がん患者に"言ってはいけない"NGワード

https://president.jp/articles/-/28438

こんな記事がありました。

癌=悪、高齢者がなるもの、死ぬ病気

というイメージが強すぎるけど
日本人の半分はかかる病、治る人も多くいる病なのだということをもっと知ってほしいですよね。

私の周りの人もそうで、
誰か有名人が癌発表したり癌で若くして亡くなると、
その度に「気をつけなきゃ」とか言うけど
それで実際 "気をつけて" 行動してる人なんてあまり見たことがない。

まして私が32歳で癌になっていて、
身近にいる職場の方も同世代の友人も何故か「私はならない」みたいな風で話してくる。
独身だと保険も入ってないとかね。
まぁそれは私が心配しても仕方ないけど、そういうリスクへの意識が低い人は多いんだなあと思っています。



で、その記事を読んでみたのですが、
言われて傷つく言葉は人それぞれ。

以下は【私の場合】です。
私が嫌だなぁと思ったのは職場の方からの言葉がほとんどでした。

「癌だって公表したら?みんな心配してくれるかもよ」
→今芸能人が癌公表する人ばかりだからというのもあるけど、公表することはとても勇気がいりますよ。「風邪気味なんです〜」なんていうのとはわけが違う。


「無理しないで!体調優先して!」
→じゃあ手伝ってください。って感じ。
手伝ってくれるわけではなく、声かけるだけ。
体調を優先しても仕事に戻れば溜まっている一方。無理するしかないじゃん。


「あなたの休み中は色々大変だったよ」
→通院や2、3日入院したあとに会社戻ったらこの発言をされた。
優しさのつもりでしょうけども、負担に感じてしまうのですよ。
その大変だった仕事をまたやるのか…と憂鬱になります。
私の場合は前々から仕事量の調整をしたいと言っていたのにです。
大変だと思ってくれるなら日頃から手伝ってくれるなり改善に協力してくれるなりして欲しかった。


そのくせ
「元気そうだから大変そうにみえない」
→私の場合は仕事がしやすくなるどころか、むしろ何故か日に日に仕事が増えていったのですがw、それも元気そうだから。だって。
明らかに不健康でーすっていう顔で出社すると思いますか?するわけないよね。
病気を打ち明けていない人達に心配かけまいとふるまっているのよ。

  

あとは
やたら体調どうですかと聞かれたりするのも鬱陶しかった。
治してくれるわけでもないし対策を考えてくれるわけでもなく、ただ聞くだけ。
先があって聞くならいいと思うけど、「よ、調子どう?」のノリで聞くのはNG。
癌の治療や通院って想像以上に大変だし、
手続きやらなにやらもやること多いし、
お金もかかるし、生活や将来のことなど不安だらけだし…
とにかく自分のことで精一杯なのです。


「休むなら引き継いでおいて。」
「仕事洗い出しといて」
っていう言葉もすごくムカつきました。
わかっとるわ!
引き継ぐことも相当大変。日頃から協力体制を作れればよかったが、その相談も「元気そう」という理由で結局叶いませんでした。


あと、別部署への異動案もありました。拒否したけど。
働きやすさ優先とかいう名目でしたが、
1から仕事を覚え直すことだったり、環境が変化するストレスだったりということは考えてほしい。左遷か?!と思い多少傷つきます。


関係性にもよるけれど、
大きな病気を患った部下や同僚がいたら、
本気で向き合う自信がないのなら、
心配しているような言葉は簡単にかけるな、という持論に達しました。


職場の人には
「何か手伝えることある?いつでも声をかけてね」
「通院や入院で不在中は業務を代わるから、やりかた教えて。」
「それはやっておくから心配しないでね」
とかが優しさだろうなと思います。
助ける体制整えますよという安心を与えること。


良かれと思って勝手にあーだこーだ動かれるのはありがた迷惑になることがあるので、
適度なコミュニケーションは必要。

手伝われすぎて「やることがなくなった」というのがショックになる人もいると思う。
今の仕事を一生懸命に働きたいのに満足に働けない
ということは、患者としてはツライのです。
もし回復しても、配慮のなかった環境に嫌気がさして戻りたくないとか辞めたくなったりもします。

まぁ、周りは「配慮配慮言われても困るわ!」なんて思うでしょうけどね。
私も以前は思ってたかもしれない。昔の日本だったら大病人なんてお荷物扱いされたでしょう。

働けるだけ感謝!とも思ってはいますけども…
職場にかぎらずですが、助け合いと思いやりの精神がもっともっと必要ですし、言葉選びひとつで人の心と信頼関係は大きく変わる。


思いやりって人間の基本だけど、病気になってから改めてその深みき気づかされました。