下記法務省のHPに掲載しています「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」を、下記スケジュールで読み上げます。

 

Q3~Q15 「法定後見制度について」 | 成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A | 成年後見制度・成年後見登記制度 (moj.go.jp)

 

 

4/29 Q8.9

5/6  Q10.11

5/13  Q12.13

5/20  Q14.15

 

 

Q12:親族以外の第三者が成年後見人に選任された事例を教えてください。

次のような事例があります。

○親族以外の第三者が成年後見人に選任された事例
ア 本人の状況:統合失調症
イ 申立人:叔母
ウ 成年後見人:司法書士
エ 成年後見監督人:公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート

オ 概要

本人は20年前に統合失調症を発症し、15年前から入院していますが、徐々に知的能力が低下しています。また、障害認定1級を受け障害年金から医療費が支出されています。本人は母一人子一人でしたが、母が半年前に死亡したため、親族は母方叔母がいるのみです。亡母が残した自宅やアパートを相続し、その管理を行う必要があるため、母方叔母は後見開始の審判の申立てを行いました。

家庭裁判所の審理を経て、本人について後見が開始されました。そして、母方叔母は、遠方に居住していることから成年後見人になることは困難であり、主たる後見事務は、不動産の登記手続とその管理であることから、司法書士が成年後見人に選任され、併せて公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートが成年後見監督人に選任されました。


ア 本人の状況:重度の知的障害
イ 申立人 母
ウ 成年後見人:社会福祉士

エ 概要

本人は、一人っ子で生来の重度の知的障害があり、長年母と暮らしており、母は本人の障害年金を事実上受領し、本人の世話をしていました。ところが、母が脳卒中で倒れて半身不随となり回復する見込みがなくなったことから、本人を施設に入所させる必要が生じました。

そこで、本人の財産管理と身上監護に関する事務を第三者に委ねるために後見開始の審判を申し立てました。

家庭裁判所の審理を経て、本人について後見が開始されました。そして、本人の財産と将来相続すべき財産はわずかであり、主たる後見事務は、本人が今後どのような施設で生活することが適切かといった身上監護の面にあることから、社会福祉士が成年後見人に選任されました。

Q13:複数の成年後見人が選任された事例を教えてください。

次のような事例があります。

○複数の成年後見人が選任された事例
ア 本人の状況:重度の認知症の症状
イ 申立人:長男
ウ 成年後見人:申立人と本人の二女

エ 概要

本人は夫を亡くした後、一人暮らしをしてきましたが、約10年前から徐々に認知症の症状が現れ、3か月前から入院しています。最近では見舞いに訪れた申立人を亡夫と間違えるほど症状は重くなる一方です。本人の入院費用の支払に充てるため、本人の預貯金を払い戻す必要があり、後見開始の審判が申し立てられました。

家庭裁判所の審理の結果、本人について後見が開始されました。そして、近隣に住んでいる長男と二女が、本人が入院する前に共同して身のまわりの世話を行っていたことから、長男と二女が成年後見人に選任され、特に事務分担は定められませんでした。


ア 本人の状況:くも膜下出血による植物状態
イ 申立人:妻
ウ 成年後見人:申立人と弁護士

エ 概要

2年前に本人はくも膜下出血で倒れ意識が戻りません。妻は病弱ながら夫の治療費の支払いや身のまわりのことを何とかこなしていました。しかし、本人の父が亡くなり、遺産分割協議の必要が生じたため、後見開始の審判を申し立てました。

家庭裁判所の審理の結果、本人について後見が開始されました。そして、妻は、子どもと離れて暮らしており、親族にも頼る者がいないため、遺産分割協議や夫の財産管理を一人で行うことに不安があったことから、妻と弁護士が成年後見人に選任され、妻が夫の身上監護に関する事務を担当し、弁護士が遺産分割協議や財産管理に関する事務を担当することになりました。