取りあえず乾杯しようか 8 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

京博に小栗君と? ・・・ 何たること

隙あらばの、『隙』を作ったって事だ

だってだぞ、俺が土日の午前中

綾野君の店で修行してる事知ってただろうが

何たる不覚 ・・・ 思い出しても腹立たしい

 

悪戦苦闘してるケーキ作り

どうしても、全部自分で作りたいと

申し出たのが間違い

 

教えて貰っても上手くいかない

分量を量る所からつまずいてる現状

それなら文字を入れるだけにすれば良かった

 

腕の中で背中を向けてる貴方から

怒りのオーラが見えるような気がした

 

もしかして誤解してる?

違うから、やましい事は毛ほどもない

貴方の笑顔が見たいから頑張ってるの

どうしよう ・・・ 

後ろからギュッと抱きしめたけど

いつもみたいに腕を絡めてくれなかった

 

オーマイガー! ・・・ 誤解だよ!

嘘ついてるけど、嘘じゃないから

仕事よりも大事なことしてる

 

髪の毛とうなじに唇を落としても

反応なくて ・・・ 煩そうに頭を振った ・・・

 

「ねえ ・・・ 怒ってるの?」

 

聞いたところで、追及されたら答えられないのに

 

「ううん ・・・」

大きく咳払いして

 

「怒ってねぇ ・・・ 早く寝ろって言っただろ!」

 

棘のある声は返事と裏腹

 

「智君が怒る事何もしてないよ」

 

「だから ・・・ 怒ってねえって言ってんだろ!」

 

「土日が仕事で淋しいの?」

 

俺、何を言ってんだ

この質問、墓穴を掘りそうな予感

 

「淋しくねぇよ ・・・ 仕事ならな ・・・」

 

やっぱり仕事じゃない事バレてる ・・・

 

「仕事だよ ・・・ 大事な仕事が有るの」

お願い察して ・・・ 

いや、察したらまずい ・・・ どっちだよ

 

「だ~いじな、だ~いじな仕事なんだろ

 だったら、早く寝ろって!」

 

これ以上言うと、ソファーに避難される可能性あり

怒ると何も言わずにベッドから出てくんだよ

それをされると、機嫌直すのに数日掛かる

 

「お休みのkissして」

 

「さっきしただろ」

 

「もう一回して!」

 

「いやだ!」

 

「俺も嫌だ!」

 

貴方が大きく溜息をついて

顏だけ振りむいて、軽くkissして

 

「駄々っ子か ・・・ もう寝るからな」

って、宣言した

 

貴方に対しては駄々っ子です(きっぱり)

 

それにしても心配だ

小栗君と行くって ・・・ 

綾野君より心配だ ・・・

 

 

雨の音で目を覚ました

腕の中に居たはずの貴方が居ない ・・・

急いで起きだしてリビングに行くと

 

部屋中に珈琲のいい匂い

貴方がお揃いのマグカップを手に持って

ぼんやり外を眺めてた

その姿が淋しそうに見えた

 

「おはよう、早いね」

 

貴方の側に行って

おはようのkissをする

 

「おはよう ・・・ 雨降ってる ・・・

 この時期の雨は寒さを連れてくる」

 

「俺が温めてあげる」

 

腕の中にスッポリ抱え込む

貴方が可笑しそうに笑って

 

「朝から、サービス満点だな

 珈琲冷めないうちに飲め

 俺はそろそろ出掛けるから

 お前も、仕事に遅れるなよ」

 

珈琲を飲み干してから

俺の腕の中からすり抜けていく

 

それが何だか淋しくて ・・・

貴方の温もりを感じていたくて

すり抜ける体を、ギュッと抱きしめて

甘い口づけをする

 

「秋の雨は物悲しい感じがするな

 ふふ ・・・ じゃあ、3時に京都駅

 温かい格好で来いよ

 いつも車で出掛ける格好だと風邪ひくからな」

 

「貴方もだよ ・・・ 薄着で行かないでね」

 

「分かってる ・・・ 

 朝飯、そこに置いてあるから

 じゃあ、行ってきます」

 

テーブルにおにぎりが二つと卵焼き

インスタントの吸い物の袋

 

貴方の手を握ったまま

玄関まで送っていく

 

「気を付けてね」

貴方が軽く手を挙げて出かけて行った

 

 

閉まったドアを見て慌てた

置いて行かれるような気がして ・・・

 

やっぱり俺も行く ・・・

今日の修行は平日の夜にして貰えばいい

それなら ・・・貴方に淋しい想いをさせなくて良い

 

急いで着替えて

作ってくれた朝飯をラップして、袋に詰めた

それをカバンに仕舞って、貴方を追いかける

 

 

俺ねヤキモチ妬きなんだよ

貴方が居ないと息が出来ないんだ

 

追いかけながら、綾野君に電話を入れた

 

 

「わかりました

 明日も難しいようでしたら

 平日の店が終わった時間でも良いです

 お気持ちが大事なんです」

 

「あの人に淋しい想いさせるのは

 本末転倒だろ?」

 

「まあ、そうですね ・・・

 櫻井さん、プレゼントは別に用意されてるんでしょ?」

 

何で分かるんだ?

一応ペアウォッチは用意してる

 

「明日は行かせてもらいます

 無理を言って申し訳ない」

 

「では、明日お待ちしています」

 

この人柔軟なんだ

貴方と気が合うのが分かるような気がする

纏う空気が似てるからかな

 

 

愛しい貴方の背中を探して駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>