表示板が君の 飛行機を示す
もう25分で 君は舞いあがる
引きとめるのならば 今しかないよと
壁のデジタル時計が またひとこま進む
あの頃は 止まれとさえ祈った時間を
知らず知らずのうちに 君はもて余している
手荷物は ベルトコンベアーに流れて
思っていたより確かに
風は止まろうとしている
人ごみのロビー ざわめきの中で
君は静かに 時計をはずす
最終案内が 答えを告げる
穏やかな声が ロビーに響く
君の淡い方が 心なしかふるえ
チケットにすがるように 背中を向ける
君は今 スポット浴びたスターのように
滑走路というステージに 呑み込まれてゆく
君をのせた 鳥がやがて翼はためかせて
赤や緑のランプを 飛び越えてゆく
人ごみのデッキ ざわめきの中で
僕は最後の風を ひとり受けとめる
作詞・作曲・歌 /さだまさし
「 春の足音 」
頬をなぜた 冷たい風
それほどさびしいわけじゃないけど
若くないな ・・・ そんなことを
つぶやくなんて とてもおかしい
通りすぎた 想い出たちに
笑われぬよう 身がまえて
袖を立てた その指先で
白い雪が 舞い散る
足をとめて 手をさしのべ
落ちては溶けゆく 雪を見つめ
「ついてないな ・・」そんなことを
つぶやくなんて とても悲しい
もどることは 出来ないことと
分かっていても つい振りかえる
知らず知らず 歩いた道を
白い雪が かき消す
ふり続け ふり続け
何もかも 埋めつくせ
誰ひとり 気付いちゃいない
短い 春の足音
作詞・作曲・歌 /松山千春



