A Sweet Moment 56 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

自分の事に精一杯で貴方の変化に気が付かなかった ・・・


夏も終わり学祭まであと少し

大野さんの大学も始まった


大野さんの親友 町田君を紹介してくれたのは

彼がNYに戻る前日だった


大野さんは俺の一番大切な人って言って俺の事を紹介してくれた


町田君は知ってたって笑ってた


「こいつが好きな相手くらいわかる

 まさか日本に帰るとは思わなかったけど」

って、苦笑いして大野さんを見てた


「余計な事はしゃべるな」

って大野さんは町田君に釘を刺してた



別れ際、町田君が俺に


「大学受験頑張って、吉報を待ってるから

 それと ・・・ 大野の事頼んだから ・・・

 彼奴 ・・・ 溜めこむ奴だから ・・・」


そう言って、連絡先を教えてくれた

大野には内緒だって言って



それがどういう意味なのか ・・・ 俺は深く考えなかった

大野さんはずっと優しくて、俺はそれに甘えてたから



『カンテラ』に行けば、そこに居てくれた

バイトがない日は迎えに来てくれてたし

ダンスの練習の時も同じ ・・・



学祭前のある日

4人で合わせてる時、松本が俺に聞いた


「大野さん、大学どうするのかな?

 先輩聞いてない」


寝耳に水だった ・・・ 大学をどうするって


「大学には復学したはずだよ

 絵を描いてるって ・・・ 違うの?」


この前、画材を買うのに付き合ったくらいだから

そんな事言えるわけもなく、松本を見ると


「そうなんだ ・・・ ダンスに専念するのかなって思ってたから」

って、真面目な顔で俺を見つめるから


ドキッとした ・・・ その言葉で動揺してる俺がいる ・・・

意味ありげな顔 ・・・ 俺の知らない事を知ってる?



「潤君 ・・・ 変な事言うんですね ・・・

 櫻井さんが一番大野さんの事知ってるんじゃないのかな

 カンテラで勉強してますよね」

って、二宮君が俺の顔を見て確認する


「何も聞いてない ・・・ 元々NY留学も9月までの予定だったって聞いてたから

 大学に戻る前提のダンス留学だったはずだし ・・・ 」


落ち着いて ・・・ 動揺を隠さないと ・・・



「潤くんは何でそう思ったの?」

って雅紀が訊ねる


「スクールの先生がダンスの道に進ませたいって言ってたから

 勿体ないって、あれだけ踊れるんだからって ・・・

 どっちにするのかな?って思っただけで他意はないないです」

って答えた



直接、大野さんから聞いた事じゃなかったんだ

それを聞いてほっとした


隠し事はしないって約束してるんだ

一瞬でも疑った俺が恥ずかしくなって俯いたら

 


二宮君が俺の隣に来て小さい声で


「先輩、顔が強張ってました ・・・ 動揺しすぎです」

って、呟いた



仕方ないだろ ・・・ 俺にとって大野さんは特別だから



「俺達には分かんない事聞いても、翔ちゃんも困るよね

 潤君ダンスの道に進みたいんだって

 だから気になるんだよね、 直接聞けばいいじゃん

 大ちゃんそんなに怖くないよ」


って、俺の松本を交互に見ながら雅紀が云う



だから、大野さんは松本を町田君に会わせたんだ

確か個人的な相談って ・・・ その事だったんだ

って、今更納得してる俺



「俺達は俺達のすべきことしません

 時間もないし、櫻井先輩はこの後予備校ですよね」

って、二宮君が話を打ち切った


「そうだな、頑張ってきたことをお披露目する日が近いんだ

 今は他の事は考えないようにしないと」



「当日は大ちゃんも来てくれるって

 時間もないから、練習、練習」

って、雅紀が立ちあがって松本の顔を見た





ちょっとだけ ・・・ 心の片隅に芽生えた不安

もしかして俺に気を遣って言えないんじゃないかって ・・・





その小さな不安を拭って欲しくて ・・・

今すぐあの笑顔が見たいって ・・・





今日は迎えに来てほしいって ・・・ 

俺はどんどん我儘になっていく ・・・






<続きます>