シューマン交響曲第4番の曲目解説を書きました!
すごく良い勉強になったのでシェアします。
字数制限があるので、かなりコンパクトにしてますが、
もしご興味あればぜひご一読くださいね。
シューマンとクララの絵🖼️です。
一流音楽家夫妻なんです🎶
ロベルト・シューマン(1810-1856)はロマン派を代表する作曲家で、ドイツ東部のツヴィッカウで裕福な書籍商の子として生まれました。子供時代から多くの書物に触れて育ち文学的に
とても優れたセンスの持ち主でした。
父はシューマンに高価なグランドピアノを買い与えると、彼はそれを夢中で弾くようになり、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらの管弦楽曲をピアノ連弾用に編曲して遊びました。大変恵まれた幸せな幼少期を過ごします。
父親の死後、彼は母に法律家になるよう説得されライプチヒ大学に入学し法科の勉強をしますが、在学中は音楽への情熱を益々深めていきました。
ここでフリードリヒ・ヴィークという、当時有名な
ピアノ教育家と知り合います。将来の妻となるクララの父親です。
彼はヴィークの元に弟子入りし、そこでピアノの練習に没頭しますが上達を焦るあまり、指広げ器具で指を故障してしまい、ピアニストへの道を断念、作曲家を目指すようになりました。
そのような経過を経て、クララと相思相愛になり二人は婚約します。
しかしヴィークはこれに猛反対、裁判沙汰にまでなりました。クララは幼い頃からピアノの天才と呼ばれ、収入も名声もクララの方が遙かに上、身分違いの恋愛だったからです。
しかし3年後、二人は晴れて結婚することができました。
そしてシューマンはここから才能を一気に開花させ、数々の名曲を生み出します。クララも積極的に彼の曲を演奏し、夫の知名度を上げていきました。
順風満帆な生活でしたが、かねてより精神的な持病があったシューマンは抑うつ、不眠等の症状に日々悩まされます。夫婦には8人の子供がおり、クララはピアニストとして、母として、妻として夫を
支える三重の生活でした。
彼は激しい幻覚妄想状態の中、ライン川に投身自殺を図りますが、
未遂に終わり、その後精神病院で過ごし不幸な最後を遂げました。
シューマンとクララのひたむきな愛は、まるで繊細で甘美な彼の音楽そのもののように感じることができます。
この交響曲第4番は1841年にクララ22歳の誕生日のプレゼントとして贈られました。本人は会心の作品だったのですが、
メンデルスゾーンが指揮を降板したり、クララとリストのピアノ演奏が同じプログラムに入っていて、客の関心はそちらに向いてしまい、この曲は思わぬ評価を得られなかったのです。
そのため、本来第2番となるべき作品でしたが10年後に自身が改訂、再演それから出版されたために、今の番号となっています。
第1楽章:Ziemlich lngsam - Lebhaft かなり遅く~いきいきと
冒頭にユニゾンのラが鳴り響いた後、内声パートで行きつ戻りつの主題が演奏されます。これが第2・3楽章でも形を変えて現れる主題です。
第2楽章:Romanze Ziemlich langsam ロマンツェ かなり遅く
叙情的で物悲しげな旋律は、シューマンのメランコリックな気質が作品の個性となって独特の世界を形成しているように感じます。
第3楽章:Scerzo Lebhaft - Torio スケルツォ いきいきと
歯切れ良い厳格なスケルツォと甘美なトリオの対比が印象的です。
第4楽章:Langsam-Lebhaft 遅く~いきいきと
終楽章への序奏は異次元の世界に移行する雰囲気で、まるでベートヴェンの運命の終楽章への移行部分、暗闇から光へと似ています。
その後祝祭的な宮廷の音楽が始まります。
集結部は速度を増し、晴れやかな和音の響きに包まれて終わります。