Ray of hope 39 ( 翔太郎編) | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

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大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

こんにちは、昨日は失礼しました

年甲斐もなく申し訳ありませんでした


当選した方、楽しんできてくださいね

同じように残念だった方、二次に望みをつなげましょう

皆さんが笑顔になれるように



では翔太郎編です、お付き合いください











翔太郎が東京に行って1か月が過ぎた

爺さんの屋敷も完成し

明日にも引っ越すようだ

引っ越すといっても、

こっちの家は、そのまま残していくようだけど



爺さん曰く

「たまに帰ってくるから」

だそうだ ・・・

金持ちの考える事はよくわからない



爺さんが、屋敷の完成披露パーティとやらをするから

出席するようにって ・・・・ 面倒くさいから断ったら



「老い先短い爺の頼みを、聞いてくれんのか」

って寂しそうに言うから



「じじい ・・・ そうやって ・・・ ずるいぞ ・・・」

って言うと、舌を出して笑った



爺さんは昔から変わらない、ありのままを生きる

確かにここまで財を築いた人、後ろ暗い事も有るかも知れない

でも、信念は変わらない



「ハル ・・ 人の人生は長いようで短い、

 だからこそ、今を精一杯生きる

 長く生きたいか?と問われれば

 『ハイ』と答えるだろう

 だが、それも天命

 自分ではどうにも出来ない ・・・」


そう言って、俯いて ・・・ 小さな声で



「・・・ 儂は不老不死を生きる勇気はない ・・・ 

 背負う重みが違うからな


 ハルは偉いなぁ ・・・ 儂には出来んことじゃ」


ってポツリと言った




この爺さんには敵わない ・・・

いつも ・・ 本当にいつも、さりげなく俺を気遣って

そして ・・・ 一番欲しい言葉をくれる


込み上げてくる泪を飲み込んで



「分かったよ行くから ・・・ 

 それから、夏、遅くても秋までには引っ越すから

 戸籍を2人分用意してくれ

 名前は考えてあるから」


そう言うと、しわくちゃの顔をよりクシャットさせて嬉しそうに笑た



翔太郎にも会いたい


そろそろ東京の暮らしにも慣れたころだろう

暫くは、家族が一緒に住むって聞いていたから

あえて連絡は取っていない


薬は爺さん経由で渡してる

時折ピルケースに手紙が入ってる



「元気でいます、早く会いたい」って一言


ケースに聞くと、元気に大学に通っているらしいから安心してる



ケースを二つ作ったのは正解だった




俺も会いたいよ ・・・ 会いに行くから待ってて ・・・ 翔太郎






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



松岡さんの屋敷が完成披露パーティがあるから

出席するようにって、父から聞かされた



サトシが来るかもしれないから、二つ返事で答えた

行けば見合い話が出るのは分かってるけど、会いたいから


桜を見た日から会えない日々が続いてる

会いに来てくれるって言ったのに ・・・ 早くあの笑顔で翔太郎って呼ばれたい



当日は昼過ぎには来るように言われた

お披露目は晩餐会のはずなのに ・・・ 見合いの話だろうな ・・・

何とかごまかしたいけど ・・・ 重い足で玄関をくぐる



玄関からして豪華、まるで西洋のお城だ

中に入ると、何やらバタバタしていて

来訪を告げると、広間で待っていて欲しいと言われた


しかしでかい屋敷だな ・・・ 内装も豪華、水洗トイレやシャワールームまであるそうだ

この時代の最高の技術で建てられた屋敷

どれだけ財力があるのかわかる



サトシ来てるかなぁ ・・・ 周りを見渡しながらテラスの椅子に腰掛ける

すると、屋敷に使えてる女性が慌てて傍に来て



「影山様、お願いがあります  ご主人様が影山様がご存じだと

 奥様の薬を取りに行って頂けますか」



「薬ですか・・・お医者様とか?(俺の知り合いに医者はいないけど)

