チックタック……
時計の音が鳴ってる
僕はここにいるのに
あなたは、気づいてくれないんだ。
寂しいよ
僕だけを見ていてよ…
3日間の出張から帰って来ると
ペットの春ちゃんは、
すっかり真っ暗モードに
なっていました。
「ねーね、ひどいよ![]()
どうしてボクを置いていっちゃったの?(´□`。)」
へ?
出張って言ったよね?
ま・さ・か……
春ちゃんは、3日間私を待ち続け
一歩も外に出ていませんでした。
↑
禁止していた私のベッドで
寝ていたらしく、
シーツも毛布もぐちゃぐちゃ。
作り置きしていたカレーも煮物も平らげ
冷蔵庫の中には
ミルミルとりんごと
おはぎだけが残っていました。
そしてキッチンのシンクには
洗い物の山。
そうです、
春ちゃんは
お料理するのは好きですが
お皿を洗うのは
苦手なのです。
春ちゃんは
いつも私の顔を見ると
さらにび~び~泣き出します。
困った癖なんです。
仕方ないので
いつものように、髪を洗ってあげて
ご機嫌取り。
今日は、トリートメントと
ヘッドマッサージまで
最近、婚約者とも別れ
仕事一筋な私。
疲れて家に帰ってくると
この手の掛かるペットの世話。
まったく何をやっているんだか……。
それでも、春ちゃんと離れることが出来ず
相変わらずの奇妙な共同生活。
そりゃあ、髪を洗ってもらって
でもね、
あ、でも春ちゃんは男の子
適度な運動も必要ね。
春ちゃん、
お散歩行く?
外はすっかり春。
ぬるくて、まるい空気が
堅くなった気持ちも和らげてくれます。
大きな桜の木。
すっと風が吹くと
桜の花びらが舞い
春ちゃんの柔らかな髪が揺れました。
綺麗……
桜の中にいる春ちゃんの横顔に
つい見とれてしまいました。
そして、
油断してしまった…
うかつでした。
あまりの事に
私は呆然とその場に
立ち尽くしました。
春ちゃんは、くしゃっと笑うと
遥か遠くまで走って行ってしまいました。
いつもだ
いつもこの笑顔のせいで
甘やかしてしまう。
皆様、
ペットは躾が肝心です。
どうか
お忘れなきよう……。






