恋愛ドック  | 運命の人を探して

恋愛ドック 

ああ~どこにいるんですかねえ・・・


会社の後輩のしほりんは、

パソコン作業の手をとめると、

頬杖をついて、ため息をついた。


「もう、来年、30なんです。

友達も、ほとんど結婚しちゃってるし、

子供も、ずいぶん生まれているし、

彼氏もいないのは、私くらいなんですよ」



栗色のボブヘアがキュートなしほりん。


フフフとよく笑う、かわいらしい性格で、

社内のおじさまの受けは、絶大だ。



「しほりんなら、モテるでしょう?」


私は、平凡に言葉を返した。


すると、彼女は、泣きそうな眼をして、

首をぶるんぶるんと横に振ると、言った。


「だめんずなんです。

好きになると、すぐ尽くしちゃって・・・」


「そっかあ」


「前の彼は、いきなり、夜中に、

 腹減ったって家にくるような人で、

 そのたびに、私、起きて、夜食を作っていたんです」


「なるほど~」


「おまえみたいなブサイクと

つきあってくれるのは俺くらいなもんだって
言われたり・・・・」


「へえ」


「俺のどこが好きか、
今から、30箇所、言え!っていわれたり」


「ほんとに?」



次から次へと元カレのだめんずぶりを話すしほりんは、


なんだか・・・


とっても・・・


イキイキしていた。


それは、まるで、


スパルタだった部活の思い出を語るようでもあり・・・


ふと、思ったのだ。



結果がどうであろうと、


何かに夢中になれた、という時間こそが、


かけがえのない思い出になるのかもしれない。


「また、夢中になれる人が見つかるといいね」


「はい!」


しほりんは、大きくうなづいた。


が・・・


数秒後、至極、真面目な顔をして言った。




「いえ!あのリサさん、 もうアタシ、恋はいいです。
結婚がしたいので・・・。

ほどほどに好きになれる人であれば」



そうですか・・・

アドバイスって難しいですね。




そんな、



難しい恋愛アドバイスをし続けた連載、


「恋愛ドック」が、4月で終了となりました。


共感出来た方、そうでない方、いらっしゃると思いますが、


私なりの恋愛観をさらけ出せたかなあ・・・と

思っています。


掲載も、4月いっぱいとなりますので、


まだ読んでいないという方は、


立ち寄ってみてください。


長い間、ありがとうございました。


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