

思わずニンマリした(恥ずかしいから俯いたけど)

 

貴方のマンション前でタクシーから降りると

月の光が桜の花を照らしてた

 

「もうすぐ満月かな?」

後で月を観ようね

 

インターフォンを鳴らすと貴方の声

 

「お帰り」

 

「ただいま」

 

その一言だけ天にも昇る想いになる

待ってる人がいる

そこが俺の帰る場所

急いで部屋まで駆けていく

 

ドアを開けると貴方が玄関先で待っててくれた

 

「お帰り、お疲れ様」

 

俺の顔を見てもう一度言って

ギュと抱きしめてくれる

 

「ただいま ・・・ 」

 

『いらっしゃい』って言わない貴方が好き

『ただいま』って言える今が幸せ

 

「ご飯できてるよ

 先に風呂に入る?」

 

まるで新婚家庭みたい

 

「先生は入ったの?」

 

「まだ入ってないよ

 一緒に入る?」

 

一緒に ・・・ それは ・・・ 恥かしいでしょ ・・・

 

黙ったまま俯く ・・・

耳まで真っ赤になってるのが分かる

 

「恥ずかしい?

 旅行に行った時、一緒に入ってるのに ・・・」

可笑しそうにクスクス笑う ・・・

 

そう言うけど ・・・ 同じじゃない ・・・ 

あの時は同僚だったけど

今は恋人同士だから ・・・ 考えるだけでドキドキする

 

「先に入っておいで

 俺は後にするから」

 

柔らかい笑みを浮かべて

カバンを持ってくれた

 

「先生 ・・・ 気を悪くした?」

 

貴方が『どうして?』って顔をする

 

「する訳ないでしょ

 料理を温め直そうと思って

 それに、風呂掃除のついでにシャワー浴びたから」

 

お道化た顔を見せてくれる

 

「俺もシャワーで良かったのに」

 

「俺は休みだったけど

 翔は仕事、疲れを取るには湯船に浸からなきゃな」

 

先生は俺と違って

春休み殆ど学校に出てこない

理由を聞いたら、美術教師だからだよって笑ってた

どうやら勤務形態が違うらしい

 

「じゃあ、急いで入ってきます」

 

「ああ、着替え用意しておくね」

 

年齢差なのかな?

凄く余裕があるように見える

それに引き換え、俺はお子様 ・・・

 

貴方は無理に体を繋げようとしない

それに近い事はしたけど

ドキドキして ・・・ あと一歩のところで怖気づく

腕の中で抱かれてるうちに ・・・

そのまま眠ってしまう

 

貴方の声と匂いに包まれると

それだけで満たされるんだ ・・・

 

だけど ・・・ 俺だって心も体も一つになりたい

その事がずっと頭の中をぐるぐるしてる

 

『ゆっくりで良いよ、それが翔だから』

そう言ってくれる

 

俺は貴方の事になると

意気地なしなのかもしれない

 

結ばれたら ・・・ 離れてしまう気がして ・・・

 

「翔 ・・・長湯すると逆上せるよ」

優しい声が聴こえた 

 

「あ ・・・ はい ・・・ すぐに出ます」

 

ドアを開けた貴方が心配そうな顔をする

 

「何か有った?」

 

「ううん ・・・ 」

笑顔で頭を左右に振ると

 

「また、難しいこと考えてたな

 早く出ておいで

 お腹ぺこぺこだよ」

全てお見通しの顔で笑ってドアを閉めた

 

 

 

お揃いの部屋着が擽ったい

ビールで乾杯後、貴方の手料理を頂く

 

「進路の話?」

 

「ええ、何がやりたいのかが分からないって

 それと ・・・ 年頃だから ・・・」

 

「一番悩む時期だね

 どの道に進むべきなのか ・・・

 悩んで、迷って、そうやって大人になっていく

 多かれ少なかれ、皆が通る道

 信頼できる先生がいるから

 彼は心強いと思うよ」

 

そうやって俺の事を褒めてくれるけど

貴方の方がずっと良いアドバイスできると思う

 

「悩みを聞く事しか出来ないですから」

 

「それで良いんだよ

 決めるのは自分だから

 アドバイスを望んでいない時もあるだろ?」

 

「確かにそうですね

 聞いて貰えるだけでスッキリする時もあります」

 

 

 

貴方がビールを飲み干して

 

「仕事の話はここまでにして

 旅行の話しよう」

 

「はい」

 

今回の旅行、俺は全くノータッチ

桜を観に行くことになってる

 

 

「今年は桜の開花が早いので

 丁度見頃ですね」

 

「今が盛りに咲いてるはず

 それに ・・・ 」

 

「それに?」

 

「それは当日のお楽しみにして置こう」

貴方が思わせぶりな顔で笑った

 

 

心の片隅にある小さな不安 ・・・

まるでとげが刺さった様な感じ ・・・

その棘が何なのか ・・・

 

 

「また難しい顔して

 何が不安?」

 

自分で分からない事は説明できない

出来ないけど ・・・ 隠したらいけないよね

 

「時々 ・・・ 不安になるんです ・・・」

 

「俺がいなくなりそうな気がする?」

 

「何が不安なのか ・・・ 自分でも分からなくて ・・・」

 

「離れないよ、君の側にずっといる」

貴方が俺の手をギュッと握り締めてくれた

 

 

 

<続きます>

 

 

 

こんばんは

昨日の4周年の記事に

沢山のお祝のコメント、メッセージを下さり

心より感謝申し上げます

ありがとうございました

お一人お一人にお返事させて頂きたいのですが

申し訳ありません

こちらでお返事とさせて頂きます

 

拙いお話ばかりですが

好きだと言って下さって

本当に嬉しいです

お話の中の二人が皆様に愛されていることが

一番の幸せだと思っています

これからも、ゆっくりと進むお話ばかりですが

呆れずにお付き合いください

宜しくお願いします

 

 

yayosato