TRUE LOVE 58 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

通し稽古が終わって外に出て夜空を見上げる

薄暗闇に鈍い光を放つ星 ・・・ 本来の輝きがないのは

オイラの心と一緒で曇り空だからかな ・・・ 

いつもなら走って帰るけど、駆けだす一歩が出ないんだ

10日もしたら、イギリスに出発する翔君

 一緒に居られる時間はほんの少しなのに ・・・

オイラ ・・・ どうしたらいいのかな

大きくため息をついて、重い足取りで歩き始める



公園を突っ切って帰る方が早いのに

遠回りの道を選んだ、だってどんな顔で帰ればいいか分からなくて


「智君」

不意に後ろから呼び止められた

振り向かなくても分かる、オイラの一番大事な人の声だもん

それでも振り向けなくて ・・・ 

必死に笑顔を作って一呼吸おいてから振り向いた


「翔君、お帰りなさい」

って、答えると


「ただいま、今日は早かったね?」

って優しく笑うけど ・・・ 辛そうな顔してる ・・・


「うん、なんでか知らないけど

 通し稽古を一度したら、早く帰って休めって ・・・

 寝不足だとケガするって ・・・ ちゃんと寝てるのにね」


「智君」

翔君はもの凄く切なそうな顔してギュッと抱きしめて


「俺が暴走して ・・・ 智君を困らせたね

 帰って、ゆっくり話そう ・・・ 

 二人の事なのに、二人で考える事を忘れてたんだ

 その前に夕飯、 お弁当買って来たから」


って、ニッコリ笑ってビニール袋を持ち上げた


「もしかして、待ってたの?」

って訊ねると、何も言わないで曖昧に笑って

オイラの手を繋いで歩き始めた



まだ考えが纏まらない ・・・ 

一緒に居たいけど ・・・ 結婚できないよ



黙ったまま、公園を突きって部屋に戻った

翔君は先にお風呂に入る様にって言ってくれて

シャワーを浴びて戻ると、温められたお弁当と温かいお茶が用意されてた



「翔君も入って来て、オイラ卵スープ作るよ」

って言うと、オイラに腕を引っ張って椅子に座らせて


「智君スープは作らなくていいよ

 それから、シャワーは後で入るから大丈夫

 先にご飯食べよう」

って、言い聞かせるようにゆっくりと話してくれる


オイラ何も言えなくて黙って頷いた

翔君は一生懸命笑って


「たくさん食べようね」

って、翔君のおかずまでオイラの弁当の上に置いてくれる


「そんなに食べられないよ」

って答えると


「ダメダメ ・・・ 一緒に食べれば美味しいって言ったのは智君だよ」

ってちょっと怖い顔する


それでも ・・・ 半分しか食べれなくて ・・・

翔君はそんなオイラに気を使ってか

その事には触れずに、全部片付けてくれた



「翔君 ・・・ 話しって ・・・ 待て欲しいって言ったよね」

って小さい声で呟くと


「返事を聞きたいんじゃないんだ」

って、凄く真面目な顔でオイラの瞳をじっと見つめた


「返事じゃないって ・・・ どういう事? ・・・ 

 オイラ ・・・ キャパオーバー ・・・ 聞いても分からないかもしんない」

出来れば、このまま眠りたい ・・・ なんにも考えないで ・・・



「智君、昨日俺のお袋との話聞いてたよね ・・・

 ごめん隠してて ・・・ 智君が一番胸を痛めてるのってお袋の事でしょ?

 正式に結婚したいから、お袋に話した

 同性婚を認めて欲しいって言って来たんだ

 昨日、見てた通り反対されたけど」


「そう ・・・ やっぱり ・・・ お母さんだったんだね ・・・

 勘当してくれって ・・・ 聞こえたから ・・・

 最初意味が分からなかった ・・・ 何があったんだろうって 

 結婚して欲しいって言われて、やっと ・・・ その意味が分かった 

 ・・・ 翔君、反対されて当然だと思う ・・・ 

 オイラの為でしょ、オイラ家族が居ないから ・・・

 だから ・・・ 急いだの ・・・」

 

