A Sweet Moment 58 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

店に入った時の君の瞳が切なげに揺れてた

俺の顔を見て ・・・ ようやくホッとした表情をして笑った


何がそんなに不安にさせてる

俺は君の隣にいるのに ・・・

 


「どうしたのか教えて?」

翔君を抱きしめて囁くと


「ごめん ・・・ 何でもないんだ ・・・」

って、俺の背中に廻した手に力を込めた



廻した手を解いて、翔君の手を両手で握り締めて



「少し話そう

 何がそんなに不安なの?

 マスターが『お前海外に行くのか』って

 いきなり電話で言われて吃驚したんだ

 誰がそんなこと言ってたの?」


まさか町田が ・・・ イヤ、彼奴は言わない 

来年の春までに考えて返事しろって言って

NYに戻っていったんだから


「 ・・・・ 大学を辞めるんじゃないかって ・・・ 聞かれたから

 俺 ・・・ 何にも知らないし ・・・ 答えられなくて ・・・

 ダンスの道に進むの? ・・・ 離れ離れになるの? ・・・」


勇気振り絞って、ポツリポツリと言葉が零れて

縋るように見つめる眼差し 


安心させなきゃ ・・・ 



「この手みて?

 絵の具落とすのも忘れて、飛び出して来たんだ

 ダンスは好きだよ ・・・ 1度は夢見たから ・・ 

 でも、片手間で出来ることじゃないでしょ


 大学に戻った時点で、俺は絵の道を選んだ ・・・

 正直この先、1年、2年後 どう変わるかは自分でも分からない

 でも、今は出来るだけの事をしようって思ってる

 投げ出すことは嫌いなんだ ・・・

 それに、そんな大事な事を翔君に隠すつもりは無いよ ・・・ 信じられない?」



泣き出しそうな顔を両手で挟んで

その瞳をじっと見つめる ・・・ 


ずっと一緒に居たい

その事に嘘はないから ・・・ 信じて ・・・


翔君は視線を逸らして


「俺、大野さんの重荷になってない?

 貴方の夢をあきらめさせてない?」

って小さい声で呟いた



俺の夢 ・・・ 俺の夢はどっちなんだろう ・・・

ううん ・・・ 分かってる ・・・ 俺はダンスの道に進みたい ・・・

春になったら、もう一度NYに行きたいって思ってる

その準備も始めてる ・・・ 



翔君の大学受験が終わったら話そうって

それまでは ・・・ 話すつもりは無い ・・・



待ってて欲しいって伝えたら君は待っててくれるだろうか?

泣かせてしまうのは重々承知してる ・・・ それでも俺の夢だから ・・・



「重荷? ・・ なってる訳ないでしょ

 翔君がいるから、頑張れるのに


 それから ・・・ 俺の夢は俺のだよ ・・・ 

 誰かが諦めさせるなんて出来ない

 翔君の夢も同じでしょ ・・・ 

 俺は翔君の夢を叶える為なら全力で応援するよ


 いつか二人の夢が持てるようになればいいって思ってる」



「何処にもいかない? ・・・ 傍にいてくれるんだよね」


探るように見つめる瞳 ・・・ 見透かされないように

ちょっとお道化た声で


「この手を見ても信じられないんだ

 翔君って疑り深いんだね」

って、拗ねた顔して見つめると


「ごめん ・・・ だって ・・・ 不安だったんだ ・・・

 俺、離れたくないから ・・・ 傍にいて欲しいから ・・・

 会えなかった日々を思い出したら ・・・ もうどうしていいか分かんなくて

 でも、 嬉しかった ・・・ そんな手で飛んできてくれて ・・・ ありがとう」


そう言って、俺に抱き付いて


「大好きなんだ」

って小さい声で呟いた



「知ってる ・・・ 俺も同じ ・・・ 大好きだよ

 kissしてくれる」

って、耳元で囁くと



体がビクッと跳ねて ・・・ ほんのり頬が紅く染まって

柔らかい唇が俺の唇を塞いだ



甘くて ・・・ 深い口づけを ・・・

舌と舌を絡めて ・・・ お互いの想いを伝える ・・・

大好きだよ ・・・ 



体を重ねれば安心するの?

布越しから伝わる想いは ・・・ それを望んでるの? 



何度夢見ただろう ・・・ その白い肌に紅い印を付けることを ・・・

君と深く繋がることを ・・・



まだ駄目なんだ ・・・ まだ ・・・

分かってる ・・・ 

離れられなくなるから ・・・




「翔 ・・・ 傍にいるよ ・・・」


そう伝えると、やっと安心した顔をして

廻した腕で俺の事をギュッと抱きしめた



「そろそろマスターが来る ・・・送っていくから

 ・・・ もう大丈夫?」

そう訊ねると


「うん ・・・ もう大丈夫 ・・・ 疑ってごめん ・・・

 マスターに情けないところ見せちゃった ・・・ 謝らないと」

って、恥ずかしそうに呟いた




もしかしたら ・・・ 

俺が翔君を弱くしてるのかも知れない

重荷になってるのは俺の方なのかもしれない ・・・




それでも ・・・ まだ一緒に居たい ・・・








 

<続きます>