Ray of hope 165 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ここはどこ? ・・・ 




閑で ・・・ 真っ暗 ・・・ 




ああ ・・・ 玉座の中 ・・・ 




俺の願い聞いてくれた?

みんなを結界の外に運んでくれたよね



それから、最後に粋なプレゼント ・・・


翔君が近くにいて、俺の名前を呼んでた

幻だって分かってても嬉しかった ・・・ 

 

俺はここで漂いながら、君たちの夢を見よう

愛しい、愛しい君の夢を ・・・






「智 ・・・ 寝ちゃダメだよ ・・・」

誰かが遠くの方で叫んでる ・・・

 


どうして寝ちゃダメなの?

  


凄く眠いんだ ・・・ 疲れ果てて ・・・ もう起き上がる事も出来ない

瞼すら開くのが億劫なのに ・・・



それでもなお、叫び続ける声


「智、起きなきゃ ・・・ 頑張って瞼を開けて」



誰?ここには誰もいないのに ・・・

重たい瞼を開いて、声のする方を見る



・・・ うすっら人影が浮かび上がった ・・・



目を凝らして見つめると、それは俺の愛した

翔之介と翔太郎 ・・・ 俺は思わず笑顔になった


それなのに ・・・ 二人とも怖い顔して見てる



「迎えに来てくれたの?なら、何でもっと近くまで来てくれないの

 それに、笑って ・・・」


そう声を掛けると



翔之介が悲しそうに首を横に振って


「ここは智の来る場所じゃないよ」

って呟く



「違う? ・・・ 俺 ・・・ 間違っていないよ ・・・ 翔太郎、そうでしょ?」

そう訊ねると



翔太郎は、凄く怖い顔をして、やっぱり頭を左右に振る

そして、俺の後ろを指さすから


振り向いたら、真っ暗な空間に1か所だけ光の点が見える



「あの遠くの光がどうしたの?

 それより、そっちへ行って良い?」


頑張って起き上がるから、二人で俺を支えてよ ・・・



二人は止める様な手の動きをして


「智、振り向いて光に向かって歩くんだ」

翔太郎が叫ぶ


「こっちじゃない ・・・ 俺達は智が来ても嬉しくない」

って、翔之介がきっぱりとした口調で呟く

  


・・・ そんな悲しい事言わないで ・・・


「嫌だ!二人の所に行きたい ・・・ 一人になりたくない ・・・」

って、泣きながら叫んだ




それを聞いて翔太郎が、泣きそうな顔をして


「智、俺達は智を愛してるよ ・・・ 俺達のかけがえのない存在だよ 

 だから、こっちに来ちゃいけない ・・・

 俺達の願いを聞いて ・・・ 」


「大丈夫、一人になんかならないから ・・・ 俺達を信じて

 あの光に向かって歩くんだ」

翔太郎まで泣きそうな顔をしてる



「智、頑張って立ち上がって

 ゆっくりで良いから、あの光に向かって ・・・ 歩き出して」



だってもう、翔には会えない ・・・


 

「疲れたんだ ・・・ 置いて行かれるのも ・・・ 待ち続けるのも ・・・

それでも二人の所にいちゃダメなの ・・・」


そう訊ねると、二人は大きく頷いて



「智 ・・・ 愛してるよ、だから言う事を聞いて」

って、二人とも泣きながら叫んでる



よろよろと立ち上がり、光りの差す方を指さすと



微笑みを浮かべて

「智、俺達を愛してくれてありがとう ・・・」

そう言って、早く行ってって仕草をする


「・・・ 分かった ・・・ でも、近くまで行って何もなかったら戻ってくるね」

って、伝えると


二人とも苦笑して、頭を振った



後ろを振り返りながら、とぼとぼと歩き進める



どれ位歩いたんだろう ・・・・

振り向いたら二人の姿は見えなくなって ・・・



その代り、光りの方から微かに声が聞こえる






小さな小さな ・・ 誰かが泣いてる声




*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


 