 どちらに行けば宜しいんですか?」



「その階段ホールを地下に降りて、地下道を使ってお医者様の家に」


 指さした先には、確かに地下へ降りる階段



「わかりました、奥様はお悪いんですか?」


って聞くと


「体の丈夫な方ではないので、お疲れがでたのでしょう

 薬も出来ている頃だと思います

 よろしくお願いします」


そう言って、慌てて戻って行った



地下の階段を降り、地下道へ

っていったいどこに繋がってるんだ

地下道にも灯りがともっているので

怖くはないけど ・・・ 誰に逢えばいいだ ・・・

少し行く扉があった ・・・ ここか



扉に向かって声を掛ける




「すみません、誰かいますか」


そう言いながら、扉を叩く



「はい ちょっと待って」

って声が聞こえて、扉が開けられた



開いた扉の前には誰もいなくて

黒い夜会服を着た男性が、部屋に戻ろうとしていた



その後姿が ・・・ あれ ・・・



「 ・・・  サトシ  ・・・ 」って声を掛けると



部屋の中から


「翔太郎でしょ、待ってて急いでいくから」


そう言って部屋から出てきて、部屋の扉に鍵を掛けた



俺の顔を見て、嬉しそうに



「やっぱり翔太郎だ、声で分かった」

って言った、




「どうして、ここは? ・・・」

頭の中が疑問だらけの顔をしていたんだろう


「後で説明する、それより急がないと」


って言って俺の手を繋いで、来た道を戻る

繋いだ手が温かくて ・・・ ぎゅっと握ったら、同じようにぎゅっとしてくれた




戻ると、サトシは奥の私室の方に行ってしまって

中々戻って来なかった




テラスでぼんやりしてると、不意に後ろから目隠しされて



「誰だ?」って言うから




「ふふふっ サトシ  それより、もう大丈夫なの?」って聞くと



「大丈夫、爺さんは心配しすぎなんだよ」

って言って、俺の大好きな優しい瞳で俺を見つめる



「久し振りだね ・・・ 元気だった? ・・・・ 逢いたかった」

って言うと



「俺も、逢いたかったよ ・・・ 元気そうで何よりだ」

って言って、周りを見回してそっと頬に口づけた



色んな事を話したい、気持ちは溢れるばかりで



「爺さんが呼んでる

 話があるみたいだよ

 翔太郎の父上もお見えになっていたから

 早く行った方が良い」

って言われて


「サトシ 帰らないよね

 まだ、何も話せていない」

って、不服そうに言うと



「今日は最後までいるから、待ってるよ」って言って笑った





奥の部屋に行くと、案の定見合い話で

今は勉強に専念したいからって言っても、聞く耳を持たない



俺にはサトシがいるって叫びたいけど

そんな事言ったら、二度とサトシには会わせてもらえない

黙って聞いているしかないのが現状なんだ



いつになったら、一緒に住めるだろうか ・・・

そんな事を考えていると、




「翔太郎はまだ若い

 もう少しゆっくりさせてやれ」


松岡の爺さんに言われ、渋々頷く父


思わぬ展開に吃驚していると



爺さんが傍まで来て


「さっきハルに叱られたんだ

 医者になるって言ってるんだから

 勉学に集中させてやれって

 儂は彼奴には弱いからな ・・・」

そう言って、俺の肩をポンと叩いた





晩餐会後、父と一緒に挨拶に回る

やっと解放されて、サトシを探しても見当たらない




テラスに出ると、椅子に座ってぼんやりと空を見ている



「何見てるの?」って声を掛けると



俺の大好きな、包み込むような笑顔で



「うん ・・・春の夜空って眠そうだなぁって ・・・

 あそこに輝いてる星がスピカ

 月は朧月だね ・・・ 冬の空はきりっとして澄んだ星空

 春はその星空にヴェールを掛け緩めてくれてるみたい

 どっちも好きなんだ」



空を見上げる横顔が綺麗で・・・

ただ、見とれてしまう




「サトシ ・・・ サトシの歌が聞きたい」

って言うと



小さな声で、口ずさんでくれた



サトシの謳う声が俺の不安な心を少しずつ溶かして

そっと触れ合う肩から、サトシの想いが伝わってくる



それだけで嬉しくて、涙が零れそうになるから上を向くと



「どうしたの?」って優しく聞くから



「離れてても繋がってるって思って」



「うん、 いつも一緒だって言っただろ  ・・・」



その言葉が嬉しくて

サトシの言葉が、会えなかった時間を少しづつ埋めていく






「この夏、1ヶ月、もう少しかなドイツに行ってくる」



「勉強の為?」って聞くから



「うん ・・・サトシ、ドイツ語話せたっけ?」



「少しだけなら・・・でも忘れちゃったよ」



「なんだ、教えてもらおうって思ったのに・・・

 夏だから、大丈夫だよ」


そう言うと、ちょっと心配そうに


「行く前に必ず会いに来て、渡したいものあるから

 翔太郎が行く前には、引っ越してくる」




今なんて言ったの、引っ越してくるって言ったよね


「東京に出てきてくれるの、 本当に?」

嬉しくて、思わず手を握っていた



「さっきの家に引っ越してくる

 吃驚させようって思ってたのに

 俺ものんびりしていられないな」

って言って笑った




俺の為に東京まで来てくれる



きっと心配だからだね ・・・ 嬉しいよ ・・・ でもそれ以上に ・・・



・・・ 心が痛いんだ ・・・ こんなに甘えてていいのかなって ・・・





<続きます>






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


翔君の夢に出てきたお話です

書かなくてもいいかな?って思いながら

書いてしまいました


後数話で翔太郎編終わらせますので

お付き合いください




拙いお話にお付き合いくださり

ありがとうございました