Another world 45 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

あの日、アナタのマンションを出て一人車で帰った

 

 

すっかり暮れた街は、クリスマスのイルミネーションで彩られ

歩道には肩を寄せ合いながら歩くカップルが立ち止まって

キラキラした光を、それに負けないくらいキラキラした瞳で見つめてる

 

 

 

クリスマス ・・・ 毎年忙しく過ごすこの時期

仕事で傍に居られる ・・・ それだけで満足だった

仕事が終われば、友達と騒いで ・・・ 欲望の為に繋がって ・・・

愛なんて、馬鹿馬鹿しいって嘯いてた

 

 

 

本物を知ってしまったら、全ては色褪せて

 

 

 

だからこそ  ・・・  望んでしまう ・・・ 

神様がいるのなら ・・・

あの人と二人だけのイブを  

 

 

そう願って、フロントガラスから見える星を見つめた

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

あれから1週間、仕事場であっても忙しくて話すことは出来なくて

 

 

アナタはいつものように笑ってくれる

だけど俺の隣には座ってくれなくて ・・・

 

 

この時期5人の仕事の後、個人の仕事が入ってることが多くて

既にアナタは別の仕事に向かった

 

 

一人、控室の椅子に座ってると雅紀が入ってきた

 

 

 

「どうしたの?翔ちゃん」

そう言って俺の隣に座るマサキ

 

 

「忙しい時期が来たなって、実感してた」

そう答えると

 

 

「翔ちゃん、忙しすぎるから ・・・ 大丈夫?」

って、心配そうに俺の顔を覗き込む

 

 

「そう言う雅紀も忙しいじゃない? ちゃんと食べてるの?」

って見つめ返すと

 

 

 

「さっき、大ちゃんにも同じこと言われた

ちゃんと食べてるから、大丈夫だよ」

そう言って、優しく笑った

 

 

「雅紀、色々ありがとうな ・・・ ちゃんと自分と向き合えた

何が一番大切か分かったから」

 

 

 

「うん、迷いのない顔してる ・・・ 伝えられた?」

 

 

 

「あぁ ・・・ まぁ ・・・ カッコ悪いところひっくるめて全部 ・・・

 待つよ ・・・ たとえどんな答えだったとしても」

 

 

 

「そう ・・・ 伝わってるといいね、翔ちゃんの想い」

 

そう言って、にっこり笑う雅紀

いつもその笑顔に救われる

 

 

 

「翔ちゃん、まだ仕事なの?」

腕時計を見ながら聞いてくるから

 

 

「打合せが入ってる、雅紀予定あるんでしょ

気にしないで帰って良いから」

って笑って答えると

 

 

「ごめんね、ニノと待ち合わせしてるんだ」

そう言って、顔の前で手を合わせる

 

 

「知ってる、さっきカズに誘われたから、行ってあげて待ってるよ」

そう答えると

 

 

「うん、じゃあ行くね」

そう言って席を立つ

 

 

その後姿に

「雅紀 誕生日おめでとう」

って言えば

 

 

満面の笑みで

「ありがとう

 翔ちゃん、ハッピー クリスマス」

 

そう言って、手を振りながら部屋を出て行った

 

 

 

 

早々に仕事を済ませ、家路に着く

 

 

 

マンション近くのコンビニで降ろしてもらって

酒とツマミを買って店を出る

 

 

 

クリスマスイブは二人で ・・・ 叶わなかったな

もうあと2時間しか残っていない

 

 

星が見えない夜空を見上げて

アナタの笑顔を思い出す

 

 

真っ黒な空から、チラチラ雪が落ちて来て

俺の頬に濡らす

 

 

 

輝く星に願いをって ・・・ どこにもないよ星 ・・・  

ホワイトクリスマスか、ロマンチックだけど

 ・・・ ちょっと切ないなぁ ・・・

 

 

 

 

智君、もう家に着いた

ゆっくり休んで 

 

 

マンションの玄関前 

 

 

壁にもたれて、夜空を見上げてる人影

 

 

この寒空なのに ・・・ 誰か待ってる?

 

 

近付けば見慣れた横顔 ・・・

 

何度も眼を擦った ・・・ 出来過ぎてる

だって ・・・ 何も言ってなかった

自分の頬をつねってみたけど ・・・ 痛みは現実で 

大好きなアナタを見間違うわけない

 

 

 

 

思わず駆け寄り

 

 

「智君」

って、呼びかける

 

 

アナタはゆっくりと俺の方を向いて

少しだけ笑って

 

「翔君 ・・・ 行き成りごめん ・・・ この前の返事伝えたくって」

そう言って、俺の瞳をじっと見つめた

 

 

 

 

 

 

どんな返事でも受け止める

 

 

 

 

 

俺はずっとアナタを想い続けるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>