鳥ではなく、風になって、あなたの心を吹き抜けて、あなたの心をざわつかせたい。
会いたくて、会いたくて。一秒でも早く、あなたに会いたくて、スカートがはだけるのも無視して、風になった。
あたしのあなたとの思い出は、どれも疾走するようなすごいスピードで流れていく景色と、鮮やかな色彩でした。
靴をならして、一秒でも速く走れるなら、辿り着いた先にあなたが待っていてくれると、あの頃のあたしは知っていたのよ。
ルピシアの今シーズンの紅茶、カシスのストレートティーをアイスでさらりと飲むように、香りだけが軽やかに残るような、そう形容したいような思い出なのです。
どうして、あなたはいつも遠い?ゴールは見えているのに、どこまでも続く坂道を風になりながら走るみたいに、追いかけて、追いつけなくて、紅潮した頬を感じながら、息を切らして、こんなにも走るのに。
会いたくて、会いたくて。会えなくて、たまらなくなって、手紙を書くことにしたのです。
ほんの少し、今よりも少しだけでも、この気持ちをあなたに譲り渡すことができるなら、心が幾分でも軽くなる。軽くなったら、そうしたら、もう少し、今よりも速く走ることができると思うから。
