朝の散歩。
ご近所を一回りするだけだが、
「ああ、桜三昧だ。」
と飼い主が嬉しい悲鳴をあげるほど、次々に桜の木を見上げるので、歩みが進まない。
こちらは、下に見る川のほとり。
散歩をしたばかりなのに、飼い主は。
「昨日の公園に、また行こう。
桜もまもなく見納めだから。」
と、一仕事終わると車に乗った。
いいねえ。
実家の見回りだけでは面白くないが、公園に寄るなら話は別だ。
公園に着いた頃から曇りはじめた。
かなり暖かくなるという予報に従ったのだろう、半袖でウォーキングしている人々。
しかし実際は風が冷たくて、飼い主は車の中からパーカーを出して羽織った。
重なりあう桜の枝。
ちょっとの風でも、ぱあっと薄桃色の桜吹雪。
ボクはまさに【桜の花びらを浴びて】歩く。
舞い落ちる花びらの、色のグラデーション。
贅沢だなあ。
少しずつ青空がもどり。
「今年は京都に行かなかったけど、十分満足だ。
こうして毎日毎日、桜の中にいられるからね。
今年のベスト3になると思う、いい陽気だなあ。
幸せ感じる陽気だよ。
い~ざ~や~、い~ざ~や~、見いに~ゆうかあん~。」
花びらの
雨は避けずに
服に受け
落とさぬように
ベンチに座る