Ray of hope 154 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

俺の事を緋のエルフと呼んだのはサトシだった

「翔、皆が俺を蒼のエルフって呼ぶんだ
特別なエルフだとかさ …
何が違う?同じなのに … ただのサトシで良いのに …」
って淋しそうに呟いて
少し考えたあと

「それなら、差し詰め翔は緋のエルフだね
だって俺の特別はショーだけだから
ショーが居てくれれば幸せだよ」
って、照れくさそうに笑ってた

俺たちは、口づけすらかわしていない
手を繋いで抱きしめた事はあっても…

「全てが済んだら、二人だけで暮らそう」
って、いつも言ってた

その約束を破った俺なのに
ずっと愛してくれてた
今度は俺から言うよ、ずっと傍にいて欲しいって



祖母はエルフの国に行く前に
家族水入らずで過ごしなさいと言ってくれた

両親には心の中で感謝したんだ
俺を産んでくれて、育ててくれて
ありがとうって

でもね帰ってくるから、サトシを紹介する為に

部屋の片付けをして家を出る
祖母が庭先で待っていてくれた

「忘れ物はない?公園まで送ります」

そう言って、俺の腕に掴まりながら
歩き始めた


空を見上げれば月は見えない


公園に入った時
微かだけど歌が聞こえてきた

それを合図に光の欠片がキラキラと
大地に降り注ぎ始めた


サトシの歌が大気に溶けて、光となって降り注いで
この世界を浄化していく

それは幻想的で、とても綺麗な光景


一緒に見ていた祖母が慌てた声で

「翔さん、急がないと
こんなに一気に力を放出したらサトシは …」

そう言って、立ち止まり俺の顔を見た

「どう言うことなの?」
って、聞き返すと

「前回、蒼のエルフが結界を掛けた時は、これ程の光は降り注がなかった
私は既にこの世界にいたから … 光は少しずつ
長い期間続いたの …
お願い、サトシを助けられるのは翔さんだけ
あんなに優しい子を一人にしてはダメ …」

そう言って、俺の背中を押した

「祖母ちゃん、行ってくる
必ず二人で戻ってくるから」

祖母ちゃんは涙ぐみながら

「気を付けて、待ってるから
必ず二人で帰って来て」

そう言って、泣きながら
両手を合わせて握りしめてた



俺は楠まで、全速力で走った

楠の前で眼を閉じようとしたら

「どこに行くつもりだね」
って、楠が話掛けてきた

「サトシの … 蒼のエルフのいる場所まで」


「君は人じゃないのかな?人なら通る事は出来ない」
って冷たい声が返ってきた

「俺はエルフ、緋のエルフなんだ
サトシは今一人で … 助けないと失ってしまう
この世界を救うために、一人で …
2度と会えない … 俺が行かないと … 」

泪が込み上げてくる、失くしたくない
必死に叫ぶ

「やっと思い出しよった
サトシがどれだけ待っていたか
その願い叶えてやりたいが、
今の君ではエルフの国に跳ぶことはできない」


「どうして?貴方だって分かってるだろう
サトシが何をしてるのか…
失っても平気なのか …」

怒りが込み上げてきて、大声で怒鳴ってた

楠は少しだけ声を荒げて
俺を嗜めて、ゆっくり話始める

「落ち着いて、最後まで話を聞きなさい
私達はサトシの事が大好きだから
誰もそんな事望んではいない

君は人として暮らした期間が長い、跳ぶ力が足らないんだ
例え、エルフの国に行けてもサトシの近くに行けるとは限らない
今から、確実に跳べる場所に送ってやるから
そこの主の力を借りなさい
その人はサトシをよく知っているから」


「そんな悠長な事を、時間がないんだ」
焦る俺とは正反対に
冷静な声が返ってくる


「慌てんでいい、蒼のエルフの力でも
そんなに簡単にすむとは思えない
この世界は、それほどまでに悪化しておる
まだ始まったばかり
彼女の所に寄って、サトシを助ける力を貰いなさい
必ずサトシの近くに運んでくれるから」

「すみませんでした … 後先考えずに
怒鳴ってしまって、ありがとうございます
その方の所に運んで下さい
お願いします」
そう言って頭を下げると

「彼女だって思ってる
君がサトシを救う希望の光だと
サトシの事頼んだよ、じゃあ眼を閉じて」

そう言うと同時に
楠が光に包まれて
眩しくて眼を閉じた



光の中、運ばれて
眼を開けば森のなか


空を見上げれば、満天の星空が広がっていた




〈続きます〉