闇に囚われる 奇行
あまりに深刻すぎる現実のおかげで、逆に冷静になってきた。
私の決死の助けてメールに何かを感じ取ったのか、母はすぐに帰ってきてくれた。
ガチャン
ドアの音と同時に、私は無言で3歳の娘とたった5ヶ月の息子を母に預ける。
4年前、私たちは娘の出産を期に私の実家に移り住んだ。
せっかく二世帯なんだから。と言う父の理屈に半ば嫌々の引越しではあったが、この時ばかりは心からこのシチュエーションに感謝した。
母には2人分のパジャマや息子用のオムツ、ミルクや哺乳瓶がたくさん入った紙袋を一緒に渡す。
中身を見た母は力強く頷く。
私の苦難を感じ取ったのか訳も聞かずに、二階の生活スペースへと向かう階段を子ども達と一緒に上がって行った。
娘もこの時ばかりはわがままを言わずに黙っていた。きっと見たこともない私の表情を見て、子どもながらにそうしたのだろう。
さてと。
気持ちを仕切り直して深呼吸をする。
大きな壁と向き合う時間だ。
私はまた、あの異様な空間と化しているリビングの扉を開けた。