アンティークショップ紅玉(エルフの国編)19 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

部屋に行くと、先に戻ったはずの貴方の姿が見えない

椅子に座って貴方が戻ってくるのを待つ

 

しかし豪勢な部屋だな ・・・

離宮の部屋とは格段の差

 

壁は全て薄いブルーに金色の装飾が施されてる

ランプは離宮と同じブル-ベルの形

天蓋付きのベッド ・・・ silkのような軽くて薄いベール

この部屋はこの城が建てられたころのまま

初代王がサトシの帰国を、心待ちしてたのが分かる

 

 

う~ん ・・・ 玉座の間に行くって ・・・ どうやって?

思念だけを飛ばすって言ってたけど ・・・

一人で大丈夫なのかな?

 

『翔 ・・・ 翔 ・・・』

頭の奥に聞こえる声 ・・・ ショウだ

声に出さずに頭の中で答える

 

『ショー、どうかした?』

 

『智は気が付いたみたいだな』

 

『何を?』

 

『玉座の意思について ・・・』

 

『それはどういう事?』

 

『玉座は蒼のオーラを纏ったエルフ以外

 王として認めない ・・・って事だ ・・・

 つまり、ジュンは初めから認められていない

 だから、歪みが出てきてるんだ ・・・

 今は俺達二人で浄化を手伝っているが

 それも持たないだろう ・・・ いずれ弾かれる』

 

沈痛な声は事の重大さを伝える

 

『智が玉座に行くと言ってるけど

 大丈夫なの?』

 

『玉座が欲しているのは蒼のオーラ

 智が来てどう転ぶか分からない ・・・』

 

『どういう事?危険だって事なの?』

 

危険なら行かせる訳には行かない

例え、ジュン君の王位が剥奪されようと

智に代わるエルフはどこにもいない

 

『慌てなくて良い、智は玉座を作ったエルフ

 彼の身に危険は及ばない

 何故なら玉座は全力で蒼のエルフを守る

 それに智なら玉座の間に入ることは容易い

 指一本動かすだけで可能なんだ

 だから、出入りは自由』

 

そうだよね、この国は貴方で成り立ってるんだから

 

『じゃあ、何がどう転ぶの?』

 

『ジュンの意志に関係なく

 彼は王のオーラを失う ・・・

 今、ジュンのオーラにサトシのオーラを重ねて

 王のオーラにしてるんだ ・・・

 見方によっては青く見えないか?』

 

そう言われれば ・・・ 青に近い紫 ・・・ 菫色

 

『サトシの意思まで無視するっていうの?』

 

ショウは苦笑いして

 

『今のサトシにその権限はない

 蒼のエルフが存在する以上

 玉座は蒼のエルフを以外認めないだろう』

 

『サトシと智は同じだろ?』

 

違うのか? ・・・サトシはサトシ? 

 

 

『同じであって違う ・・・ それは俺達も同じだろ?』

 

『そう言われればそうだ

 では、何が一番問題なの?』

 

『一番の問題は ・・・ 今の智とジュンに血の繋がりがない事 ・・・

 ・・・ 智はそれに気が付いた ・・・

 サトシは ・・・ 今でも前世でのジュンを見てるから

 正確な判断が出来ない ・・・』

 

『じゃあどうすればいい?玉座の間に行かない方が良いのか?』

 

『そこは智の判断に任せる

 事情を把握しているはず

 翔は智を支えてあげて欲しい』

 

それは言われなくても分かってる

俺の最優先は智なのだから

 

『ショウはサトシを助けてあげて

 もし、疲れたら俺の気を送るから

 一番辛いのはサトシ ・・・ 俺は何もできないから』

 

あの日、智が2人を解放したことが影響してるのか?

その辺りはよく分からない ・・・

 

『俺の方からの願いは ・・・ 智に頼んで欲しい ・・・

 サトシを支えてやって欲しいと

 俺は何も言えないんだ、力を分けることは出来ても

 心の内まで入り込めない ・・・

 この一連の出来事の元凶は ・・・ 俺だから ・・・』

 

俺達が抱え続ける過ち ・・・ 

 

『智が ・・・ あの頃のジュンが迷子になってるから

 今のジュンに帰してやるって言ってたんだ

 だから ・・・ 俺は智を信じてる

 それに智がいつも言っている言葉

 物事には意味があり、乗り越えた先に答えがある

 全ては繋がってる無駄な事は何一つないって ・・・

 俺達は過ちを受け止め歩いてきた

 だから、罪悪感に押しつぶされちゃいけない

 ショウ、サトシと寄り添っててあげて

 ショウの願いは智に伝える』

 

『ありがとう ・・・サトシが目を覚ます ・・・』

 

『ああ、じゃあまた』

 

ショウが戻った後

貴方が難しそうな顔で部屋に入って来た

 

 

「翔、困ったことが一つ」

 

「なに?困った事って」

 

「俺はこっちに居ないから失念してた

 女神の所の小さい子の研修だよ」

 

ああ、特別な妖精がいるとは聞いてたけど

そうか ・・・ こっちでの研修が始まる

 

「特別な妖精って、妖精界の次代の ・・・」

 

「それはどうか分からない

 まだ女神の娘は生まれていない ・・・

 次代の女神との相性もある ・・・

 あくまで候補の一人 ・・・

 まあ、今回の妖精は ・・・ 違う使命を持ってるかもな?」

そう言って、クスクス笑った

 

「違う使命?」

 

「ふふ ・・・ あの子が何を望むかだ ・・・

 まだ幼いから分かっていない ・・・」

 

「もしかして、会ったことがあるの?」

 

「ああ、有る

 マザーに呼ばれて」

 

「いつ?」

 

「子ども妖精の遠足の日だよ」

 

「ああ ・・・ 1年に1回の山への遠足の日

 出かけたっけ? ・・・

 そうだ ・・・ ここに来て直ぐどこかに行ってたよね」

 

「ああ、 そこら中に移動させられたんだ

 マザーは時に俺を酷使する(笑)

 翔 ・・・ 多分、お前が一番気に入ると思う」

 

 

「へ? ・・・ そんな愛らしい子なの?」

 

「もの凄く可愛い ・・・ お前に懐くかもな

 妖精界との打合せを頼めるかな?」

 

「それは構わないけど 

 こんな立て込んでる時に先延ばしできないの?」

 

「出来ない、大人になる前に適性を見るんだから

 その子がエルフの世界で暮らしていけるかどうか 

 それに、こんな時だからこそ良いのかも

 ジュンの癒しになるだろう ・・・ それほど愛らしい

 小さな妖精を迎える場所は離宮

 2,3日後には来るはずだから」

 

ここの2,3日後って事は、人の世界だと1週間後って事かな?

妖精界は人間界と連動してるから

エルフの国で暮らせるかどうかか ・・・

 

 

王が政から離れると

本当に混乱するな

 

 

「それから、トウマというエルフを探さないと ・・・」

 

 

「トウマ? 」

 

「ああ、ジュンの幼馴染で王の補佐をしてた ・・・ 

 母方のエルフだという理由で役職を解かれた」

 

 

なるほど ・・・ ミルナさんの懐妊で

ジュン君はどんどん独りになっていったんだ 

 

 

 

 

 

<続きます>