これが恋と言うものか 10 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

七夕祈願祭は、待ち時間は有ったけど

無事に祈祷して頂けた

名前が呼ばれて、ちょっと吃驚

この申し込みを先に済ませてくれてたんだ

終了後、お土産を頂いた

お土産の中に星の付いたお守りが入っていた

 

「二人とも彦星だから青だ」

貴方が可笑しそうに笑う

 

「確かに織姫のお守りは貰えないですね」

 

「うん、お揃いと思えばこれも良いかな

 しかし随分並んだ(笑)」

 

貴方が辟易した顔で苦笑い

 

「待ちましたね、それにほとんど女性の方でした」

 

恋愛成就の神社だから致し方ない

この人、その事知ってるのかな?

 

「あの ・・・ この神社の事 ・・・ その ・・・」

恐る恐る訊ねると

 

「女性が多い理由は知ってるよ

 別に構わないでしょ

 願い事を叶えてくださいって想いは

 恋愛だけじゃないから」

 

全く意に介した様子はない

 

イヤイヤ、俺は恋愛成就を願って ・・・

想いを口にしようとして貴方を見ると

 

「月が凄く綺麗だよ」

 

そう言って空を見上げた

その横顔が月の光に照らされて

凄く綺麗で言葉を失った ・・・

 

「ん?どうかした?」

 

「いえ ・・・ なにも ・・・

 本当に綺麗ですね ・・・ 満月でしょうか?」

見上げた空に浮かぶ丸い月

 

「満月ではないかな ・・・  

 ただ、これだけ明るいと星が綺麗に見えるのかな?」

 

「それは大丈夫じゃないでしょうか

 だけど、ここまで晴れるのも珍しい雲一つないです」

 

こんなふうに月を眺めた事って

今迄に有ったのかな?

 

「月の光は愛しい人の居場所を照らし

 暗闇でもその場所を教えてくれる」

貴方が小さな声で呟いた

 

「先生?」

 

「ふふ ・・・ 何かの本で読んだのかな? ・・・

 昔は ・・・ 月の光はもっと輝いていたのかも知れないな」

 

どこか遠くに想いを馳せているような

ちょっと切なげな顔にドキッとした

 

「先生、ロマンチストですね」

 

「ええ?欠片もないけど(笑)

 この神社を選んだ、櫻井先生の方がロマンチストだと思うな

 願い叶うといいな ・・・

 腹減っただろ?飯食いに行こうか?」

 

そう言ってニッコリ笑う

 

「そうかな ・・・」

 

「そうだよ(笑)

 腹減ってないなの?」

 

「さっきから腹が鳴ってペコペコです」

 

「じゃあ美味い物食べに行こう

 帰る頃には星が綺麗に見えると思うから」

 

どうして此処に連れて来てくれたんだろう ・・・

聞いたらダメかな ・・・ 

 

「聞いても良いですか?」

 

「どうぞ」

 

「あの ・・・ あのですね ・・・

 どうして ・・・ その ・・・ 」

 

「ふふ ・・・ 櫻井先生が来たそうだったから

 さっきもそう言ったけど ・・・

 叶えたい願い事があるんでしょ?

 俺も有るから丁度良かった」

 

貴方の叶えたい夢って何だろう ・・・

まさか ・・・ 違うよな ・・・

俺と同じな訳がない ・・・

そうだよ ・・・ そこまで意味があるとも思えない

 

それでも一緒に居られた

それだけで満足 ・・・

 

「大野先生の願い叶うといいですね」

 

「ふふ ・・・ もう半分は叶ってるけどね ・・・ 

 なんせ鈍いから(笑)」

 

「鈍い? ・・・ 何がですか?」

 

貴方は可笑しそうに声を立てて笑う

 

「アハハ ・・・ 何でもない ・・・ 

 ここから少し歩いたところに

 美味しい魚を出す居酒屋があるんだ

 そこにしよう、君が好きな貝もあるはずだよ」

 

俺の好物、覚えててくれたんだ

それだけで何だか嬉しい

 

「じゃあ ・・・ 行きましょう」

 

「ホントに ・・・ 君という人は ・・・ ふふ ・・・

 まあいいか ・・・ もう掴まえた ・・・ 」

 

聞こえないくらい小さな声で何か呟いた

 

 

「あれが天の川じゃないですか?」

 

 

 

「ホントだ ・・・ 綺麗に見えたね」

 

「七夕伝説 ・・・ 織姫と彦星は再会したんですよね」

 

「やっぱり、君の方がロマンチストだ」

 

「来年も ・・・」

 

その先が続かない ・・・やっぱりヘタレだ ・・・

 

「その次もな ・・・」

 

「え?」

 

貴方は黙ったまま笑って歩き始めた

 

 

 

 

 

想いは伝わらなくても

七夕の日に二人で過ごせた

それだけで胸がいっぱいなんだ

 

 

 

<続きます>