そう訊ねると、凄く困った顔して


「それも一理ある ・・・ ごめん ・・・ 俺が ・・・ 不安なんだ

 智君が頼れる場所、家族を作ってあげたいって

 その気持ちに嘘はない ・・・ それもあるけど ・・・ ほんとは怖いんだ

 正式に結婚した証さえあれば安心出来るって ・・・


 この前智君言ったよね

 嫌いになったら言ってね、その時はちゃんと別れるからって ・・・

 逆だったら ・・・ 俺は別れられない

 向うに言ってる間に貴方が心変わりしたら

 それを考えただけで不安で ・・・ だから証が欲しかった

 正式な結婚が不安を払拭してくれるって ・・・ 

 ごめん先走った ・・・ 

 二人の事なのに、貴方と話す前に親に報告したんだ

 矛盾してるよね、2人だけの式って言いながら ・・・」


って、辛そうに話す翔君が愛しくて

思わず立ち上がって、座ってる翔君を抱きしめた


「心変わりするわけないよ ・・・ 翔君が全てなのに ・・・

 信用できない? 」


そう訊ねると、オイラの腕の中で頭を振る


翔君はオイラを膝の上に向き合う様に座らせて

オイラの頬を両手で包み込んで

瞳をじっと見つめながら


「智君、それでも昨日言った事は本気だよ

 俺は堂々と貴方と結婚したい ・・・

 だから、どんなに時間が掛かっても親を説得するつもりだよ

 今すぐにって訳にはいかない ・・・ けど絶対諦めないから ・・・

 貴方がその事で負担に思わなくていい

 後にも先にも結婚したい人は貴方だけなんだ ・・・ 

 だから、許さないよ ・・・ 俺の為に身を引くなんて考えだけは 

 もしそんなことされたら、俺は生きていけないから ・・・」


翔君 ・・・ オイラね ・・・ その言葉だけで生きていけるよ


「オイラ ・・・ 大切な物って何もなかった ・・・

 大切な物が出来たら、それを失うのが怖くなる

 だから、何も持たない方が良いって思ってた


 翔君と出逢って、想いが繋がって一緒に暮らし始めて

 毎日がキラキラして、気が付いたら大切な物でいっぱいになって

 翔君が、二人で過ごすこの時間が、何よりも大切になった

 

 考えたよ、翔君の重荷になるくらいなら ・・・ 諦めようって ・・・

 でもね ・・・ 出来ないんだ ・・・ 別れてあげられない ・・・

 オイラには翔君しかいないから ・・・ 堂々巡りなんだ ・・・

 傍に居たいって ・・・ けど邪魔だけはしたくない ・・・」


どうしよう上手く伝えられない ・・・ 

翔君は、オイラの頬を優しく撫で乍ら


「泣かないで ・・・ 俺が守るから ・・・

 誰からも文句言わせない ・・・ 俺の隣にいてくれるだけで良い

 親が認めてくれたら式をあげよう

 その前に、智君の田舎にお墓参りに行かないとね

 ちゃんとお願いするから、智君をくださいって」


我慢してたのに、泪がボロボロと零れてきた

オイラ、幸せになってもいいんだよね


「 ・・・ 爺ちゃんに、婆ちゃんに ・・・ 翔君を紹介するよ

 翔君のご家族にもちゃんと挨拶に行く ・・・」


翔君はオイラをギュッと抱きしめ乍ら


「家の親の事は俺に任せて

 時期を見て一緒に会いに行って欲しい

 だから今は、何も考えないで舞台の事だけを考えて

 初日には、大きな花束持って行くから ・・・

 一番大事な時に困らせてごめん ・・・ 俺の事許してくれる?」


ただただ頷いて、翔君の胸に顔を埋めた

翔君は耳元で


「指輪 ・・・ 受け取って欲しい ・・・

 今日ね指輪を通すネックレスを買って来たんだ

 式を挙げるまではネックレスに通して付けて欲しい

 その日が来るまで ・・・ お互いの胸元で ・・・ 」


そう囁いて柔らかい唇がオイラの唇を塞いで

甘いkissをしてくれた



それから、徐に立ち上がって

指輪を通したネックレスを首に着けてくれた


昨日手に取れなかった

煌めいてた指輪がオイラの胸元に


その指輪は表側が銀色で内側が青色

少し変わった円で内側に刻印が入ってた


S&S TRUE LOVE



「翔君 ・・・ オイラ ・・・ こんなに幸せで良いのかな

 ごめんね ・・・ きちんと話を聞かないで ・・・

 悲しい思いさせて ・・・」



「貴方の幸せが俺の幸せなんだよ

 二人で紡いでいくんでしょ ・・・ 支えて支え合って ・・・

 一緒に歩いてくれますか?」

って、翔君の眼にも泪が ・・・ 


泣いてるけど笑ってる ・・・ 

そうだね ・・・ 嬉しい時も泪は出るんだ



「・・・ 泣き虫だけど ・・・ 傍に居させて ・・・

 お願いします」


式なんて挙げなくて良い

今は認めて貰えないとしても

何時か ・・・ 二人の事認めて貰えるまで一緒に頑張ればいい



翔君はオイラを抱き上げて

ベッドまで連れて行って


「疲れたでしょ、今日はゆっくり休んで

 お風呂に入ってくるね」


そう言って、オイラに優しいkissをくれた

  




<続きます>

 


 



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


こんにちは

昨日は大変失礼いたしました

沢山の温かいコメントやメッセ下さり

本当にありがとうございました



ヘタレなおばちゃんの愚痴を聞いてくださって

感謝の一言に尽きます

ありがとうございます

コメントのお返事はゆっくりですが

必ずおかえししますのでお許しください