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コーヒーが冷めないうちに
川口俊和
あらすじ
古い喫茶店「フニクリフニクラ」には、過去に戻ることが出来るという不思議なうわさがあります。そのうわさを聞きつけて過去へ戻りたい様々な人が来店します。その席には本を読んでいる女性が席から立ちあがった時でないと、
その席には座れません。何度来ても、何時間待っても座れない人、たまたますぐにその席に座れる人さまざまです。
たまたま座れたとしても少し面倒な過去に戻るためのルールがあります。そんな、古い喫茶店での物語です。
結婚を考えていた人と別れてしまった女性、記憶が消えていく男と看護師の話、家出した姉とよく食べる妹の話、この喫茶店で働く妊婦の話、それぞれが過去に戻る不思議な小説です。
グッときたポイント
結婚を考えていた人と別れてしまった女性・・・自分の傲慢で素直な気持ちを言葉にできなかった。ギクシャクして別れてしまったけれど、過去に戻ってきちんと気持ちを伝えたい。よくある場面そんな誰にでもある一つの場面で一生の後悔をしている私たちにリアルタイムで素直になれ、後悔するぞ勇気をだしてと応援してくれているようだった。
記憶が消えていく男と看護師の話 ・・・お互いに思いあうが故のすれ違いこれも傲慢というのかな?本人も申し訳なくてはずかしいという思いもあって病気であることを伝えられなかった。相手も多分看護師さんとして接するほうが幸せだと思い込んでいたけど。手紙の内容がとても心を打った。おしどり夫婦といえど他人なんだとしみじみ感じた。親子であってもそうだなと思う。病気になる前に、希望や意向を伝える必要性を感じた。言葉にするのは大事なことだと思ったし、思い込みは自分もしんどいし相手もしんどいのではないかな?二人の会話が暖かすぎた。とても感動した場面でした。
家出した姉とよく食べる妹の話・・・自分のわがままから家出してその後は自分の思い込みで合わす顔がなくてわざとすれ違ってきた姉妹。やはり人の気持ちも自分の気持ちも上手く伝えられていたら良かったのかな?中々身内も難しい。でも、後悔してもしきれないことがある。そうなってからでは遅いよと教えてもらった気がする。
この喫茶店で働く妊婦の話・・・過去だけでなく未来にも行けるのかと。不安だったけどタイムトラベルして安心して出産できました。感動的な場面がたくさんありました。
最後には現実は変わらないが心がかわったと。こころがかわったら行動や考えかたなどすべてが変わってくるのだと思う。
今、古い喫茶店に出会えたら、いつの場面にもどりたいかな?私はたくさんありすぎて困ります。
だから、こころを変えなさい、後悔がないように生きなさい 勇気をだして言葉にしなさいと言われている気がした。
過去は変えられないけど未来は変えられる‼
と思いたい。
こんな人におすすめ
いつも後悔してしまう人 とてもやさしい思いやりがある人かな 何か泣きたい時とか