智が戻って10日が過ぎた

一向に意識が戻る気配がない


昼間はお父さんと潤君、そして智の祖父母が傍に付いている

夜は、俺と二宮君、雅紀君が交代で傍に付く


今、二人は俺の為に用意されたベッドで仮眠をとってる


俺は智の手を握りながら話しかける



「智、まだ戻って来れないの? 時間がかかるんだね ・・・


 今日はね、サトシに初めて会った日の事教えてあげる

 俺、一目見ただけで恋してた ・・・ 

 今まで一目惚れって、いまいちよく分かんなかったけど

 この人が運命の人だって ・・・ 男だとか全然気にもならなかった

 どうやったら話せるかって必死だった ・・・


 だって、全然相手にしてくれなかったでしょ ・・・ へこんだよ


 突然いなくなって、帰って来てくれて ・・・ それから1年

 春は桜を、夏は星を、秋は紅葉を、冬は雪と、1年で一番綺麗な星空を

 二人で観に行ったね ・・・ でもね、実はそんなに見てない

 何故なら智の顔ばかり見てた ・・・ 

 毎週、一緒にご飯食べれるのが嬉しくて ・・・

 手を繋いだことって数えるくらいだったね ・・・」


両手でサトシの手を握り締める

少しでも俺の掌から熱が伝わってくれないかって思いながら



愛してるよ ・・・ 

貴方が居なくなっただけで、目の前が真っ暗になったんだ

どれだけ捜してもいなくて ・・・ 生きていけないって思った


こんなに人を愛せるんだって ・・・



「ここに来るのに、沢山の人が力を貸してくれた


 吃驚したのが菅田君、まさか松岡の爺さんだって気が付かなくって

 『居場所がわかったら、智をいの一番に迎えに行く』って言ってた

 

 家の傍の楠も ・・・ それからマザー ・・・ あの森の精霊 ・・・

 みんな力を貸してくれたんだ ・・・ 不甲斐無い俺の事助けてくれた

 マザーが光の道を使わせてくれたんだ、智の為なら特別だって

 みんなが智を愛してるんだよ」


戻ってすぐに智の指に嵌めた指輪はまだ仄かに光を放ってる

それでも色はどんどん蒼い色の戻り始めてる


 きっともうすぐだよね ・・・



「智 ・・・ 戻って来て ・・・ お願いだから

 これから翔と智の恋を始めるんだ ・・・・・・

 

 どれだけでも待つよ ・・・ 智が俺を待っていてくれたように ・・・


 愛してるよ 智 ・・・ 」


薄明かりに浮かび上がる貴方の寝顔を見つめながら

泪が溢れそうになる ・・・



髪を撫でて ・・・ 額に手を置いて ・・・


「智 ・・・ もうすぐ夜が明ける ・・・ 

 ・・・ 俺の名前を呼んでよ ・・・ 翔君って  ・・・」



堪えてた涙が零れだしたら止まらなくて

両手で顔を覆って、声を殺して泣いた ・・・
















・・・・・  くん  ・・・・








・・・・ 何 ・・・ 泣 ・・・ の? ・・・・






聞き取れないくらいの小さな声が訊ねる



「智が起きてくれないんだ」

って小さく答える





・・・ ? ・・・



泪でぐしょ濡れの顔を掌で拭きながら

回りを見回す



智の瞼は閉じたまま 




・・・ 幻聴 ・・・




「智 ・・・ 聞こえる?」

思わず大きな声で尋ねる



その声で、二宮君と雅紀君が目を覚ます



「櫻井さん サトシがどうかしましたか?」

二人とも、慌ててサトシの傍まで駆け寄る



「いや ・・・ 声が聞こえて ・・・ 『何で泣いてるの?』って」




三人でもう一度呼びかける



「智」

「「サトシ」」



握り締めた手に微かな温もり




反対の手を握り締めていた二宮君が


「雅紀、潤君とお父さんを ・・・ 智の手が ・・・ 少しずつ温かくなってる」

その言葉を聞いて、雅紀君が部屋を飛び出していった





俺達は泣きながら呼び続けた






直ぐに3人が部屋に入って来て

全員が智の名前を呼んだ














「 ・・・・・・ くん ・・・・ 泣か ・・・ で ・・・・」




小さいけど ・・・ 智の声が ・・・・ 





思わず抱きしめた ・・・




智の瞼がゆっくり開いて

少しだけ微笑んで



「 ・・・・ とおり ・・・  一人 ・・・ かった ・・・」


って呟いて、智の瞳から涙が零れた



「お帰りなさい ・・・ サトシ」

って、二宮君と雅紀君が泣きながら微笑んだ







<続きます>