6月5日、9時からの手術です。

前日はぐっすりと眠ることができ、目覚めもバッチリでコンディションは最高です。

7時頃に執刀医含め3〜4人のドクターが体調を確認しに来てくれます。

患者は患者で色々な準備があり慌ただしい朝を迎えます。

 

「そろそろ行きますか」っとお迎えに来てくれるのですが、この病室に帰ってくる時にはどんなふうに変化しているんだろう。

隣のおじさんが「行ってらっしゃい。頑張って来てね〜」だって。

ちなみに隣のおじさんは恐らく私よりも進行していて肺に水が溜まっていて呼吸が苦しく夜も寝られないらしい。もうここに来て3週間になるらしい。

 

看護師が9階の手術室まで案内してくれるのですが、2人とも無言で歩き、無言でエレベーターに乗り・・・、この時が一番辛かった。

手術に対しての恐怖心というより、本当に何も話すことがない世界、話題がないのです。

 

9階には全部で20部屋くらいの手術室が並んでいるのですが、私はNO11の手術室を使うらしいです。

同じ時間に同時に20人の手術をする病院。ウゥゥゥ。すごい。

NO.11の前には何人もの手術室看護師が迎えてくれたのですが、全て1度は会ったことがある看護師で、手術室に入って挨拶される医師も術前に説明に来てくれたドクター、外来で検査してくれた医師で顔見知りばかりでした。

 

看護師→「おはようございます。私のこと覚えてますか?」

     って聞かれても、顔半分マスクに覆われていてわかりません。笑

看護師→「昨日病室で説明させて頂きました○○です」、アァァァ〜。

 私 →「はい、覚えてます」

看護師→「緊張しないでくださいね」

 私 →「はい、大丈夫です」         の立ち話。

 

NO11には総勢15名ほどの医師、看護師がいます。

天井から吊るされているあるモニターや、術前に撮ったレントゲン画像やCT画像を見ている医師。

器具のチェック、体に様々な測定器具をつけてくれている看護師、それぞれが黙々と役割を果たしているように見えます。

こんなにたくさんの人たちが私の肺腺がんをやっつけてくれるんだと思うと少し申し訳なってくるぐらいでした。

 

幅50cm×長200cmくらいのやけに狭いベットに左体を下に寝かされます。

右体の肩甲骨の下を切開するので右腕を背伸びするような体位を取らされます。

次に人生初経験の脊髄から胸への麻酔導入チューブの挿入。

挿入するために背中に麻酔をするので痛くはないのですが、なんとも押されるような鈍痛のような妙な気持ちになりました。

この作業に20分ほどかかったような気がします。

この場面が今回の手術で一番苦しい場面でした。

って、まだ手術は始まっていませんが。

 

看護師→「それでは眠くなるお薬入れますね」

                  始まるか〜

 私 →「はい、お願いします」

 私 →「・・・・・・・・・」   意識不明