A Sweet Moment 74 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

すぐには帰れない ・・・ それでも出来るだけ早く帰りたい

手帳をみてスケジュールと睨めっこ ・・・

クリスマス休暇を前倒しにして ・・・ 航空券の手配しなきゃ

最速で、向うのクリスマスイブには着けそう ・・・

意味不明な声が聞こえたらしく

隣の部屋にいる町田がドアをノックする


「大野 開けるぞ」

そう言いながら、ドアが開けて部屋に入って来て



「う~ とか あ~ とか なに?

 さっきも変な事言いに来るから ・・・ どうしたの?」

そう言って、俺の顔を見て


「泣いてたの?」

って、今度は心配そうな顔をする


隠したって無駄 ・・・ ここは素直に言う


「町田 ・・・ 彼奴から連絡があったんだ ・・・

 いま、ちょっとだけ話した ・・・ 折り返し連絡が来るんだ ・・・

 だから落ち着かなくて ・・・ 俺、日本に行ってくる ・・・

 彼奴 ・・・ 泣いてるから ・・・ 逢いに行ってくる ・・・

 チケットの手配,頼んでいい?・・ クリスマスイブに着きたい

 だってほら ・・・ 俺、手が離せないから ・・・ 」

そう言って、携帯を見せると


やれやれって顔をして


「もう一個携帯持ってんだろ、それで手配しろ ・・・

 彼奴って ・・・ 櫻井君? ・・・ マジで ・・・

 そりゃ泣くわな ・・・ で、なんて言って来たの?」


「逢いたいって ・・・ 逢いに来るって」

その言葉を口にして、また涙が出てきた



「また、豪快に泣くね ・・・ 仕方ないか ・・・ ずっと待ってたんだもんな

 逢いに来るって言ってるんだったら待ってればいいんじゃないの

 それに、1月の下旬は日本だろ?」


日本での仕事は来年早々に始まる

だけどそれまで待てない


「だって泣いてるから ・・・ それに ・・・ 

 俺と違って学生だから ・・・ 俺が逢いに行かないと ・・・」


そう伝えると、苦笑いしながら


「彼の事になると ・・・ 昔から見境ないんだから ・・・

 そんだけ好きなら本望だろ ・・・ 分かったよ  

 24日に着きたいって事は23日の午前中に飛ばないとダメだな

 お前の携帯 ・・・ いつも使ってる奴貸して ・・・

 で、どうすんの帰りのチケットは?年明けすぐに戻って来るんだよな」

って、俺の顔を窺うように見つめる


「ああ、帰りのチケットも取ってくれる」


って、答えると


ちょっと茶化すように

「おっ ・・・ 大人になりましたね 

 まあ、当然と言えば当然、仕事は大事だからな

 穴は開けられない ・・・ って聞いてやしない ・・・」

って、苦笑いしてる



聞いてるよ ・・・ ただ気が気じゃないだけ

いつ電話が鳴るか ・・・ そう思ってると翔君からのコール音


「じゃあ手配する、ごゆっくり」

って、俺の背中を叩いて部屋を出て行った



携帯から聞こえてくる翔君の声は少し掠れてた

ずっと ・・・ ずっと ・・・ その声を求めて ・・・

逢えないなら声だけでも ・・・ どれだけ願ったか知れない



学祭で翔君が見せたパフォーマンス

辛くて、淋しくて、くじけそうになった時観てた

もうすっかり大人になってるのにね 



先を歩く君をずっと追いかけてる俺 

やっとその時間に追いつける 



タイムカプセル ・・・ 見つけてくれてありがとう ・・・

俺を忘れないでいてくれて ・・・ 俺を選んでくれて ・・・ 

それだけで嬉しくて ・・・ 俺 ・・・ 翔君じゃなきゃ ・・・ 駄目なんだ 



電話を切った後、耳に残る君の声が俺を包み込んで

離れていた時間を少しずつ埋めてくれるような気がした



町田が部屋に戻って来て


「チケット取れたぞ、23日朝の便 ・・・ 向うには24日の午後に着く

 それから ・・・ 24、25 分かんなかったから二日間だけホテル取った

 後は実家に泊まれ、帰りは2日の夜の便だから

 結構長い休暇になるから、体動かすことだけは忘れんな

 やっと動き出すな ・・・ 思いの丈をぶつけて来い」


そう言って、笑いながら俺の携帯を投げてよこした



ホテルまで取ったの? ・・・ もし振られたらどうすんだ

って、喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ



今度こそ離さない ・・・ もう誰にも触れさせないつもりだから



「町田君、荷造り手伝ってくんない?」

って、甘えた声で伝えると



「甘えんな、自分でしろ」

って、可笑しそうに笑って部屋を出て行った




君に恋人がいた事、気にしていないよ

その人が君を支えてくれていた

俺に町田がいたように

(俺の場合は恋人じゃない親友だけどね)



君が歩いた3年半、俺が歩いた3年半

離れていた時間にも意味があるから

新しい1歩を ・・・ 君と歩き出すために ・・・ 逢いに行くよ










<続きます>