Carry on 18 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

君がこの世界に来て季節は2巡した

少年の面影を残していた君も
すっかり大人の顔つきに変わって
見目麗しい青年に成長した
俺より小さかった君は、今は俺を見下ろしている
そんな君が眩しくて
時間を止めて、この世界に鍵を掛けて
永遠に二人でいたいと願ってしまう

それが出来ないことを知っているのに

「ショー、話があるから
庭を散歩しない」

本を読んでいた君が
少し訝しげな顔をして顔をあげた 

「良いけど…何の話?」

勘のいい君は、既に気がついてる

「桜の花が綺麗に咲いたよ、見に行こう」

君の家の横に有った桜の木
枯れそうになってたから、貰ってきた

回廊を歩きながら
君が来たばかりの事を思い出して
泣きそうになった ・・・ 始まりが有れば終わりは来る

 

孤独だった俺に、温もりを教えてくれたのは君

可愛くて、愛しいという感情を教えてくれたのも君
その思い出だけで生きていける

 

「桜が綺麗だね …
サトシが僕の為に、この庭に四季を用意してくれた
本当は木も花も枯れない世界でしょ?」

「ここはどちらにも属さない
 だから、望む方に変わる
 ショーが地上に帰っても、戸惑わないように…」

 
この世界は ・・・ 俺だけのものなんだよ ・・・


「サトシ…僕は帰りたくない
 ここで二人で暮らしたい」

「ダメだよ、ここは幻想の世界
 君は君の場所に帰らないと行けない
 あの街が今どうなってるか知っているだろ?」

あの街は『忘れられた街』と呼ばれるようになった
神から忘れられた地 ・・・
大きな神殿の建設はとん挫した
枯れ果てた庭を見た住民は、忌み嫌って街を捨てた

唯一残ったのは身寄りのない子どもたち

大きい子が小さい子の面倒を見ながら暮らしてた


半年後、彼がマサキと二人であの街に戻り

子供たちの面倒を見ながら
神の庭があった場所に、小さな教会を作り始めた


「彼は、君が戻ってくると
 信じているんだよ」

毎日、君の無事を祈り続けてる

「サトシを置いて帰れない ・・・

 独りぼっちにしたくない ・・・

 僕がいないと淋しいでしょ?

 カズ ・・・ 僕の事は忘れて ・・・」
泣きそうな顔で、小さく呟いた

 

この場所は戦もない穏やかな世界だけど

現実じゃない、タイムオーバーだよ 


「俺は大丈夫だよ ・・・ ずっと一人で生きてきたんだ

 その心配はしなくて良い ・・・ 

 それより、あの場所に住む幼い子らを守り

 導いてあげて欲しい、その勉強は出来たはず

 地上を穏やかな世界に変えるのが君の使命

 俺が歪めてしまった君の人生を元に戻す 

 ショー ・・・ 地上に帰るんだ」

 

ショーは頭を何度も振って

 

「帰りたくない ・・・ 僕はここにいる ・・・

 サトシの 意地悪 ・・・・ 何で分かってくれないの? 

 だったら、どうして僕を連れてきたの?

 あのまま、放って置いてくれたらよかったのに」

 

泪を浮かべたながら

納得できないって顔で怒鳴って

泣きながら建物の中に走って行った

 


 

泉の水鏡を閉じて置かなかった俺の落ち度

それが原因で無関係な君を巻き込んだ

だから、命の火を消すわけにいかなかった

 

 

そうじゃないな ・・・ 

俺が君を愛してしまったから

耐えられなかった

 

 

俺のエゴなんだ

 

 

 

 

<続きます>