東京のお母さんとの新しい生活、そしてろう学校での日々…。東京での毎日は、緊張の連続だった。小豆島では歩いていると声をかけてくれたが、東京の人は冷たかった。大きな都会の中で、わたしは一人取り残されたような気がした。そんなとき、海司が星空の写真を送ってくれた。小豆島の空だ。写真の裏には、海司の字がならんでいた。東京の空にも、星があるんやて。おれの見ている空と美波の見てる空は、同じ空ってことや。相変わらず下手な字だった。読んでいるだけで、海司がそばにいている気がした。


東京では陸が助けてくれて、静かに手を伸べてくれて、東京の生活に少しずつなれてきた。手術をして、耳が聞こえるようになったら、海司の声が聞くことが出来る。そのために、わたしは東京での生活を毎日がんばって過ごしてきた。海司の誕生日プレゼントに絵本を手作りして、そのころだ、ブタさんとサル君の絵本だ。心をこめて文をつづり、絵を描き、色をつけた。海司は、ものすごく喜んでくれた。


わたしは、その千人のうちの一人になってしまった。わたしの耳は手術をしたも聞こえなかった。みんなが祈ってくれて、海司といっしょに秘密の島に行ってお願いしたのに、わたしの世界は音のないままになってしまった。信じられなかった。音にあふれた世界の扉は、もう一生開くことはないのだ、そう思うと、目の前が真っ暗になった。あのときのわたしは、ショックであたりが見えなくなっていたと思う。心配してくれたお父さん、お母さん、おじいちゃん、友だちや海司のことさえ考えられなかった。わたしはお母さんに黙って抜け出し、小豆島に行った。そして、秘密の島へ向かった。わたしにとって、一番大切な場所だった。なにをどう考えたらいいのか、わからなくなっていた。このまま消えてしまいたい思った。一人で海を見つめて、笛を吹く。突然、海司の姿が現れた。信じられなかった。この島にいると、きっと海司が来てくれる。わたしは、心のどこかでそう思っていた。


海司はわたしを見つけるなり、駆け寄って、強い力で抱きしめた。悲しみが、わたしの体中をかけめぐる気がした。『わたし、海司の声が、聞けなくなってしまった。』海司が『一年後二年後、十年後には、治る方法がみつかるかもしれない』無理だよ、海司。そんなことあるはずない。『お前には聞こえるやん』海司が何を言っているのかわからなかった。『お前が笛を吹いても、おれの名前を読んでも、聞こえんでも、美波はおれの心の声は届くし、おれには美波の声が届く』海司はノートに『おれがお前の耳になったる。あの約束、一生守るから』その字を見たとたん涙があふれてきた。


東京の生活に慣れてきたところ、わたしは陸の紹介で、喫茶店のバイトを始めた。そこで、絵本と出会い、喫茶店に置いてある絵本をみて、自分の気持ちが惹かれていった。できれば、この道に進みたいが、わたしはそう思った。ただ、わたしは迷っていた。絵の道に進むと東京へ残ることだ。海司と家族のいるもどりたい気持ちは、消すことのできなかった。


海司は、わたしの迷いをわかっていた。卒業したら、東京へ出てくると言い出した。でも、わたしは知っている。小さい頃から、海司の夢はお父さんのオリーブ園を継ぐことだ。そのために、その夢を捨てることはできない。わたしたては悩んだ。お互い相手の事を考えすぎて先が見えてなかった。わたしたちは急すぎて、その道を見つけることができなかった。わたしは、海司に告げていた『わたしたち、別れよう』驚いた海司の顔、うつむいた目の暗さ今でも忘れない。あんな別れ方をしたくなかったが、あのときのわたしは、海司の幸せのためだと無理やりに言い聞かせた。



美波は東京での新たな生活が始まりました。

陸に助けられた面もありました。しかし、

美波の耳の手術をした結果、耳が聞こえなく

なったところは、美波のことを考えるとかわい

そうで涙が止まりませんでした。海司が美波に
とって、支えになりました。

美波のやりたいことが見つけだそうとした時に

二人の距離が遠くなってしまって、別れを

決断さぜる思いをした所は、胸が痛ったです。


「ラブレター」ノベライズ本のレポート 

遠距離恋愛、そして別れ は終了です。


次回は 別々の道 をアップしたいと思います。


それまでのお楽しみに