大雨のあと。




雨は、川の水量を増し流れを速くし。



近所の川からは、一日中轟音が聞こえている。





風は、桜の花を散らし。




惜しむらくは、花びらたち。

昨日まで【桜】として一緒だったのに、離ればなれになって方々に飛び。



咲く前から咲いたあとも。

光にふれても風に揺れても嵐にあっても、人々の目はついてくる。



「桜は、マスコミに動向を追われる有名人のようだ。」




飼い主は、ここらでたいてい、歌を詠むのだが。






実家の見回りに行くと、先日来大きく花開いていた桃は、ほぼ無事。






桜のように注目されなくても。

ときに桜や梅と間違われても。

しずくがまだたっぷりとついた花が、雨上がりの空の雲の隙間から、スポットライトをあびていた。





「はて。」




おや、飼い主。

それは、新しく始まった朝ドラの中のセリフ。

今年の流行語になりそうですね。




「ん~。

短歌が、できない。」ぼけー





おのおのの

春の嵐は

過ぎ去って

我が身にかかる

・・・




「これは違うな。

我が身の滴‥‥

いや、そうではないな。



花々は、嵐を受け止めてやり過ごした。

人生の嵐も、いつか‥‥」