夫に身を任せたあと、私は割と冷静だったと思います。しばらくは夫の腕の中で抱かれていましたが、夫がタバコを吸い出すと話したい事は何かと聞きました。

夫は俺とお前は、お互いの事はまだよく分からん。これから一緒に暮らすのだから、それまでにお互いの事をもっと知っておいた方がいい。

それから夫と私は色々と自分の事を話し始めました。

私は包み隠さず何でも話しました。
姉とは父親が違う事、そして祖父の養女になって一緒に暮らしたことがないこと、父と母は折り合いが悪くいたたまれなくなり、早く前夫と結婚した事など。

夫は何も飾らず、早くに父を亡くし、子供の頃極貧生活を送って来た事や、就職のため大阪へ出てくる時は学生服で来て、他の同期の人達のスーツ姿が羨ましかった事を話してくれました。

しかし父の闘病中に田畑を売り、その後も必死で昼間は働き夜は大島紬を織って、双子の兄と自分を同時に高校ヘやってくれた母に、服まで用意して貰うことはできなかったと。

涙の出そうな話をしてくれました。
夫も寂しかったんだ、私に心を開いてくれ包み隠さず辛い過去を話してくれました。

夫への感謝から、早くこの人と一緒に暮らしたいと思うようになりました。結婚してくれたら、いつか恩返しをしたいとずっとその思いは続きました。