これが恋と言うものか 54 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

貴方が言った 『一歩踏み出してみれば』

その言葉に勇気を貰い

お酒の力も借りて口にした言葉

『俺の ・・・ 好きな人は ・・・ 』 

・・・ 貴方です ・・・ 肝心の名前が言えない

自分で呆れるくらい不甲斐無い ・・・

 

『俺でしょ』って返されたから

 

思わず先生ですって答えてた

独り歩きした俺の言葉は

貴方に向かって飛んでいく 

 

スルーされるかな?

それとも ・・・ 聞き返されるかな?

 

名前で言って欲しいって

それは ・・・ 俺にはハードルが高すぎて ・・・

 

だって、俺のは冗談じゃなく本気

そんな想いを伝えられても引くでしょ?

 

俺は貴方に恋をしてる

貴方の想い人が俺だったら

どんなに嬉しいだろうか

 

「 すきなものは ・・・ すき ・・・」

 

「俺も好きだよ」

 

貴方の好きと俺の好き

言葉は同じでも意味が違う

 

「おなじだけど ・・・おなじじゃない」

 

貴方の好きは同僚として ・・・

俺の好きは ・・・ 違うから ・・・

それでも ・・・ 俺のことを好きって言ってくれた

それだけで舞い上がって ・・・ 胸はドキドキして

顔が真っ赤になってるのが分かる

 

だから ・・・ そのままテーブルに突っ伏した ・・・

 

俺の背中に貴方の手が添えられた

触れられた部分が脈を打ち始めて

どうしようもない想いが溢れ出しそうで

 

瞼をギュって閉じて

鼓動がおさまるのを待った

 

 

「今日は大丈夫かなって思ったけど

 やっぱり酔い潰れたか ・・・

 ゆっくり飲もうって言っても聞きゃしない(笑)

 だけど、そんな所も好きだよ ・・・

 言っても聴こえてないか ・・・

 風呂は入ってるから

 このまま寝かせるしかないな」

 

背中の添えられた手がゆっくり外されて

貴方が席を立った ・・・

 

 

今 ・・・ 『そんな所も好きだよ」って言った?

『俺も好きだよ』の中の一部って事?

 

 

俺と同じ好きだったら

どうすればいいんだ?

いやいや ・・・ それはない ・・・

先生にとって俺は ・・・ 美術センスが皆無の教え子

出来が悪い子ほど可愛いって言うから

絶対そっちだよ 

 

頭の中がグルグルして来て

何が何だか分からなくなってきた ・・・

 

 

『智先生 ・・・ 恋を始めませんか?』

それが言えるのに100年掛かりそうだ

 

 

「翔 ・・・ 翔 ・・・ ベッドで眠って

 風邪を引いてしまうから」

 

 

貴方の優しい声が耳元で聞こえる

この人の声 ・・・ ずっと聴いてたい ・・・

俺 ・・・ 相当酔ってる ・・・

 

「せんせいは? ・・・ いっしょに ・・・」

 

「ふふ ・・・ 一緒に寝る? ・・・

 別に構わないけど ・・・

 ベッドが狭いから落っこちちゃうよ ・・・

 君が眠るまで側に居てあげる ・・・」

 

まるで小さな子に言い聞かせるように

ゆっくりと話す貴方

貴方の匂いに包まれて

そのまま抱き付いた ・・・

 

 

そこまでは憶えてる 

だけど ・・・ その後の記憶がない

 

 

 

気が付いたら朝で

貴方が珈琲を淹れてた

 

 

いつもみたいに記憶が全くないわけではない

だから ・・・ 恥かしくて ・・・

これじゃ、中学生の恋だよ ・・・

 

俺が起きた気配がしたのか

貴方が振り返ってニッコリ笑う

 

「おはよう、よく眠れた?」

 

「はい ・・・ 眠れました

 あの先生は ・・・ 何処で ・・・」

 

「アハハ ・・・ 憶えてないの?

 一緒に寝てくださいって言い張って

 手を離さないから、隣で眠ったよ」

 

「へ? ・・・ 隣って ・・・ 隣?」

 

相当な間抜け面してると思う

なんで、そんな肝心な所だけ忘れる 

 

「もしかして ・・・ かなり酔ってました?」

 

「酔ってたねぇ(笑)

 子守唄歌ってくださいって、駄々こねて(笑)」

 

貴方がクスクス笑う

 

「マジですか? ・・・ なんて勿体ない ・・・」

 

俺って ・・・ ほんとどうしようもない ・・・

 

「顔洗ってきて、朝ごはん食べて

 それから学校に出勤だよ」

 

そうだ、今日は仕事だった ・・・

 

「直ぐに着替えてきます

 先生から貰ったネクタイ着けて行きます」

 

「翔 ・・・ 智だよ ・・・ 

 呼べないなら智先生

 俺もマフラー使わせて貰うね

 お揃いの(笑)」

 

さ ・・ とし ・・・・ 先生 ・・・」

 

小さな声で愛しい貴方の名を呼んだ 

 

 

 

 

 

 

 

サトシ ・・・ サトシ ・・・

どこに居るの? ・・・

誰かを探して庭を歩く俺が居た ・・・

 

 

 

 

今の残像は ・・・ なに?

 

 

 

 

<続きます>